KADOKAWA Technology Review
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コネクティビティ If Apple Builds Smart Glasses, They’d Better Be Spectacular

失敗続きのアップルに、魅力的なスマートグラスが作れるのか?

アップルは拡張現実事業の強化のため、スマートグラスに乗り出すのかもしれない。 by Jamie Condliffe2016.11.16

想像してみよう。アップルのティム・クックCEOは緊張して、手に汗をかいている。役員会議室の全員が、トップがどんな方針を打ち出すのか見守っている。iPhone 7は大衆をがっかりさせた。MacBookの新製品には、ピカピカのボタンを1列追加しただけだった。もう一度アップルを蘇らせたいのに、息が詰まりそうな雰囲気だ。

クックCEOは眼鏡を外す。鼻柱をマッサージする。そこで思いついた。「眼鏡だ。時計は買ってもらえなかったが、眼鏡なら買ってくれるだろう」と思った。

そんなシーンが思い浮かぶ記事だ。ブルームバーグは、アップルがスマートグラスを製造するアイデアを模索中というのだ。その仕様は「無線でiPhoneに接続でき、画像等の情報を着用者の視界に表示する。拡張現実を使用するかもしれない」という。

グーグルは、不運なメガネ・プロジェクトで、アイデアの実現を試みて大失敗した。2013年4月に発表され、その後「エクスプローラープログラム」の一部として販売されたが、1500ドルの値札をつけた豪華なメガネは、2015年に販売中止になった。バカバカしいほど高い価格だけでなく、プライバシー侵害が懸念された。恐らく、最大の失敗要因は、大衆の先を行き過ぎた商品を発明しようとしたことだろう。

チャットアプリのスナップをペアグラス加工の眼鏡「スペクタクルズ」(最近発売されたスナップの新商品)をかけて利用してみよう。レイバン風の眼鏡を着用すると、ビデオを撮影、Wi-FiまたはBluetooth経由でスマホに転送し、スナップチャットに投稿できる。それだけ。シンプルで、買わざるを得ないように思える。スペクタクルズは先週限定版が販売され、ミレニアル世代が夢中になっている

アップルの新商品はどんなモノになるだろうか。間違いなく、格好よくスタイリッシュだろう。ジェームズ・ボンドが視界の悪い時に着用しそうなメガネだろう。どちらかといえば、スナップはレディガガ風のデザインだ。アップル製のメガネは値段が高くなるだろうが、スナップが単純なビデオ撮影グラス市場向けなのに対し、アップル製スマートグラスが次の人気商品になるには、それなりに機能を追加した商品になるだろう。

その代わりに、新製品は拡張現実用の装置にできる。アップルが実質現実(VR)や拡張現実を体験できる製品を開発してきたことはよく知られている。特許出願、人材雇用、買収、クック自身の証言から、アップルは、消費者にとって実質現実(VR)より拡張現実(AR)のほうが魅力的だと考えていることがわかる。

アップルが模索しているモノは、マイクロソフトのHoloLensDAQRIのスマートヘルメットのミニチュア版であるかもしれない。ポケモンGOによって、拡張現実(AR)人気は高まったが、爆発的人気には至っていない。アップルならできるかもしれない。

だが、アップル・ウォッチの二の舞になるかもしれない。アップル・ウォッチの初期版は、ガジェット好きの想像力を刺激できず、その後フィットネス好きにターゲットを変更しても、期待したほど夢中になった消費者はいなかった。

もし、本当にもしものことだが、アップルがスマートグラスを製造する場合、消費者に新たな可能性を与える製品でなければならない。ビデオカメラや通知画面だけでは不十分だ。文字通り、世の中を少し違った視点から見られる製品が必要なのだ。メガネに息を吹きかけないで、ティム。

(関連記事: Bloomberg, “スナップチャットの新製品で ライフログブーム再来……?,” “アップルとiPhoneの終わり 現金2000億ドルの使い道,” “マイクロソフトはアップルから革新者のポジションを奪えるか?”)

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ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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