KADOKAWA Technology Review
×
ゴミを直接「触って」仕分け、MITの新型リサイクルロボ
Jason Dorfman, MIT CSAIL
ニュース Insider Online限定
This robot can sort recycling by giving it a squeeze

ゴミを直接「触って」仕分け、MITの新型リサイクルロボ

あふれ出る大量の廃棄物を効率よくリサイクルすることが求めらる中、MITの研究チームは、コンベアを流れる廃棄物をつかみ取って触れることで、それぞれの材料を識別する触覚ベースのセンサーを備えたロボットを開発した。 by Douglas Heaven2019.04.17

ギトギトしたピザの箱、使い捨てのコーヒーカップ、プラスチックのヨーグルト容器は、リサイクルかゴミか? その判別は困難な場合が多い。地元の廃棄物処理場の設備によっても左右されるからだ。多くの廃棄物処理場では、油がべったり付いた段ボールやポリエチレンが付着したカップのリサイクル能力がないため、他のリサイクル可能なものまで巻き込んで、一緒に埋め立て地送りとなってしまう。

米国のある廃棄物処理業者は、送られてくるすべてのリサイクル廃棄物のうち、25%は汚れがひどくて処理ができないため、そのまま埋め立て地に送らざるを得ないと報告している。政府統計によれば、英国でリサイクルを拒否された家庭廃棄物の量は2011~2012年から2014~2015年の間に84%増加しており、この状況はさらに悪化しそうだ。世界の廃棄物の多くはリサイクルのために中国に売られているが、中国は先月、許容可能な汚染の度合いに関し、0.5%以上の不純物が含まれる廃棄物は埋め立てに回すというより厳しい基準を導入した。

したがって、私たちはゴミをもっとしっかり分別しなくてはならない。すでに多くの大きなリサイクルセンターでは、磁石で金属を選別し、エアフィルターで紙と重たいプラスチックとを分別している。それでもなお、仕分けのほとんどは手作業でなされており、汚く危険な作業となる。

マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の大学院生リリアン・チンらが開発したのが、柔らかいグリップの付いた …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  3. The race to find new materials with AI needs more data. Meta is giving massive amounts away for free. メタ、材料科学向けの最大規模のデータセットとAIモデルを無償公開
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る