KADOKAWA Technology Review
×
アストラゼネカとオックスフォードのワクチン、最大90%の有効性
AP
The Oxford/AstraZeneca vaccine is up to 90% effective, according to interim data

アストラゼネカとオックスフォードのワクチン、最大90%の有効性

オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発中の新型コロナワクチンに、最大90%の有効性があることが明らかになった。ファイザーとモデルナのmRNAワクチンと異なり、保管や輸送がしやすいのが特徴だ。 by Charlotte Jee2020.11.26

オックスフォード大学とアストラゼネカ(AstraZeneca)が共同開発中の新型コロナウイルス(SARS CoV-2)ワクチンに、最大90%の有効性があることが第3相試験の中間結果から明らかになった。臨床試験では2種類の投与量の組み合わせが試され、それぞれの有効性は90%と62%、平均は70%だった。初回に半量を投与して2回目に全量を投与した場合の有効性は90%、2回とも全量を投与した場合は62%だった。現在、英国、ブラジル、南アフリカで進行中の治験には2万4000人以上が参加している。

中間データはまだ査読前で公開もされていないが、治験に関わる研究チームによると、このワクチンでは無症状の感染者も減ることが示されている。すなわち、病気の発症を防ぐだけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大抑制にも役立つということだ。ワクチンを接種した参加者の中に入院したり、深刻な症状を経験したりした人はなく、すべての年齢層で効果があった。

ファイザーとモデルナ(Moderna)のワクチンはどちらも新しいmRNA(メッセンジャーRNA)テクノロジーに基づいているが、オックスフォード大学のワクチンはより伝統的なアデノウイルスを利用している。アデノウイルス・ワクチンでは、チンパンジーの風邪の原因となるウイルスを人の体内では増殖できないように弱毒化したものを利用する。保管と輸送もしやすい。超低温で保管する必要があるファイザーとバイオンテック(BioNTech)またはモデルナのワクチンとは異なり、オックスフォード大学のワクチンは通常の冷蔵庫の温度(2〜8℃)で保管できる。

オックスフォード大学とアストラゼネカは、世界的なパンデミック期間中はワクチンを非営利で供給し、低中所得国には恒久的に非営利で供給することを約束している。アストラゼネカはすでに30億回分のワクチン供給に合意している。英国は、国民の大部分がワクチンを接種するのに十分な量である1億回分のワクチンを注文した。承認された場合、クリスマス前に供給が始まる。オーストラリアも3400万回分を注文済みだ。

人気の記事ランキング
  1. The balcony solar boom is coming to the US 安全性は大丈夫? 米国で「バルコニー発電」がブーム
  2. Three things in AI to watch, according to a Nobel-winning economist AIによる雇用破壊、ノーベル賞経済学者の答えはまだ「ノー」
  3. The era of AI malaise AI閉塞感の時代、私たちはまだ何も分かっていない
  4. Here’s what you need to know about the cruise ship hantavirus outbreak クルーズ船のハンタウイルス感染、パンデミックを心配すべきか?
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る