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A Virtual Version of You That Can Visit Many VR Worlds

VR空間のアバターを、プラットフォーム間で共通化するサービス

VR普及の本命とされるソーシャルVRは、フェイスブック(オキュラスVR)を頂点とするプラットフォーム戦争でもある。スタートアップ企業のモーフ3Dは、プラットフォーム間でアバターを共通化できるサービスにより、VR業界に一定の地位を築こうとしている。 by Rachel Metz2017.03.16

The desktop PC version of Morph 3D's Ready Room demo lets you pick out different kinds of clothes and hair for your avatar.
モーフ3Dのデモ版アプリ『準備室』で、自分のアバター用にさまざまな洋服や髪型を選んでいるところ(デスクトップ用)

現実世界で、自分の体は自分ものもだ。取引先との会議やカジュアルなパーティーといった目的に合わせて違った服を着ても、中身の人間は変わらない。実質現実(VR)でもそうあるべきだ、とアバター作成スタートアップ企業は考えている。

実質現実はまだ新しい分野であり、ほとんどの人は体験すらしていない。また、バーチャル空間で他の参加者との交流は滅多になく、交流があっても自分のキャラクター画像にはほとんど手を加えられない。とはいえ、VRサービスは、ユーザー間の交流を目指して進化している。ソーシャルVR企業として設立されたハイ・フィディリティオルトスペースVR(AltspaceVR)以外にも、モーダルVRザ・ボイドなど、体験型アトラクションを手掛ける企業もある。また、バーチャル・キャラクターをもっと着飾れるように、モーフ3Dは、各種バーチャル体験で共通して使える自分仕様のアバターを簡単に作れるシステムを開発した。

モーフ3Dが3月に一般公開したデモ版無料ソフト『準備室(Ready Room)』では、自分仕様のアバターを作って管理し、提携先企業のVRプラットフォームで使える。今のところ、モーフ3Dはハイ・フィディリティVRチャットのソーシャルVR企業2社と提携済みで、提携先は数カ月以内に増える予定だという。現時点で『準備室』はHTCのVRゴーグルVive専用だが、モーフ3Dによれば、オキュラス・リフトに映像を送信して連動させたユーザーもいるという。(オキュラス VRの親会社であるフェイスブックは、オキュラスVR用のアバター製品を提供しており、ユーザーは互換性のあるアプリ用にアバターをカスタマイズできるが、オキュラス VRプラットフォームでしか使えない)

You can use the Ready Room demo in virtual reality with the HTC Vive to adjust your avatar's facial features.
HTC Viveで、デモ版アプリ『準備室』の実質現実で、アバターの顔面の特徴を調整しているところ

デモ版の『準備室』では、自分のアバターの性別、2種類の体型(どちらもややマンガぽい)のうちひとつを選べる。また、肌の色や体重、頭の形など、さまざまな身体的特徴も調整でき、顔の特徴は、顔の形や目と目の間隔、鼻や口の形といった細かな部分まで調整できる。洋服や髪型、靴も選べるし、同じアバターでも着ている洋服ごとにイメージを保存したり、複数のアバターを作ったりできる。

モーフ3Dのクリス・マドセン取締役(AR/VR担当)は、アバターを選ぶ際、ユーザーは自分に80%ほど似せた姿にしたがるという。

「ユーザーはさまざまな目的に使える洋服を着た12〜20種類のバーチャル・キャラクターを作ると思います。80年代がテーマのパーティーに参加するとき、今どきの格好で行く人はいませんよね。それと同じことです」

 

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

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