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ビジネス・インパクト Amazon’s Grocery Store Doesn’t Have a Single Checkout

アマゾン、レジなしスーパーをシアトルで開店

未来のスーパーでは、携帯電話のスキャンで入店し、棚から食料品を選んで、出て行くだけになる。 by Jamie Condliffe2016.12.06

現金がない? 待ち時間がイヤ? 他人に近寄りたくない? 問題ない、とアマゾンはいう。センサーと人工知能により、レジを完全に廃止した新しい食料品店を発表したのだ。

今現在はアマゾンの本拠地シアトルに1店舗あるのみだが、「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」は、167平方メートルのこじんまりした店舗面積で、時間的余裕のない顧客向けの設計だ。棚にはずらりと、すぐ食べられる総菜や日常的な食品、家で調理する食材キットなどが並んでいる。

しかし、アマゾン・ゴーでの買い物体験は、プライバシー擁護派向きとはいえない。来店時には入り口を通過するために、搭乗口でのeチケットのように、アプリをスキャンする必要がある。この時点で、アプリは誰が来店しているのが識別し、客が何をするのか追跡し続けるようになる。

アマゾンによれば、アマゾン・ゴーはセンサー付きの棚とコンピューター・ビジョンで、客が選ぶ商品すべてを記録し、会計用に各商品をリストに追加する(客が商品を戻せば、商品はリストから外せる)。客が店を出るとき、アプリはアマゾン・ゴーから客が持ち帰る商品を検出し、リストを二重チェックする。

その後、アプリは客のアマゾン・アカウントに代金を請求する。客は、手にしたサンドイッチを食べたまま、一瞬たりともレジの列に並ばずに済む。これが、将来の買い物のやり方のようだ。

アマゾンは、食料品店を自動化しようとする歴史に加わる。1937年、キードゥーズル(Keedoozle)は、ベルトコンベヤーやガラス扉の棚、個人用の鍵を組み合わせて、買い物プロセスから人を排除しようとした。しかし、人気を獲得することはなく、店は閉鎖された。

今年初め、スウェーデンではアプリで顧客に入店を認めるスーパーマーケットが開店した。しかし、顧客は携帯電話でバーコードをスキャンするよう要求される。バックアップとして店内の監視カメラを併用するが、テクノロジーが可能にする無人販売のアイデアは同じだ。

アマゾンの方が管理は行き届いていそうだ。(万引き目的の)ハッカーを引き寄せないようにシステムを構築する方法を模索し、まるで買い物客のすべての動きを監視するセンサーやカメラでシステムをいっぱいにすることで、普通の人にはごまかしようがないと思わせているようだ。

アマゾンのうたい文句どおりに機能するなら、棚から商品を取って、ただ歩いて出て行くのが、新しい買い物のスタイルになるかもしれない(万引きとは違う)。つまり、Webでアマゾンがしているのと同じく、他店にはない利便性を実現すれば、顧客は何度でも戻ってくるアイデアの実店舗版というわけだ。

(関連記事: Amazon Go, “アマゾン、セブンイレブン型事業を米国で計画”)

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クレジットImages courtesy of Amazon
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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