アマゾンが自動化で2万4000件の雇用を削減、ロボット比率2割へ
配達ドローンから倉庫ロボットまで、自動化に向けた野望をアマゾンが隠す素振りは見られない。アマゾンは数千人規模の新規従業員の雇用を続けているが、自動化ロボットであふれている仕事も多い。
アマゾンは直近の1年間で従業員数を約40%増やしている。しかし、 Webメディアのクオーツ(Quartz)が12月4日に公開したある分析によると、アマゾンの大きな成長と雇用数は、小売業全体における仕事の減少を緩和することにはなっていないという。アマゾンが自動化とロボットに投資することで、アマゾンと関連の小売企業における雇用が合計2万4000件減少しているからだ。
アマゾンがキバ・システムズ(Kiva Systems)を買収した2012年に話をさかのぼろう。キバ・システムズは倉庫用ロボットを開発する企業であり、その技術を受注処理業務の自動化に役立てるのが同社を買収した目的である。私たちがアマゾンの受注処理センターを訪れた2015年までに、人間とロボットによる協働は急増しており、オレンジ色の2000台のロボットが人間の横で棚に商品を補充する業務の補助をしていた。さらにアマゾンは昨年、小荷物配達用ドローンの試験についての提携を英国政府と交わし、同社初となるドローンを用いた小包の配達をした。
その後、アマゾンがオンライン専業食料品店オカド(Ocado)を買収し、受注処理ロボット部隊の拡大を継続したことで、アマゾンの倉庫は自動化の活気にあふれた場所となった。11月にはオカドまでもが、初見の食品を素早く選別できるロボットの開発を発表し、人間を必要とする業務の数はなおいっそう減少することになった。
2017年の締めくくりを迎えた現在、アマゾンはなんと、5万5000台のロボットを自社施設に追加しており、これは2016年におけるロボットの総台数の2倍を上回る数である。クオーツの試算によると、今年いっぱいにはロボットがアマゾンの労働力の20%を占める可能性がある。アマゾンは間違いなく主張するだろうが、同社は確かに驚異的なペースで雇用を進めており、自動化は多くの大規模な利益をもたらすだろう。だが、以前にも報じたように、それらの利益の公平な分配を確実なものにすることは難しい問題だ。
- 参照元: Quartz
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