KADOKAWA Technology Review
×
【10月31日まで】日本初開催 「Innovators Under 35」候補者募集中
Chip Makers Admit Transistors Are About to Stop Shrinking

ムーアの法則終了
米半導体業界団体が認める

あと5年でムーアの法則はそれ以上の微細化を進めるとコストが割に合わなくなるが、メーカーは別の方法で半導体基板を進化させようとしている。 by Jamie Condliffe2016.07.25

半導体の集積度は「ムーアの法則」どおりには高まらなくはなっている。だがもっとも恩恵を受けてきた米国半導体産業はついに、ムーアの法則がもうすぐ終わると認めた。

インテル、AMD、グローバルファウンドリーズなどが名を連ねる米国半導体工業会が発表した2015年版国際半導体技術ロードマップによると、何十年間も微細化してきたトランジスターは、2021年までに微細化が完全に止まること見込まれているる。それ以降もシリコン・トランジスターのサイズを縮小しようとすれば経済効率が悪くなる、というのだ。

しかも報告書では、集積回路のトランジスター数は約2年ごとに倍増するというムーアの法則が、単に鈍化しているのではなく、急ブレーキで止まろうとしている、と記載した。

今年初め、インテルは半導体基板テクノロジー改良のペースを落とす予定だと発表し、10ナノメートルで製造される史上最小のトランジスター・テクノロジーの発売を、2016年から2017年に延期した。実際インテルは、従来型のシリコン・トランジスターの微細化はあと5年しか続かないと既に警告していた

ただし、ムーアの法則が終了するといっても、半導体産業全体としては、半導体基板テクノロジーの終わりとは受け止められていない。コンピューターの能力をもっと高める他の方法があるからだ。

もっとも有望なのは、半導体基板をもっと専門分野に特化させることだ。高速な万能選手にするよりも、たとえばグラフィクス処理や人工知能のような特定分野の処置を扱うために最適化する。半導体基板の形状も変化しそうで、いくつかのメーカーで開発が進むシステムでは多層回路を用いており、何段にも積み重ねてトランジスター密度を向上させる。また、速度よりエネルギー効率の改善に進化の方向が変わることも考えられる。ソフトバンクが最近買収したARMホールディングズがスマホやIoT向けに設計した半導体基板のラインアップは、ここ数年トップの座を占める分野だ。

ムーアの法則は終わろうとしている。だがイノベーションが終わることはない。

関連ページ:

 

人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020AI Issue

技術動向から社会実装の先進事例、倫理・ガバナンスまで、
AI戦略の2020年代のあたらしい指針。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る