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アップルは自動運転の開発で再び輝けるのか?
知性を宿す機械 Apple Isn’t as Late to Automated Driving as You Might Think

アップルは自動運転の開発で再び輝けるのか?

アップルが自動運転車の開発を進めていることを正式に認めた。先行しているグーグルなどに遅れをとったかのように思われるものの、アップルがこれまで積み上げてきた技術を見ればすぐに追いつけるかもしれない。 by Will Knight2017.06.20

アップルは自動運転車に必須のテクノロジー開発で、他社に大きく先を越されていると思われてきた。無理はない。アップルが自動運転車の開発を進めていることは、先週になってやっとティム・クックCEO(最高経営責任者)が認めたばかりだ。

確かに、アップルがカリフォルニア州で自動運転車の走行テストを実施する許可を受けたのはつい最近のことで、競合他社多数が道路上で試験走行を始めたのは何年も前のことだ。しかし、アップルは以前から密かにプロジェクトを進めるため、ロボット工学や人工知能(AI)に秀でた才能を持つ人材を雇い始めている。

完全自律運転を実用化するにあたって重要なのは、走行テストで何千キロメートルにも及ぶ道路の高解像度地図データを作成する(自動車が無人走行するために重要ではある)ことよりも、不測の事態が起きた時にうまく対処できる、よりスマートな自律システムを開発することだ。

この点で、自律運転は「すべてのAIプロジェクトの母」と語ったクックCEOの考えは正しい。完全自律運転を実現するには、AIが最終的なカギを握る可能性は実際にある。要するに、自律運転の実用化には人間並みの知性が必須ということだ。人間より知性が劣るシステムを採用しても大勢の人命が犠牲になるわけではないが、自律運転が実用化されるのはまだ先の話ということになる。MITテクノロジーレビューが以前からお伝えしている通りだ。

そうなると、アップルが最先端の自動運転テクノロジーを開発できる可能性はある。ただし、人工知能やロボット工学研究に投資を継続する必要がある。自社工場用だろうと家庭用だろうと、アップルがロボットを開発する野心が少しでもあるとすれば、自動運転テクノロジー開発に投資するのは実に賢明なことだろう。

自動運転テクノロジーを除外しても、アップルが自動車分野で成功を収めると信じるには十分な根拠がある。最近の自動車はますますコンピューター化やネット接続が進んでいる。 このため自動車の修理、サービス、改造の現場は様変わりし始めている。

アップルはもうすでにカープレイ(CarPlay)システムを利用して、多数の自動車の中に入り込んでいる。カープレイはiOSのインターフェイスを、カーナビ用ディスプレイで操作するシステムだ。最初の一歩ではあるが、アップルが運転のコンピューター化によって芽生えたチャンスを狙っているのは明らかだ。

さらに、アップルのハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、とても使いやすいインターフェイスを世に出してきた歴史が、他社の追随を許さないことも周知のとおりだ。だから、未来の自動車用OSの開発分野で画期的なテクノロジーを生み出す可能性も捨てきれない。アップルがどの部分を自動化するにしてもだ。

(出典: ブルームバーグ, 「Driverless Cars Are Further Away Than You Think」, 「試験運転中の自動運転タクシーがしばらく試験中のままの理由」, 「Rebooting the Automobile」)

ウィル ナイト [Will Knight]米国版 AI担当上級編集者
MIT Technology ReviewのAI担当上級編集者です。知性を宿す機械やロボット、自動化について扱うことが多いですが、コンピューティングのほぼすべての側面に関心があります。南ロンドン育ちで、当時最強のシンクレアZX Spectrumで初めてのプログラムコード(無限ループにハマった)を書きました。MIT Technology Review以前は、ニューサイエンティスト誌のオンライン版編集者でした。もし質問などがあれば、メールを送ってください。
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