KADOKAWA Technology Review
×
来れ、若きイノベーター! Innovators Under 35 Japan 2022 応募受付開始。
銀行の床下でも「副業」、蔓延するクリプトジャッキング
Jeremy Portje
This security firm found rogue crypto mining infecting 1,000 customers

銀行の床下でも「副業」、蔓延するクリプトジャッキング

他人の端末を乗っ取って無断で暗号通貨を採掘する「クリプトジャッキング」の脅威が広がっている。「EmTechデジタル」におけるサイバーセキュリティ会社ダークトレースの講演によると、同社の顧客5000社のうち1000社でクリプトジャッキングを検知したという。 by James Temple2018.04.02

サイバーセキュリティ会社のダークトレース(Darktrace)は、過去6カ月間で、同社の顧客5000社のうち約1000社のネットワーク上で密かに暗号通貨の採掘が進行していたことを検知した。同社のニコール・イーガンCEO(最高経営責任者)が3月27日に、サンフランシスコで開催されたMITテクノロジーレビュー主催の年次カンファレンス「EmTechデジタル」で述べた。

「非常に大きな問題です」とイーガンCEOはいう。ダークトレースはサンフランシスコと英国ケンブリッジに拠点を置き、人工知能(AI)を利用したデータ漏洩の発見と対応を専門とする企業だ。

注目すべき事例としてイーガンCEOは、ある欧州の銀行のデータセンターのIPアドレスから接続されているように見えるサーバーから発見された不可解なトラフィック・パターンを取り上げた。ケーブルを物理的にたどってじかに調査してみると、一人の不届き者の従業員が、床下に「暗号通貨採掘のサイドビジネス」を設置していたことが確認されたという。

他のセキュリティ会社も、ここ数カ月に発見された、秘密裏になされている暗号通貨採掘に警鐘を鳴らしている。1月にはチェック・ポイント(Check Point)が、コインハイブ(Coinhive)やクリプトルート(Crypto-Loot)といった、他人の端末を乗っ取って無断で暗号通貨を採掘する「クリプトジャッキング」のプログラムに対する注意を促した。これらはもはや、オンラインで最も流布している形式のマルウェアの1つになっている。同社は、世界中の組織の55%がクリプトジャッキングの影響を受けていると推計している(「横行する計算資源泥棒、クリプトジャッキングが世界的大流行」を参照)。

人気の記事ランキング
  1. How China’s biggest online influencers fell from their thrones 桁外れの中国トップ・インフルエンサー、一夜にして転落
  2. How censoring China’s open-source coders might backfire 中国版ギットハブ、コードを検閲・遮断か? OSS開発者に衝撃
  3. Scientists hacked a locust’s brain to sniff out human cancer バッタの脳を改造、人間のがんの「嗅ぎ分け」に成功
  4. These materials were meant to revolutionize the solar industry. Why hasn’t it happened? 参入相次ぐ「ペロブスカイト太陽光電池」、実用化はいつ?
  5. What impact will DeepMind’s scientific AI have on our society? アルファフォールド2が社会に与える「アルファ碁」以上のインパクト
ジェームス・テンプル [James Temple]米国版 エネルギー担当上級編集者
MITテクノロジーレビュー[米国版]のエネルギー担当上級編集者です。特に再生可能エネルギーと気候変動に対処するテクノロジーの取材に取り組んでいます。前職ではバージ(The Verge)の上級ディレクターを務めており、それ以前はリコード(Recode)の編集長代理、サンフランシスコ・クロニクル紙のコラムニストでした。エネルギーや気候変動の記事を書いていないときは、よく犬の散歩かカリフォルニアの景色をビデオ撮影しています。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. How China’s biggest online influencers fell from their thrones 桁外れの中国トップ・インフルエンサー、一夜にして転落
  2. How censoring China’s open-source coders might backfire 中国版ギットハブ、コードを検閲・遮断か? OSS開発者に衝撃
  3. Scientists hacked a locust’s brain to sniff out human cancer バッタの脳を改造、人間のがんの「嗅ぎ分け」に成功
  4. These materials were meant to revolutionize the solar industry. Why hasn’t it happened? 参入相次ぐ「ペロブスカイト太陽光電池」、実用化はいつ?
  5. What impact will DeepMind’s scientific AI have on our society? アルファフォールド2が社会に与える「アルファ碁」以上のインパクト
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.7
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.7世界を変える10大技術 2022年版

パンデミック収束の切り札として期待される「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)飲み薬」、アルファ碁の開発企業が作った「タンパク質構造予測AI」、究極のエネルギー技術として期待が高まる「実用的な核融合炉」など、2022年に最も注目すべきテクノロジー・トレンドを一挙解説。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る