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AI需要で環境目標に苦戦、グーグル責任者が語ったエネルギー戦略
Scott Eisen
Google is still aiming for its “moonshot” 2030 energy goals

AI需要で環境目標に苦戦、グーグル責任者が語ったエネルギー戦略

AIの急速な台頭により、グーグルの電力需要は2020年以降に倍増。2030年までにカーボンフリーを実現するという目標の達成は困難になりつつある。グーグルの先進エネルギー技術責任者が本誌主催のイベントで紹介したのは、論争を呼ぶ炭素回収と原子力再稼働という選択だった。 by Casey Crownhart2025.11.18

この記事の3つのポイント
  1. グーグルは2030年までに24時間365日カーボンフリーエネルギーでの運営を目指している
  2. 一方でAI需要拡大により同社の総電力需要は2020年から2024年で2倍以上に増加
  3. 電力需要増加の対応策として炭素回収付き天然ガス発電所と原子力発電所の再稼働が紹介された
summarized by Claude 3

MITテクノロジーレビューは11月4~6日、米マサチューセッツ州ケンブリッジで年次フラッグシップ会議である「EmTech(エムテック)MIT」を開催した。3日間のメインステージ・セッションを通じて、気候担当記者である私自身も、人工知能(AI)、生物工学、ロボット工学のイノベーションについて学んだ。

だが、当然ながら私が最も印象に残ったのは、気候関連のセッションだ。特に、本誌のジェームス・テンプル編集者とグーグルの先進エネルギー技術責任者であるルシア・ティアンとの議論には注意深く耳を傾けた。

対談では、グーグルにおけるエネルギー需要の増大と、それを満たすために同社が注目しているテクノロジーについて語られた。この記事では、当日参加できなかった方のために、セッションの内容を掘り下げて、AIの急速な台頭に直面してグーグルがエネルギーについてどう考えているかを検討してみよう。

私は今年、グーグルのエネルギー分野での取り組みを注意深く追ってきた。テック産業の他の企業と同様、同社はデータセンターでの電力需要の急増を経験している。このことは、グーグルが何年も前から語ってきた主要な目標の妨げになる可能性がある。

実際、同社は2020年に、野心的な目標を発表した。2030年までに24時間365日カーボンフリー・エネルギーで運営することを目指すというものだ。この取り組みでは、グーグルが事業を展開する地域の送電網において全電力需要を満たすのに十分な再生可能エネルギーを購入。実際に同社がエネルギーを使用している時間帯に発電がされるように、購入量を調整する(大手テック企業の再生可能エネルギー誓約の微妙な違いについては、2024年のテンプル編集者の記事をチェックしてほしい)。

グーグルの目標は野心的であり、ステージ上でティアンは同社が依然としてそれを目指していると述べたが、AIの台頭により達成が困難になっていることを認めた。

「それは常に大きな挑戦でした」とティアンは述べた。「達成するのが非常に、非常に困難なことであり、現在のAIの成長に直面してさらに困難になっています。しかし、私たちの視点では、その方向に進まなければ、決して達成できません」。

グーグルの最新の環境報告書によると、同社の総電力需要は2020年から2024年にかけて2倍以上に増加した。24時間365日カーボンフリー・エネルギーという目標について、基本的に足踏み状態である。2020年にデータセンターで67%だったが、2024年は66%だった。

電力需要の急速な成長を考えると、後退していないことはある種の成果である。しかし、それでも、ゴールラインからはかなり遠い。

このギャップを埋めるため、グーグルはエネルギー分野で絶え間ない契約を結んでいるように感じられる。ティアンはステージ上で、イリノイ州の天然ガス発電所での炭素回収・貯留を含むプロジェクトと、アイオワ州の閉鎖された原子力発電所を再稼働する計画の、最近の2つの発表について語った。

まず炭素回収から始めよう。グーグルは二酸化炭素排出量の約90%を回収・貯留する新しい天然ガス発電所から電力の大部分を購入する契約を締結した

この発表は論争を呼び、批評家たちは炭素回収が化石燃料インフラをより長く稼働させ続け、依然として温室効果ガスやその他の汚染物質を大気中に放出すると主張した。

テンプル編集者がステージ上で提起した質問の一つは、既存の施設に設備を追加するのではなく、なぜ新しい天然ガス発電所を建設するのかというものだった。まったく新しい化石燃料インフラを追加するよりもむしろ、稼働中の発電所に設備を追加すれば、排出量を現状から削減できるだろう。

同社は多くの既存発電所を検討したとティアンは述べた。しかし、ティアンは、「改修がどこでも意味をなすわけではありません」とも言う。例えば、既存の発電所ではスペースが限られている場合があり、多くは地下に二酸化炭素を貯留するのに適した地質を持っていない可能性がある。

「私たちはこの技術を大規模で実証できるプロジェクトで先導したかったのです」とティアンは述べた。この施設では永続的な隔離に使用されるタイプであるクラスVIに分類される井戸が稼働しており、大規模なパイプライン建設も必要ないと付け加えた。

ティアンはまた、アイオワ州の原子力発電所であるデュアン・アーノルド・エネルギーセンター(Duane Arnold Energy Center)を再稼働させるためにネクステラ・エナジー(NextEra Energy)と協力するという同社の最近の発表についても触れた。グーグルは2029年に再稼働予定のこの発電所から電力を購入する予定である。

2025年の記事で取り上げたように、デュアン・アーノルド・エネルギーセンターは、閉鎖された原子力発電所の再稼働を検討している企業にとって、米国における事実上の最後の選択肢だった。「ほんの数年前まで、米国では国内の原子力発電所を閉鎖し続けていました」とティアンはステージ上で述べた。

再稼働の方法はそれぞれ異なるものの、ティアンは、ミシガン州のパリセード発電所の再稼働に取り組むグループにも言及した。昨春、再稼働が最初に発表された発電所である。「彼らこそが、この物語の真のヒーローです」とティアンは述べた。

私は常に、巨大テック企業がエネルギーについてどう考えているか、その舞台裏を覗くことに興味を持っている。懐疑的ではあるものの、グーグルと業界の他の企業の目標が今後数年間でどのように達成されるのか、しっかり見守りたい。

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MITテクノロジーレビューの気候変動担当記者として、再生可能エネルギー、輸送、テクノロジーによる気候変動対策について取材している。科学・環境ジャーナリストとして、ポピュラーサイエンスやアトラス・オブスキュラなどでも執筆。材料科学の研究者からジャーナリストに転身した。
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