バイドゥが
「電脳コイル」を実現
コンピュータービジョンと自然言語処理を組み合わせた拡張現実で、数億人のユーザーがレイヤーを拡張された現実を体験する。 by Jamie Condliffe2016.08.03
中国の大手インターネット企業バイドゥが発表した新しいARプラットフォームは、ユーザーが多岐にわたるアプリのテクノロジーを利用できる。
DuSeeと呼ばれるシステムは「高度なコンピュータービジョンと深層学習」により「ユーザーが3次元環境を理解し、現実世界を操作し、フィードバックを受けられるバーチャルオブジェクトが作成できるという。DuSeeは、ポケモンGOや、より進んだ最新テクノロジーを使用するグーグルのTangoのような基礎的ARシステムのひとつのようだ。ポケモンGO型なら、単にアニメーションをデバイスの画面に映し出して現実世界に違和感なく表示し、Tango型なら、3Dカメラテクノロジーで、周囲の環境を映像として、ビジュアルグラフィックスを重ねる。
一方でDuSeeは、スマホのカメラに映った被写体をコンピュータービジョンで検知して解釈し、ユーザーに追加情報を表示する。
バイドゥはDuSeeの使用例を2つ示した。ひとつは、ソフトウェアが上海の2次元地図を認識し、SimCityのような3次元のイラストに書き起こす。もうひとつは、シャンプーの広告を識別し、花を基調とするブランドイメージに調和するバーチャルな花びらを追加し、広告が空間を動き回っても花びらの位置は変わらない。
恐らく、もっとも素晴らしいことは、バイドゥはDuSeeをモバイルBaidu検索など、最も人気の高い自社アプリに用いる計画を立てていることだ。アプリだけでも数百万人のユーザーに使われており、ARはすぐに多くの人の生活の一部になるのだ。
バイドゥは、近年AIシステムへの投資を倍増させている。過去には、本当にくだらないけれど大がかりな画像加工ソフトを手掛けたり、役立つ製品や試作品を開発するために、中国の国産深層学習システム「パドル」を使ったりしてきた。中には、コンピュータービジョンで画像を音声に変換して、目の前に何があるかを視覚障害者に伝えるヘッドセットや、音声インターフェイス用の強力な音声認識ソフトもある。実際、バイドゥは「ARと言語認識や自然言語処理をDuSeeに統合するなど、将来の方向性に期待しています」と述べている。
可愛いキャラクターや魅力的な遊び方で人気のポケモンGO(中国ではまだ公開されていない)は、全世界にARの魅力を広めた。一方でバイドゥは本当に知的な拡張現実体験を一般大衆に最初に提供するかもしれない。
関連ページ
- Baidu
- TechCrunch
- “How AI Is Feeding China’s Internet Dragon”
- “Baidu’s Deep-Learning System Rivals People at Speech Recognition”
- 人気の記事ランキング
-
- Young organs may not be a fountain of youth for recipients 若い心臓は体に合わせて老いる——プーチンには残念な研究結果
- Promotion How AI could reshape Japan’s white-collar workforce 【10/6開催】AIで浮いた人材、次の一手は地方に——冨山和彦氏ら登壇
- An AI “mind-reading” tool can reconstruct what you’re looking at from a brain scan AIの「読心術」ツールが脳スキャンから見ているものを再構成する
- When can we say AI made a scientific discovery? AIを「発見の主体」に据えるAI企業、科学の営みとのずれ
- She died at the San Diego border. A surveillance camera was in plain sight カメラは何を見ていたのか? 世界有数のAI監視地帯で 移民が亡くなっている
- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
