強力な遺伝子編集手法「クリスパー(CRISPR)」の特許論争で裁定
強力な遺伝子編集手法の発明をめぐる、カリフォルニア大学バークレー校とブロード研究所(ハーバード大学・MITの共同組織)の論争は、ブロード側の勝利と裁定が下された。 by Antonio Regalado2017.02.16
強力な遺伝子編集手法「クリスパー(CRISPR)」に関する重大な特許論争の勝敗が決したかもしれない。勝者はブロード研究所(マサチューセッツ州ケンブリッジ)だ。
2月15日、米国特許商標庁の審査会は、クリスパー(CRISPR)の特許権を巡る論争に裁定をくだした。論争は、カリフォルニア大学バークレー校が、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の系列組織であるブロード研究所の保有する何十件もの特許に異議を唱えたことで起きた。
短い裁定文で、特許商標庁の審査会は「事実への干渉は起きていない」と判断した。難しい法律用語を噛み砕いていえば、2つの組織の発見は、実際には重複しておらず、したがって争いは終わり、ということだ。今のところは。
この裁定はブロード研究所の勝利だ。ブロード研究所はこれまで、干渉が起きていないことの認定を求めてきた。今後、自分たちの価値ある特許を保持し続けられるだろう。
ただし、法的論争は終わりそうにない。カリフォルニア大学バークレー校は、控訴、またはブロード研究所の特許に別の形で対抗してくる可能性がある。また、ロックフェラー研究所や韓国の発明家も特許制度を通じて対抗しており、論争は継続するだろう。
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| クレジット | Photograph by ערן | Wikimedia |
- アントニオ・レガラード [Antonio Regalado]米国版 生物医学担当上級編集者
- MITテクノロジーレビューの生物医学担当上級編集者。テクノロジーが医学と生物学の研究をどう変化させるのか、追いかけている。2011年7月にMIT テクノロジーレビューに参画する以前は、ブラジル・サンパウロを拠点に、科学やテクノロジー、ラテンアメリカ政治について、サイエンス(Science)誌などで執筆。2000年から2009年にかけては、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で科学記者を務め、後半は海外特派員を務めた。