KADOKAWA Technology Review
×
老化細胞の除去で
脳の「アンチ・エイジング」
マウス実験で実証
Wikipedia
カバーストーリー Insider Online限定
Clearing out old cells might help the brain

老化細胞の除去で
脳の「アンチ・エイジング」
マウス実験で実証

マウスの脳から老化細胞を除去したり、老化細胞の蓄積を予防したりしたすることで、脳の退化を防げたとの研究結果がネイチャーに掲載された。まだ人間の脳に対して試せる段階ではないが、膝の関節炎などの疾患に対象を絞った初期実験が進行中だ。 by Karen Weintraub2018.09.27

ユニティ・バイオテック(Unity Biotech)やクリラ・バイオテック(Cleara Biotech)、オイシーン・バイオテクノロジーズ(Oisín Biotechnologies)といった多数の新興アンチエイジング会社は、分裂しなくなった、いわゆる「老化細胞」が老化現象に関連していると見ている。

彼らの考えによると、この眠ったような状態の老化細胞を取り除けば、若々しい活力が復活するだろうという。しかし、老化細胞が脳にどのような影響を与えているかについては、これまであまり多くは知られていなかった。

現在、マウスの脳を入念に観察した科学者たちは、老化細胞が神経変性と記憶喪失障害に関与している可能性があると考えている。

研究論文の最終著者(研究を統括して指導した著者)であるミネソタ州メイヨー・クリニックのダレン・ベイカー博士によると、老いやすいマウスの脳から老化細胞を除去したり、または老化細胞の蓄積を予防したりしたすると、脳の退化を防ぐこ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. OpenAI says ChatGPT treats us all the same (most of the time) 相手の名前で回答が変わる?チャットGPTに潜むバイアス明らかに
  2.  A data bottleneck is holding AI science  back, says new Nobel winner ノーベル受賞者・ベイカー教授が指摘する「AI科学」の課題
  3. Trajectory of U35 Innovators: Hiroki Matsunaga 松永浩貴:「枠を超えた発想」が生み出す革新的なロケット推進剤
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者は11月発表予定です。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る