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米選挙セキュリティ対策に4億ドル、過去最高額でも「不足」の声
Photo: kgroovy (CC BY SA 2.0)
Congress has approved $425m for election security. Not enough, say Democrats.

米選挙セキュリティ対策に4億ドル、過去最高額でも「不足」の声

米国選挙の安全対策のために確保された予算は、ここ10年間で最大の額となった。だが、議会を通過した4億2500万ドルという額をもってしても、さらなる予算や新たな安全基準を求める批評家を満足させるには十分ではないようだ。

民主党のマーク・ワーナー上院議員は、「数カ月間圧力をかけ続けた後の、歓迎すべき成果です。ですがこの予算は、選挙システムの安全や維持をはかるための、恒久的な資金調達メカニズムの代わりになるものではありません。それに、大統領府や共和党の議会指導部が2年間に渡って妨害している、選挙を守るための包括的な法案に代わるものでもありません」と述べた。

選挙の安全性に関する複数の法案は今年、民主党が優勢な下院を通過後、共和党が支配する上院で否決されている。

たとえば「選挙セキュリティ法(Election Security)」は、各州に10億ドルの安全対策費を与えるものだ。さらに、専門家が「票を確実に監査できる唯一の方法を提供する」と主張する、予備の投票用紙を義務付ける。「DETER(レッドライン設定による脅威からの選挙保護法)」は、連邦選挙における妨害活動について選挙のたびに米国の諜報機関に対して報告を求めるものだ。「SAFE(米国連邦選挙保護法)」では選挙の安全対策が義務付けられ、選挙システムの向上にさらに予算を割く。初年度の予算は6億ドルだった。これまでのところ、上院の共和党議員はこれらの取り組みを妨害しており、脅威を軽視し、連邦政府の代わりに各州が主導権を握るべきだと主張している。

ニューヨーク大学ブレナン司法センターの専門家らは、今後5年間、州および連邦政府で基本的な選挙の安全対策のために22億ドル近くが必要だと試算している。

選挙の安全対策の上位4項目は、サイバーセキュリティの援助、有権者登録インフラの保護、投票機のアップグレード、そして選挙後の監査だ。

ブレナン司法センターの選挙改革プログラムの責任者であるローレンス・ノーデン副所長は、今年公表された報告書の中で「米国の選挙の安全性確保は喫緊の課題であり、州と連邦政府には、それを実現するために継続的かつ確かな予算が必要」と述べている。「今後5年間で21億5300万ドルという最低限の投資により、すべての州で選挙の安全性に関して妥当な基準が達せられるでしょう。この額は選挙管理の所定のコストに上乗せされるもので、選挙インフラを外国の干渉やハッキングから保護する喫緊の必要性に重点を置いたものです」。

パトリック・ハウエル・オニール [Patrick Howell O'Neill] 2019.12.18, 11:41
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