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Stable Diffusionがオプトアウトに対応、次期バージョンで
Stephanie Arnett/MITTR; Getty
Artists can now opt out of the next version of Stable Diffusion

Stable Diffusionがオプトアウトに対応、次期バージョンで

アーティストは今後、テキストに基づいて画像を生成するAIモデル「ステーブル・ディフュージョン」の訓練用データから、自分の作品を除外できるようになる。一歩前進ではあるが、まだまだ問題は多い。 by Melissa Heikkilä2022.12.26

ステーブル・ディフュージョン(Stable Diffusion)は、テキストに沿った画像を出力する、世界的に人気のある工知能(AI)モデルの1つだ。その新バージョンから、アーティストに対してオプトアウトの機会が提供されることが開発会社によって発表された

ステーブル・ディフュージョンの開発元であるスタビリティAI(Stability.AI)は、「スポーニング(Spawning)」と連携する。スポーニングは、アーティストとして活躍するマット・ドライハーストとホリー・ハーンドンが設立した組織だ。ドライハーストとハーンドンは、ステーブル・ディフュージョンの訓練に使われたデータセットからアーティストが自分の作品を検索できる「ハブ・アイ・ビーン・トレインド(HaveIBeenTrained)」というWebサイトを手がけている。アーティストは、ステーブル・ディフュージョンの訓練用データから除外したい作品を選択できるようになるのだ。

今回の決定は、テキストから画像を生成するAIモデルの訓練方法をめぐり、アーティストとテック企業の間で交わされた激しい議論を受けてのものだ。ステーブル・ディフュージョンは、オープンソースの画像データセット「LAION-5B (ライオン-5B)」をベースにしている。LAION-5Bは著作権で保護されている作品を含め、インターネット上から収集した画像で構築されており、一部のアーティストの名前やスタイルは、AIアーティスト志望者たちに人気のあるプロンプトとなっている。

ドライハーストはMITテクノロジーレビューに対し、スタビリティAIが次のモデルである「ステーブル・ディフュージョン3」の訓練を開始する前に、アーティストにはオプトアウト期間として「1〜2週間程度」の猶予があると語った。

ドライハーストによれば、AIアートと知的財産をめぐる明確な業界基準または規制ができるまで、スポーニングのオプトアウト・サービスが制度の欠如を補うのだという。将来的には、データセットへの作品のオプトインをアーティストが自ら選択できるようになるだろうともドライハーストは述べている。

スタビリティAIの広報担当者は、コメントの要請に応えなかった。同社の創業者であるエマード・モスタークはツイートで、今回の決定は「倫理的または法的な理由」からではないと述べている。

「オプトアウトさせない理由が特になく、より包括的なサービスを提供するため、今回の決定に至りました」とモスターク創業者はツイッターに投稿し、「異なるモデルのデータセットは興味深いものになると考えています」と、別のツイートで付け加えた。

だが、エンターテインメント分野で活躍するアーティストの支援組織であるコンセプトアート協会(Concept Art Association)の理事であるカーラ・オルティスは、スタビリティAIが十分に前進しているとは思えないと指摘する。

アーティストがオプトアウトしなければならないという事実は、「世界中のすべてのアーティストが自動的にオプトインされていて、私たちの選択肢が奪われている」ことを意味するとオルティス理事は言う。

「スタビリティAIは、アルゴリズムを使ってデータを除去するだけでなく、データベースを完全に破棄し、アーティストに属するあらゆるデータを集めたモデルすべてを完全に破棄しなければなりません」。

コンセプトアート協会は、米連邦議員らに働きかけ、米国の著作権法、データ・プライバシー法、それにアーティストの知的財産と雇用を確実に保護するための労働法の改正を実現するため、ワシントンD.C.で専任のロビイストを雇う資金として27万ドルを集めている。同協会は、新しいAI技術に対応するために知的財産法やデータ・プライバシー法を更新し、AI企業に厳格な倫理規定の遵守を求め、クリエイティブ職の労働組合や業界団体に協力を求めたい考えだ。

「私たちアーティストは今、まさに炭鉱のカナリアのように感じています」とオルティス理事は言う。

オルティス理事によれば、AIツールがクリエイティブな職業へと向かってくる速度は「実に速く、そのやり方は極めて搾取的」。コンセプトアート協会はすべてのクリエイティブ業界に警鐘を鳴らしているという。

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メリッサ・ヘイッキラ [Melissa Heikkilä]米国版 AI担当上級記者
MITテクノロジーレビューの上級記者として、人工知能とそれがどのように社会を変えていくかを取材している。MITテクノロジーレビュー入社以前は『ポリティコ(POLITICO)』でAI政策や政治関連の記事を執筆していた。英エコノミスト誌での勤務、ニュースキャスターとしての経験も持つ。2020年にフォーブス誌の「30 Under 30」(欧州メディア部門)に選出された。
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