KADOKAWA Technology Review
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知性を宿す機械 Forget Drones—Google Explores Robot Delivery

グーグルの四足歩行ロボット、就職活動に向けて性能強化

ボストン・ダイナミクス製の四足歩行ロボットは、操作用の手と視覚認識の性能が高まれば、目的の家を自力で探してたどり着き、荷物を届けられるようになるだろう。 by Will Knight2016.12.12

現在、グーグルの子会社で、軽快な足どりで動き回るロボットがひそかに開発されている。しかも、ロボットとして、かつてないほど高い身体機能と知能を身に付けつつある。

動的バランス機能のある脚付きロボットを専門企業ボストン・ダイナミクスのマーク・レイバート最高経営責任者(CEO)は今週、バルセロナで開催された神経情報処理システム(NIPS)カンファレンスで、自社の研究者が完成させつつある進歩の一端を披露した。

レイバートCEOがデモして見せたのは最新型の4足歩行ロボット「スポット・ミニ(Spot Mini)」だ。大型犬ほどのサイズで、ボストン・ダイナミクスは以前から住宅の実物大模型で動作する動画を公開していた。動画内でスポット・ミニは階段を上り、ドアを開け、「グリッパ」で食洗機から皿を全部出してみせる。「グリッパ」は首のように見える手で、単純だが使いようによってはいろいろ役立ちそうな操作タスクが実現する。

ロボットの動作は部分的に自動化されている。カンファレンスではレイバートCEOの公演中に自社のエンジニアの操作で制御されたスポット・ミニがステージに上がってきたが、階段を認識し、ステージにたどり着く方法を見つけたのはロボット自身だった。その後は人間の指示に従って、テーブル上の缶を見つけてつまみ上げた。

人間が暮らす障害物の多い環境でロボットを動作させるには、脚付きロボットの方が車輪で動くボットよりも便利そうだ。もっとも、ボストン・ダイナミクスで開発中の研究用ロボットは現時点ではかなり高価で、機種によっては100万ドル以上はするから。市販は不可能だ。

ボストン・ダイナミクスは以前から、歩行と走行ができるロボットの開発で名声を築いてきた。しかも、ただ歩くのではなく、動的バランス機能により不安定な地面でも歩ける(つまり、安定状態を常に保ちながら移動し続けられる)。ボストン・ダイナミクスが長年磨いてきた手法は、たとえば軍用運搬ロボットの試作機でスポット・ミニよりずっと大きい四足歩行ロボット「ビッグ・ドッグ(Big Dog)」など、いくつかの驚くべき機械を生み出してきた(“The Robots Running This Way”参照)。人型ロボットの「アトラス(Atlas)」は、国防総省国防先端計画研究局(DARPA)が近年企画したロボット救助コンテストに参加した(“Why Robots and Humans Struggled with DARPA’s Challenge”参照)。

ボストン・ダイナミクスは、自社製ロボットの応用先を探究しており、スポット・ミニのように、バランスを取りながらモノを操作するのは、明らかに重要な研究課題になる。「私たちが次に挑戦する大きな課題は、移動中の操作です」とレイバートCEOはカンファレンスの講演で述べた。

レイバートCEOが見せた動画には、スポット・ミニがモノの操作を含む課題に取り組んでいた。奇妙な形のハンドルで重りの付いたドアを開けたり、何台かのロボットに梱包した荷物を積んで、ボストン中の各家庭の玄関口まで運ばせたりするデモもあった。レイバートCEOは「ドローン宅配が話題になっていますので、地味な脚付きロボットに宅配させてもいいでしょう?」という。

ボストン・ダイナミクスのロボットには現在、機械学習が使われていないが(機械学習もNIPSコンファレンスのテーマだ)、レイバートCEOによれば、機械学習の手法が進み、他のタスク同様、動的バランス機能に必要なプログラミングの一部を自動化できれば、この方針は変わる可能性があるという。

レイバートCEOは、自社の将来の計画に関するいくつかのヒントも示した。ボストン・ダイナミクスは今後もロボットの軽量化とエネルギー効率向上を続ける。スポット・ミニがさらにスリムに生まれ変わることもあるだろう。

ボストン・ダイナミクスは、最先端のロボット工学を構築しようと2013年にグーグルが買収した革新的なロボット工学企業のひとつだ。だが全体的な方向性がないという報道があり、主要チームのメンバーが退社し、プロジェクト全体が低迷を続けている。今年初めの報道によれば、グーグルはボストン・ダイナミクスの売却を望んでいるという。もっと速やかに利益の出る事業用途が入手できる領域に自社のロボット工学研究の重点を置こうと懸命になっているのだ (“Google Hasn’t Given Up on Robots”参照)。

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ウィル ナイト [Will Knight]米国版 AI担当上級編集者
MIT Technology ReviewのAI担当上級編集者です。知性を宿す機械やロボット、自動化について扱うことが多いですが、コンピューティングのほぼすべての側面に関心があります。南ロンドン育ちで、当時最強のシンクレアZX Spectrumで初めてのプログラムコード(無限ループにハマった)を書きました。MIT Technology Review以前は、ニューサイエンティスト誌のオンライン版編集者でした。もし質問などがあれば、メールを送ってください。
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