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フェイスブック、エロ動画に最適なVRカメラを発表
コネクティビティ Facebook’s Live-Action Camera Systems Let You Take Steps in Virtual Places

フェイスブック、エロ動画に最適なVRカメラを発表

フェイスブックが発表した新型VRカメラは、360度の映像を奥行き情報付きで記録できるので、イベントや観光の実質現実体験の撮影に最適だ。もちろん、エロ動画にも適している。 by Rachel Metz2017.04.21

現時点の実質現実(VR)映像には問題がある。

現実世界の風景を360度画像として撮影するカメラは、すでに多く市販されている。360度画像は撮影後にVR映像として楽しめる(「2017年版ブレークスルー・テクノロジー10:360度自撮り」参照)が、この種のカメラのほとんどは奥行き情報を記録しない。したがって高性能VRゴーグル(オキュラス・リフトなど)を装着し、たとえばエッフェル塔の360度映像を見ているとき、しゃがんだり、ジャンプしたり、左右に動いたりすると、エッフェル塔の映像は(コンピューターが生成したというよりは)その人に合わせて動いてしまう。イライラするならまだマシで、最悪の場合は吐き気を催すことになる。

フェイスブックは、2014年にゴーグル・メーカーのオキュラスVRを買収して以来、実質現実を支える最大級の勢力だ。19日に発表した2機種の新型360度カメラシステムで、フェイスブックは「奥行き問題」を解決しようとしている。2機種とも360度映像をライブアクション撮影し、視聴者は実質現実空間内を1.5m程動き回れる。フェイスブックはカメラシステムを年末までに販売する予定だ。

新発表の「X24」と「X6」(数字は内蔵されるカメラの数を表す)によって、バーチャル空間でコンサートを鑑賞したり、有名な建造物を訪問したり、美術館や博物館を巡ったりする体験は、ひとりでも他の人と一緒でも、今まで以上の没入感が得られるだろう。しかし、360度映像のメリットを実際に生かすには、視聴者の空間上の位置や頭の回転位置を追跡するゴーグルが必要だ。

フェイスブックのマイク・シュレーファー最高技術責任者(CTO)は「全体的に、弊社はVRでユーザーの没入感を向上させようとしています。最終的には、実際にその場にいるような感覚を、ユーザーにできるだけ提供するつもりです」という。

ノキアの「オゾ(Ozo)」やグーグルの「ジャンプ(Jump)」、ライトロの「イマージ(Immerge)」“Lytro Is Building a Camera to Capture Live-Action Virtual Reality”参照) など、ライブアクション型のVR撮影に対応する高性能カメラの開発企業はすでに数社ある。だがフェイスブックがX24とX6で実現したように、撮影時に奥行き情報を記録できるカメラはごくわずかだ(ライトロ製カメラは可能)。また、奥行き情報を記録できるライブアクション・カメラを普及させた企業はまだない。

シュレーファーCTOによると、X24とX6はプロ向け製品だが、テクノロジーは最終的に消費者向け製品にも導入されるという。

フェイスブックか毎年開催する開発者向けカンファレンス「F8」で発表された新型カメラシステムは、UFOのような見た目の「サラウンド360」(17台のカメラを内蔵し、360度の鮮明な3D画像を撮影するために開発された) の発表から1年後に登場した。フェイスブックはサラウンド360を販売しなかったが、既製の部品でサラウンド360を作りたい人向けに、GitHubでサラウンド360のテクノロジーを公開した。

ただしサラウンド360はX24やX6のように3D情報は記録できなかった。シュレーファーCTOによると、フェイスブックの新型カメラシステムは、レンズの位置と内蔵ソフトウェアにより、視聴者が動き回った時に世界がどう見えるのかを再現できるという。

先週、X24が撮影した生のデモ映像をオキュラス・リフトゴーグルで視聴した。デモ作品の生い茂った熱帯雨林を、その頂上付近にある見晴らしのよい通路から眺めていると、側を蝶が舞っていた。また、魚が周囲を泳ぐ水族館の中のトンネルも見た。デモ映像には奥行き情報があり、オキュラスのゴーグルは6自由度で動きを追跡できるため、景色の中を動き回って、熱帯雨林の木々や、トンネルの中のベンチに座る旅行者、頭上や周囲をうろつく魚まで見えた。

映像のほとんどは鮮明で、本物そっくりの景色の中を自由に動き回れたのは非常に素晴らしい体験だった。だが、フェイスブックのテクノロジーはまだ研究途上であり、少なくとも映像を調整するための編集工程が必要だ。たとえば、熱帯雨林の葉っぱに縞模様が見えることがあったし、他の場所ではチラチラとした光が見えるのが気になった。

フェイスブックのエンジニアリング部門の責任者で、新型カメラシステムの開発チームを率いたブライン・カブラルによると、カメラの物理的な配置によって、与えられた景色の各ピクセルを多くの異なる角度から撮影できるという。また、撮影後には数学を利用して映像の奥行きを推定するという。

カブラルは「風景の中のどこにいるのかを理解できれば、ユーザーはすぐに動き回れます」という。チラチラとした光は、カメラシステムが生産段階に入る頃には解決されるという。

カブラルによると、フェイスブックは、提携先の数社(企業名は不詳)が新型カメラシステムを製造できるよう、システムのテクノロジーをライセンスする予定だ。

「新型カメラシステムのエコシステムを成長させるために、複数のモデルを提供するのが狙いです」とカブラルはいう。

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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