KADOKAWA Technology Review
×
Alphabet’s Nascent Ride-Sharing Service Ups the Ante Against Uber

グーグル、ウーバー対抗の格安相乗りサービスを年内に展開へ

都市部でウーバーのライバルになるべく、グーグルのヒッチハイク型有償相乗りサービスが年内には米国とラテンアメリカで提供されそうだ。アプリの出来はまだまだだが、自家用車を通勤に使う人が多い大都市なら、渋滞解消にもつながるかもしれない。 by Jamie Condliffe2017.02.23

アルファベット(グーグル)は、自社の新しい相乗り(ライドシェア)サービスを拡大しようとしている。グーグルは、自社をウーバーやリフト等の競争相手に位置づけようとしているのだ。

相乗りサービスは、アルファベットが2013年に買収したアプリ「ウェイズ(Waze)」が元になっており、他社の配車サービスとは少し異なる特徴がある。アルファベットのサービスでは、ドライバーが、クラウドソース型の道路状況監視アプリを使って、都市のあちこちにいるヒッチハイクの希望者を自分の車に乗せるのだ。

したがって、このシステムを使っても誰の仕事にもならない。同乗者はドライバーに約1.6kmあたり54セント支払う(米税務当局が自分の車を事業用に転用した場合に請求できる上限金額)だけだ。ウーバーは約1.6km(1マイル)あたり1ドル以上請求するし、割増料金の場合にはもっとかかるから、格安の料金設定といえる。

アルファベットはこのサービスの試験を昨年、サンフランシスコで開始したが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、同社はこのサービスを「今後数カ月以内に、米国やラテンアメリカの数都市に急激に拡大する」計画だと報じている

ウーバーはアルファベットの動向を注視しているだろう。2013年、アルファベットのベンチャー・キャピタル部門であるGVは、ウーバーに2.5億ドルを投資した。当時、投資は完全に理にかなっていた。あちこちに出かけるための方法を変えようと動き出した、既存の枠組みを壊すスタートアップ企業があり、一方で、その企業に少額の出資、地図や位置測定のサポート、そして成長促進のための製品統合を提供できる、確固たる地位の出資者がいた、という話だ。

しかし今やウーバーは600億ドルの価値を持つ巨大企業へと成長し、自社の自動運転自動車テクノロジーに投資して、どんどん過密になる市場に突き進んでいる。アルファベットの新CFO、ルース・ポラットは、大胆な実験への制限をかけており、同社が進めている自律運転プロジェクト「ウェイモ(Waymo)」に自動車製造計画を棚上げさせ、代わりに商業的成功を追い求めるよう命じている。

現在、ウーバーはロボット操作タクシーの試験をしている。報道によれば、ウェイモは今年、その対抗馬となる自動車を発表する計画だという。もし、両社が、自律運転が実現した未来の自動車に搭載できるような、うまく使えるソフトウェアプラットフォームを持っているなら、両社は互いの取り分を確保しようと躍起になるだろう。

とはいえ、これは少し横道にそれた話だ。現在、アルファベットのライドシェアアプリは、ウーバーの主力の配車サービスと比べて明確な違いがある。アルファベットの配車サービスには柔軟性がなく、今のところ、オンデマンド(利用者の要望があり次第、即時に提供できる)サービスとして車を出せるほど、たくさんの運転手がいるわけではないのだ。しかし、多数のユーザーが、アルファベットの提供するサービスで出費を抑えたくなる状態は容易に想像できる。通勤者の多いルートでは、現在のウーバーの顧客をアルファベットが獲得できるほど、十分なドライバー数がいる可能性もある。

(関連記事:Wall Street Journal, “ウーバー、無人タクシー実験をサンフランシスコに拡大,” “グーグル、自動運転車テクノロジー事業化で新会社設立,” “Google Buys Waze, One of Few Truly Useful Apps”)

人気の記事ランキング
  1. Half the Milky Way’s sun-like stars could be home to Earth-like planets 「地球2.0」候補、天の川銀河に3億個以上存在か? 最新研究
  2. We just found a source for one of the most mysterious phenomena in astronomy 謎の天文現象「高速電波バースト」の発生源、最新研究で明らかに
  3. The second-largest radio telescope in the world is shutting down 世界で2番目に大きい電波望遠鏡、修復不能で57年の歴史に幕
  4. One in five covid-19 patients are diagnosed with a mental illness within 90 days 新型コロナ患者の5人に1人、回復後に精神疾患と診断
タグ
クレジット Photo by Nabeel Syed | Unsplash
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Half the Milky Way’s sun-like stars could be home to Earth-like planets 「地球2.0」候補、天の川銀河に3億個以上存在か? 最新研究
  2. We just found a source for one of the most mysterious phenomena in astronomy 謎の天文現象「高速電波バースト」の発生源、最新研究で明らかに
  3. The second-largest radio telescope in the world is shutting down 世界で2番目に大きい電波望遠鏡、修復不能で57年の歴史に幕
  4. One in five covid-19 patients are diagnosed with a mental illness within 90 days 新型コロナ患者の5人に1人、回復後に精神疾患と診断
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020AI Issue

技術動向から社会実装の先進事例、倫理・ガバナンスまで、
AI戦略の2020年代のあたらしい指針。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る