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米原子炉スタートアップ4社が臨界達成、原発新時代の幕開けか?
Aalo
Four nuclear reactors hit a big milestone in the US

米原子炉スタートアップ4社が臨界達成、原発新時代の幕開けか?

米建国250周年の期限までに、原子炉スタートアップ4社が臨界を達成した。いずれも2023〜2025年創業の新興企業で、超過が常態の原子力業界では異例の速さだ。だが専門家は、今回の「ゼロ出力臨界」は燃料や設計の実質的な進歩がなくても達成できると指摘する。快挙は原発の新時代を告げるのか。 by Casey Crownhart2026.07.10

この記事の3つのポイント
  1. 米国の「原子炉パイロット・プログラム」で4社がマイクロ原子炉の臨界達成という節目を期限内に実現した
  2. 今回の成果はゼロ出力臨界に過ぎず、実際の発電には冷却設備の追加や規制認可など多くの技術的・制度的課題が残る
  3. 商用展開への楽観的スケジュールや連邦の注力方針に対し、専門家からは実効性と長期戦略の欠如を疑問視する声もある
summarized by Claude 3

7月4日が待ち遠しかった。プールサイドでバーベキューを楽しめるからというだけではない。今年の独立記念日は、米国の原子力産業にとっても象徴的な大きな節目だった。

昨年、トランプ政権は、建国250周年までに3基の新型マイクロ原子炉を臨界に到達させるという目標を掲げた。臨界とは、原子炉が核分裂の連鎖反応を自律的に持続できることを確認する技術的な節目である。そして期限ぎりぎりで、4基の原子炉がその目標を達成した。

これは野心的な目標だった。3社どころか4社が達成したことは、世界が電力供給の拡大を迫られ、同時に排出ゼロ技術による気候変動対策が求められている今、新興の原子力技術にとって確かに明るい兆しといえる。

しかし、臨界に達したからといって、原子炉が電力網へ電力を供給できる状態、あるいはそもそも発電できる状態になったことを意味するわけではない。このプログラムの成功が米国の原子力にとって何を意味するのか、そして参加企業が今後どこへ向かうのかを整理してみよう。

「原子炉パイロット・プログラム(Reactor Pilot Program)」は、試作原子炉の開発を迅速に進めるための特別な枠組みである。昨年8月、米国エネルギー省は11件の原子炉プロジェクトをこのプログラムに採択し、実証用地と米国立研究所ネットワークによる技術支援を提供した。対象となったのはすべてマイクロ原子炉で、現在送電網の主力となっている大型軽水炉と比べると、規模は数十分の一から数百分の一にすぎない。

アンタレス・ニュークリア(Antares Nuclear)が最初に臨界を達成し、6月にMark-0試験炉でその節目に到達した。続いて、ヴァラー・アトミクス(Valar Atomics)、デプロイアブル・エナジー(Deployable Energy)、アーロ・アトミクス(Aalo Atomics)の原子炉も臨界に達した(アーロは7月4日の未明に達成しており、まさに締め切りぎりぎりで目標を成し遂げた象徴的な例だった)。

これらの企業が、この節目にこれほど短期間で到達したことは印象的である。とりわけ、巨額プロジェクトが予定や予算を大幅に超過することで知られる原子力業界ではなおさらだ。(ヴァラー、アンタレス、アーロはいずれも2023年創業で、デプロイアブルは2025年に設立された。)とはいえ、臨界を達成することと、実際に発電できる原子炉を運転することとはまったく別の話である。

今回の原子炉はいずれも、「ゼロ出力臨界(zero-power criticality)」に到達した。これは、原子炉から実質的な出力を取り出さずに核分裂の連鎖反応を開始できるかどうかを確認する試験である。ウィスコンシン大学マディソン校核工学・工学物理学科長で、元米国エネルギー省核エネルギー担当次官補のキャスリン・ハフは、今年初めのポッドキャスト『カタリスト(Catalyst)』で、「ゼロ出力臨界試験は、燃料や設計において実質的な工学的進歩がなくても達成できる」と述べている。

このプログラムが終了した今、各社は実際に発電するための開発を進めなければならず、その過程では大きな技術的課題に直面する可能性がある。場合によっては、原子炉炉心から熱を取り出すための冷却設備など、大掛かりな設備を追加する必要もあるだろう。

各社は今後について意欲的なスケジュールを示している。アーロはすでに2基目の原子炉の開発を開始しており、2027年には敷地内に設置するデータセンター向けに10メガワットの発電を開始する計画だという。デプロイアブル・エナジーは、2028年までに商用原子炉の展開を始めるとしている。

ただ、スタートアップ企業、とりわけ原子力分野のスタートアップが示すスケジュールについては、私はあまり額面どおりには受け取っていない。原子炉は極めて複雑な技術の結晶であるだけでなく、企業はしばしば規制など、自社では制御できない問題にも直面するからだ。そして、これらの新しいプロジェクトも間もなくそうした課題に直面する可能性がある。

米国原子力規制委員会(NRC)は、米国における民間・商業用原子力利用を所管しているが、これまで原子炉の認可プロセスは非常に時間がかかることで知られてきた。

同委員会は今年初め、マイクロ原子炉の認可を迅速化することを目的とした新たな枠組みを提案した。しかし、実際にどの程度スピードアップできるかはまだ分からない(一方で、トランプ政権下のNRCが原子力規制を緩和しすぎているのではないかと懸念する専門家もいる)。

マイクロ原子炉の今回の成果を手放しで歓迎している原子力支持者ばかりではない。公共政策シンクタンクのサード・ウェイ(Third Way)は、このプログラムに連邦政府が重点を置くことは、原子力発電容量を実質的に拡大するという本来の目標から外れる好ましくない方向転換だと分析している。同シンクタンクのメモには、「プロジェクトの日程を人為的に前倒しすることは短期的な対症療法であり、長期的な解決策ではない」と記されている。

臨界達成は大きな第一歩ではある。しかし、これらのマイクロ原子炉が実際に運転を開始するまでには、まだ多くの課題を乗り越えなければならない。ましてや、こうした小型原子炉が電力網を支える主要な電源となるまでには、さらに長い道のりが待っている。

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MITテクノロジーレビューの気候変動担当記者として、再生可能エネルギー、輸送、テクノロジーによる気候変動対策について取材している。科学・環境ジャーナリストとして、ポピュラーサイエンスやアトラス・オブスキュラなどでも執筆。材料科学の研究者からジャーナリストに転身した。
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