KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!
音声アシスタントは
どんなに訓練しても
本物の知能にはなれない
Brother UK | Flickr
カバーストーリー Insider Online限定
AI assistants don’t have the common sense to avoid talking gibberish

音声アシスタントは
どんなに訓練しても
本物の知能にはなれない

現在の人工知能(AI)アシスタントはある程度は優秀だが、会話における人間との違いは歴然としている。会話をする際に、言語で語られたことが本当に何を意味しているのかを理解するためには、明示的に発せられた言語の隙間を埋めるための常識が必要となるからだ。 by Will Knight2018.03.28

Siriやアレクサ(Alexa)が完璧からほど遠いのは明らかだが、機械学習の着実な進歩によって、近い将来、人工知能(AI)アシスタントが、しっかりと物が言えるヘルパーとして使えるようになるのではないかと期待されている。だが新たなテストによって、AIシステムが本当に言語を習得するためには、根本的に異なるアプローチが必要であることが明らかになったかもしれない。

シアトルを拠点とする非営利団体アレン人工知能研究所(AI2)が開発したテスト「AI2論理的推論チャレンジ(AI2 Reasoning Challenge:ARC)」では、小学校レベルの科学の問題が複数選択式で出題される。各問題に答えるためには、世界の仕組みをある程度理解している必要がある(同プロジェクトについての論文はこちら)。

問題は以下のようなものだ。

こうした問題は、プラスチックが成長しないことを知っていれば誰にでも解ける。小さな子どもでも持っている世界に関する常識があれば答えられる。

こうした常識が、音声アシスタントやチャットボット、翻訳ソフトウェアなどに搭載されているAIには欠けている。それで、AIはたやすく混乱してしまうのだ。

機械学習を用いている言語シ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. AI can make you more creative—but it has limits 生成AIは人間の創造性を高めるか? 新研究で限界が明らかに
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
  3. A new weather prediction model from Google combines AI with traditional physics グーグルが気象予測で新モデル、機械学習と物理学を統合
  4. How to fix a Windows PC affected by the global outage 世界規模のウィンドウズPCトラブル、IT部門「最悪の週末」に
  5. The next generation of mRNA vaccines is on its way 日本で承認された新世代mRNAワクチン、従来とどう違うのか?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る