KADOKAWA Technology Review
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This Robot Picks Up Unseen Groceries Using Its Little Suction Cup

事前学習なしで商品をピックアップ、オカドの最新倉庫ロボ

大袋に入ったオートミール、紙筒に入ったポテトチップス、もしくはティーバッグの箱——。どれもこの倉庫ロボットにとっては同じだ。世界最大のオンライン専業食料品店オカド(Ocado)によって開発された機械は、食料品が隙間なく入った大きな外箱から1つ1つの商品を選び取るように設計されている。高度に自動化された配送センターで、顧客から注文を受けた商品を選んで集めるためだ。

ロボットの可動式のアームの先端には、小さな吸着カップが装備されている。吸着カップが付いたアームを商品に下ろして、吸引力を使ってピックアップする。当初、オカドのエンジニアは、商品パッケージの精密な3D模型を作り、画像認識を使って商品を選び取るつもりだった。しかし、実際には、ロボットが作業をするそれぞれの食料品が入っている外箱には、すべて同じ商品がたくさん入っていることに気付いた。つまりロボットは、乱雑に散らかった商品から特定の品物を選び取るのではなく、外箱から簡単に1つの商品を取り出せればよいのだ。

そこでエンジニアチームは、商品をつかむ場所を3Dカメラの画像を使って簡単に見つけ出すシステムを開発した。「3Dカメラの画像で、ピックアップするのに十分に平坦かつ水平で、広さがある部分を商品の中から探し出します」とオカドのロボット工学研究チームのグラハム・ディーコン主任は説明する。つまり、商品をピックアップするために、商品の形状などの事前知識を持つ必要はない。次に、アームが商品の該当箇所に狙いを定め、吸着カップを押し当て吸い付かせて持ち上げる。ほとんどの場合、この方法で成功する。「少なく見積もっても、このシステムはオカドの5万種類の商品中、数千種類を拾い上げられます」とディーコン主任は話す。

商品を拾い上げたら、今度はそれを回転させてスキャナーでバーコードを読み取り、正しい商品かどうかを確認する。そして、傷がつかないように、3Dカメラを使って商品を安全な場所に置く。

吸着カップの大きさによって、アームで拾い上げられる物体の重さは決まる。また、商品パッケージ表面の形状でも、アームで拾い上げられるかどうかが決まる。たとえば、パッケージに小さな穴があったり、波を打っていたりする商品には、明らかにこの方法は通用しない。しかし、ディーコン主任によると、チームはさらに大きな吸着カップや、吸着カップの代わりに使える装置の開発に取り組んでいるという。商品を選び取る方法は同じだが、たとえば、バナナやワインボトルといった、幅広い種類の商品を扱うためだ。開発中のアームは、現在の人による商品選択作業を確実に代行できるかを見極めるため、2018年初頭からオカドの倉庫で試験される予定だ。

機械には難しいとの悪名が高い、この種の作業ができるロボットの開発を試みているのはオカドだけではない。2017年には、アマゾンが毎年開催しているロボットコンテスト「アマゾン・ロボティクス・チャレンジ」でオーストラリア企業が製作したUFOキャッチャー風ロボットが優勝した。またライトハンド・ロボティクス(RightHand Robotics)は、すべての機械が商品をより上手に拾い上げられるように、クラウド・ベースの手法を使って機械同士で学習を共有している。

だが、どのシステムもまだ、人間にはかなわない。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.29, 12:15
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