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「ソリューションデザイン」が生み出す、ビジネスAIのまだ見ぬ価値
SHINSUKE SUGINO
イノベーション・ストーリー 「イノベーション・ストーリー」はMITテクノロジーレビューの広告主および選定パートナーによって提供されています。
The solution design creates new value for business AI

「ソリューションデザイン」が生み出す、ビジネスAIのまだ見ぬ価値

あらゆる産業の構造を変える可能性を持つAI技術だが、導入しただけでは大きなビジネス価値は生まれない。変革には、AIを取り巻くビジネスモデルや組織のあり方を含めたアーキテクチャの最適化が必要だ。 by MIT Technology Review Brand Studio2022.03.10Sponsored

企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が叫ばれ、人工知能(AI)の社会実装が求められる現在。だが、日本企業の実態は思ったほど進んでいない。その根本原因の1つは、テクノロジーとビジネスをつなぎ、テクノロジーの持つ可能性を最大限引き出すための発想が欠けていることにある。「ソリューションデザイン」という独自のコンセプトを提唱し、AIによる国内大手企業のDXを先導してきたLaboro.AIの椎橋徹夫CEOに話を聞いた。

部品としてのAI導入にとどまる日本企業

日本はDXが遅れているといわれる。経済産業省が2020年末に発表した「DXレポート2」では、日本企業の9割が「DXに未着手」であるか「DXを進めたいが散発的な実施に留まっている」と指摘しているし、米国大手IT調査会社も「日本のデジタル化はグローバルから2年遅れている」とレポートした。

実態はどうか。カスタムAIの開発を手掛けるLaboro.AIの椎橋CEOは、「業務プロセスの非効率な部分を効率化するだけ、つまりAIを部品として導入することに関しては、たしかに日本の企業は得意なのかもしれない」と話す。

事実、作業者のルーチンタスクを自動化するRPA(Robotic Process Automation)の導入に着目すると、グローバルでみても日本の市場は小さくはない。ただ現場の作業効率化、業務の部分最適化に過ぎないRPAの導入をもって、それをDX、デジタル「トランスフォーメーション(変革)」とは言えないだろう。

「部品としてAIを導入して最大限生かそうとすると、現場のオペレーションから人員配置、ビジネスモデルや組織といった全体のアーキテクチャを変える必要が出てきます。部品変更に伴う全体最適を設計することが、日本の企業は苦手なのではないでしょうか」と椎橋CEOは分析する。

テクノロジーとビジネスの両軸で全体のアーキテクチャをデザインする

この「苦手」を克服するためのアプローチとして、Laboro.AIが提唱するのが「ソリューションデザイン」というコンセプトだ。

ソリューションデザインとは、導入するAIそのものと、その導入に伴って変わるべきビジネスや組織全体のアーキテクチャをデザイン(設計)することである。

Laboro.AIへの最初の相談は、企業の経営層から来る場合と、AIを必要としている現場レベルから来る場合との両方があるそうだ。しかしどちらから話を始めたとしても、両者が目線を合わせていく必要が出てくる。

「プロジェクトを進める中で、現場だけと話してAIを導入してもトランスフォーメーションにはならないため、経営層を巻き込む必要が出てきます。一方で、経営層でいくらAI戦略を描いても、現場に実装できなければ価値は生まれません。私たちは、経営と現場の両方をつなぐ役割を果たしつつ、具体的なアーキテクチャをデザインしていきます」。

ソニーとの共働から生まれた究極のエッジAI

ソリューションデザインの重要性を最も象徴する事例が、ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)との取り組みだ。

SSSは、AI機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を2020年に開発・製品化した。画像認識処理が可能な「AI搭載カメラ」は以前から製品化されているが、IMX500がそれらと決定的に違うのは、カメラのデバイスではなく、チップ自体にAI処理機能を搭載していることだ。

一般的なエッジAIカメラと呼ばれる製品では、光を電気信号に変換するイメージセンサーとAI処理を担うコンピューター部分が別々に存在し、それぞれが処理を行う。IMX500はワンチップですべて処理するため、高速なAI処理が可能で、消費電力やデータ漏洩リスクの低減にもつながる。まさに「究極のエッジAI」と呼べるものだ。

現在SSSは、このIMX500を軸としたエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS™(アイトリオス)」を展開している。AITRIOSではIMX500上で使えるAIモデルをアプリケーションとして用意し、それらを遠隔でIMX500上に載せることが可能だ。

SSSとLaboro.AIとの共働においてソリューションデザインの考え方が生きてくるのは、AITRIOSの価値と魅力を世の中に提示するフラッグシップとしてのAIモデル、ユースケースの開発だ。

その一例が、小売店向けのソリューションである。ある大手小売企業では、店内の防犯カメラシステムにAIを導入することで不審者の監視を自動化できると考えていた。ただ、詳しく話を聞いて検討していくと、防犯以上にビジネスに貢献できる別の可能性が見えてきたという。

「防犯カメラシステムのハード部分をそのまま使いつつ、マーケティングを目的とした活路を見出しました。店内在庫状況をモニタリングして需要予測や仕入れの判断に生かしたり、顧客の属性や動線を把握することで、防犯以上の大きな価値をビジネスにもたらすことができると考えたのです」。

この提案が小売企業に受け入れられ、現在はSSSと共同で、防犯目的にとどまらない小売向けAIカメラソリューションの開発を進めているという。

Amazon Goのような無人店舗の事例を知っていれば、そうした発想に至るのはそう難しくないのではないか?──少し意地の悪い質問を椎橋CEOにぶつけてみた。

「確かに思いつくことは誰でもできると思います。ただ、それがどの程度のベネフィットを生むのか、1つ1つの機能を実現するのに技術的にどれくらい難しいのか、開発コストがかかるのか、そうしたことを理解し、示せるかどうか」。

もしベネフィットしか見えていなければ、企業は正しい優先順位を見いだせない。Laboro.AIでは、ソリューションデザインを実践する専門人材をソリューションデザイナと呼び、プロジェクトの最前線に配置している。ソリューションデザイナというビジネスとAI技術の両面を熟知する存在がいるからこそ、現実的に進み始めたケースだと言える。

「さらに言うと、カスタムAIを開発する際には、技術的なコストとベネフィットは最初からクリアに分かるわけではありません。PoC(概念実証)を含めた試行錯誤をする上で、ビジネスと技術の両方の感覚をもって行ったり来たりできることが重要なのです」。

ソリューションデザイナの介在価値

先のSSSとの共働事例では、Laboro.AIは2つのDXに寄与している。1つは、小売企業のDX。AIカメラをアプリケーションとして提供することで、防犯の省人化にとどまらず需要予測やマーケティングに活用し、店舗のあり方やオペレーションなど小売事業のアーキテクチャの変革に挑んでいることだ。

もう1つは、IMX500を単に製品として売るのではなく、プラットフォームとして提供することを通してSSSが推進する「モノ売りからコト売り」への事業アーキテクチャ転換に、AI技術とユースケース開発の側面から寄与することだ。

ソリューションデザイナの特筆すべき介在価値はもう1つある。それは、AI技術に精通しているということだ。Laboro.AIでは、アルゴリズムの具体的な設計をソリューションデザイナがエンジニアと議論しながら進めるのだという。

「たとえばチップにAIモデルを載せるにしても、さまざまな制約をクリアするアルゴリズムやAIモデルをつくるには、AI技術への深い理解が必要です」と椎橋CEOは強調する。

人物画を描くのに、人体の表面だけではなく骨格や筋肉の付き方まで深く知ることで、リアリティのある人間を描くことがあるのと似たようなことなのだろう。

イノベーションの共創パートナーとして世界を変える

椎橋CEOは、「DXのトリガーとなるのはAIとセンサーデータ」だといい切る。

「従来のITが扱ってきたデータは、基本的に人が入力したもの。ですが今後、センサーデータが圧倒的に増えていきます。そしてこの処理のために、AI技術は欠かせないものだからです」。

だからこそLaboro.AIは、最先端のAI技術の応用開発を怠らない。画像認識だけでなく、音声認識や自然言語処理、強化学習など「AIと呼ばれる技術領域を深く理解し、カバーする」のだという。

「ビジネスモデルや産業そのものをトランスフォームするために、長期的な視点で考えています。そうすると、今あるAI技術だけで何かをするのではなく、AI技術そのものを進化させる取り組みも必要です。私たちは既存のAIにとらわれず、新しいAI技術、新しいAIのユースケースをクライアントと一緒につくり、世界を変えていきたい」。

AI技術のまだ見ぬ可能性を追求するLaboro.AIが、イノベーションの共創パートナーとして「世界が変わる瞬間を、ご一緒に。」を体現していく。


(提供:Laboro.AI


文:畑邊康浩 写真:杉能信介
AITRIOS、およびそのロゴは、ソニーグループ株式会社またはその関連会社の登録商標または商標です。

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