KADOKAWA Technology Review
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Amazon Looks to the Sky and Sea to Shake Up Shipping

アマゾン、自前の陸海空の運輸事業を本格化

超巨大な社内システムの運用ノウハウをAWSとして外販したように、アマゾンは陸海空の運事業まで外販しようとしている。空輸用の拠点新設や、海運事業の管理は複雑で費用もかかるが、最終的には10億ドル以上の節約になる、価値の高い事業だ。 by Jamie Condliffe2017.02.02

アマゾンはすでに、あらゆる商品をすさまじい速度で自宅に届けてくれる。それでもアマゾンは、もっと多くの商品をもっと速く配送したい。そこで、わざわざ自社で荷役事業を拡大している。

ブルームバーグの記事によると、アマゾンは14億9000万ドルを費やし、新たな空輸貨物用の拠点設備をシンシナティ(オハイオ州南西端の都市)に近いケンタッキー州ヘブロンに建設予定だ。アマゾンの計画では、ケンタッキー州の11棟の倉庫から商品を出荷し、アメリカ国内のあらゆる場所に空輸する。アマゾンの昨年の発表によれば、40機の航空機でアメリカ全土に配送するため、2つの航空機リース会社と契約を結んだという。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(ペイウォール)によると、アマゾンは貨物船に載せるコンテナ便の予約サービスを開始する。また、仲介役のトラック輸送会社も経営し、港と倉庫間をつなぐ。昨年10月以来、アマゾンは150台以上のコンテナ便輸送を手掛け、先月からは中国にある仲介役の子会社名で、運送業者としてサービスを販売し始めた。

ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は以前、アマゾンはユナイテッド・パーセルサービス(UPS)やフェデックスのような運送会社と競合するつもりはないと否定した。それでも、アマゾンは顧客のために、もっと柔軟な配送サービスを構築したいはずだと多くの人が指摘していた。そもそもアマゾンが配送サービスの工程に関わるなら、造作もないことだろう。

アマゾンは間違いなく、物流関係の複雑な問題解決に慣れている。しかし輸出用貨物となると、問題は国内向けよりずっと複雑だ。それでも、事業を進めることで学ぶことはたくさんある。UPSやフェデックスのライバル会社をゼロから立ち上げるのは難しく、費用もかかるが、シティグループの昨年の見積もりでは、アマゾンが自社で配送会社を設立した場合、毎年11億ドルも節約できる可能性があるという。ジェフ・ベゾスCEOが、シティグループの見積もりを見逃すはずはない。

(関連記事:Bloomberg, Wall Street Journal, “ウーバーとアマゾン 世界の運輸業界に殴り込み”)

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クレジット Image courtesy of Planes at Paine
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

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