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生命の再定義 Verily Has Built a Robot to Release 20 Million Sterile Mosquitoes in California

グーグルが蚊の大量飼育ロボットを開発、2000万匹を放出

アルファベット(グーグル)の医療系子会社ベリリはカリフォルニア州で、バクテリアの一種であるボルバキアで不妊化した蚊2000万匹の放出を始めた。ジカ・ウイルスやデング熱を媒介する蚊の個体群を減らすのが狙いで、同種の野外実験として米国史上最大規模となる見通しだ。 by Emily Mullin2017.08.01

Verily’s automated mosquito-rearing system at its factory in South San Francisco, California.
カリフォルニア州サウスサンフランシスコにあるベリリの工場の自動化された蚊飼育システム

アルファベット(グーグル)の医療系子会社ベリリは、1週間で100万匹の蚊を育てられるロボットを開発したと発表した。ベリリ(Verily)によると、不妊化した蚊2000万匹の最初の一群をカリフォルニア州フレズノ郡で放出し始めたという。

さまざまな昆虫に感染する自然界のバクテリアの一種であるボルバキアで処理したオスの蚊を放つ野外実験として、米国で史上最大規模となる見通しだ。ベリリによると、飼育・放出できる蚊の数を増やすために、特注のソフトウェア・アルゴリズムとロボットを使っているという。ベリリは2016年10月に、生殖力のない蚊を開発する計画について最初の発表をした。ジカ・ウイルスやデング熱などの病気を媒介する蚊の個体群を激減させるのが狙いだ。

ベリリの取り組みは、死に至る病気の伝染を防いだり、作物を農業害虫から守ったりするために、改変した昆虫を使うことに対する産業界や非営利団体の関心の高まりを象徴している。ビル&メリンダ・ゲイツ財団も不妊化した蚊のアイデアを検討しており、英国企業オキシテック(Oxitec)はいわゆる「自己制御遺伝子(self-limiting gene)」を用いて、時間経過とともに個体群が激減するように娥の遺伝子を改変している「蚊の遺伝子改変で病気を減らしてカネになるのか?」を参照)。

蚊の飼育と放出に役立てるため、ベリリは、ケンタッキー州を拠点とするバイオテクノロジー企業のモスキートメイト(MosquitoMate)と、フレズノで蚊を管理している行政機関である総合蚊駆除局(Consolidated Mosquito Abatement District)と提携している。野外でオスがメスと交尾しても、メスの卵はボルバキアによって不和合を起こし、正常に発育せずふ化しない。オスの蚊は人間を刺さず病気を伝染しないので、ベリリと提携団体はオスだけを放出しようとしている。ベリリは自動化した性選別プロセスを構築し、メスが混入してしまうリスクを抑えている。

モスキートメイトは過去に、ロサンゼルスやフレズノ地域で小規模な野外実験をしていたが、ベリリのハイテクな手法によって、1週間で100万匹の蚊を放出できるようになった。これはモスキートメイトが以前に放出できた数の25倍だ。

ベリリの上級エンジニアであるライナス・アップソンによると、実験の目的は、ボルバキアに感染させた蚊を放した地域で、蚊の個体群がうまく減少するかどうかを確認することだとしている。飼育と放出を自動化することで、改変した蚊の放出を望む地域のコストを下げられるという。

「もし本当に地球規模で人々に貢献するのであれば、蚊の大量生産、必要な地域への蚊の分配、個体群の測定をとてつもなく低コストで行う必要があります」とアップソンはいう。ただし、コストの見積もりに関するコメントは控えた。

モスキートメイトの創業者であるスティーブン・ドブソンCEO(最高経営責任者)は元々、チクングニア熱、デング熱、黄熱やジカ・ウイルスを媒介するネッタイシマカ(Aedes aegypti)の系統を作っていた。15年前、ドブソンは新たに産み付けられた卵に小さな針でボルバキアを注入した。それ以後、感染したボルバキアはメスの蚊を通して子孫に伝わっているので、新しい世代に毎回ボルバキアを注入する必要はない。ボルバキアは不妊化の手法のひとつとして比較的よく研究されており、人間には感染しないので、昆虫に刺されても人間に伝染することはない。

改変された蚊は、「微生物有害生物防除(microbial pest control)」として米国環境保護庁により規制されている。2016年の生態学的リスクアセスメントで米国環境保護庁は、モスキートメイトが改変した蚊は絶滅危惧種を含む他の生物に有害な影響を与えない見通しだと結論づけた。

アップソンは、ベリリは2017年中にオーストラリアでも野外実験をする予定だとしている。「さまざまな環境でこの手法がうまく機能することを示したいと思っています」。

 

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クレジット Image courtesy of Verily
エミリー マリン [Emily Mullin]米国版
MIT Technology Reviewの医学生物学副担当編集者(ワシントンD.C.駐在)です。取材したいのは、医学生物学と医療分野のイノベーションが、私たちの健康や日常生活をどう変化させるかです(いくらかかるのかも)。他に興味があるのは、こうした進歩のうち、世界の健康面の平等にどれがどのくらい影響を与えるかです。以前はフォーブス誌で契約ライターをしていた他、FierceBiotechで編集者のアシスタントをしていました。何かあればメールで連絡してください。
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