KADOKAWA Technology Review
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Nick Little
気候変動/エネルギー Insider Online限定
We did the math on AI’s energy footprint. Here’s the story you haven’t heard.

わずか5秒の動画生成で
電子レンジ1時間分?
AI電力消費、驚きの実態

MITテクノロジーレビューの新たな分析は、AI産業が消費するエネルギー量について、1回のクエリに至るまで前例のない包括的な視点を提供するものだ。AIによるテキスト、画像、動画の生成で必要となるエネルギー使用量について、具体的に計算した結果を掲載する。 by Casey Crownhart2025.06.06

私たちが利用するAIによるテキストや画像、動画の生成による温室効果ガスの排出量はごくわずかに見えるかもしれない。だが、業界が追跡していない総量を合算し、今後の展開を考慮すれば、その影響は無視できないものとなる。

「AIのエネルギー消費、本誌徹底調査で分かったその知られざる事実」に続き、この記事ではAIによるテキスト、画像、動画の生成で必要となるエネルギー使用量について、具体的に計算した結果を掲載する。

第2部:ひとつのクエリ

AIモデルに質問を投げかける際のエネルギー負荷を推定したグラフをいくつか見たことがあれば、それは自動車の燃費や食洗機のエネルギー評価のように、共通の計算手法に基づく「測定可能な値」なのだと思うかもしれない。だが、それは誤解である。

実際には、モデルの種類や規模、生成される出力のタイプ、さらにはユーザーの制御が及ばない無数の変数——例えば、リクエストが送信されるデータセンターが接続している送電網の種類や、処理される時間帯など——によって、1回のクエリが他のクエリよりも何千倍もエネルギーを消費し、排出量を生み出すことがある。

そして、多くのAIモデルに(例えばチャットGPTのWebインターフェースやインスタグラム=Instagramのようなアプリ経由で)クエリを送信する際、その後にデータセンター内で何が起こるかについては、ほとんど公開されていない。どのデータセンターが処理を担当したのか、それに必要とされたエネルギー量はどれほどか、そのエネルギー源の炭素強度はどの程度か——これらの情報は、モデルを運用する企業のみが知っていることであり、一般には明らかにされていない。

このことは、オープンAIの「GPT」、グーグルの「Gemini(ジェミニ)」、アンソロピック(Anthropic)の「Claude(クロード)」といった、よく知られた「クローズド」なモデルに共通している。こうしたモデルの重要な詳細情報は、企業秘密とみなされて厳重に守られており、その理由の一端には、悪い広報効果を避けたいという意図もあると考えられる。これらの企業には情報を公開する動機がほとんど存在せず、実際これまでに開示された例はほとんどない。

「クローズドなAIモデルの提供者たちは、完全にブラックボックスを提供しています」と語るのは、セールスフォース(Salesforce)でAIサステナビリティ部門を統括し、AIプラットフォーム提供企業ハギング・フェイス(Hugging Face)の研究者らとともに、AIのエネルギー需要の透明化に取り組んできたボリス・ガマゼイチコフだ。「企業によるより多くの情報開示がなければ、我々は単に『正確な推定値が得られない』という段階にとどまらず、『そもそも何の根拠も持ち得ない』という状況に置かれているのです」。

では、どこからエネルギー使用量の推定値を得ればよいのだろうか?

いわゆる「オープンモデル」は、研究者がダウンロードしてカスタマイズできるものであり、特定のタスクにおいてH100 GPUがどれほどのエネルギーを必要とするかを測定するための特別なツールへのアクセスも可能である。オープンモデルの人気は非常に高く、メタは2024年4月、自社モデルの「Llama(ラマ)」が12億回以上ダウンロードされたと発表している。多くの企業は、チャットGPTのような商用モデルよりも出力制御の自由度が高いという理由で、オープンモデルを使用している。

とはいえ、研究者がGPUの消費電力を測定できたとしても、それはCPUや冷却ファン、その他の設備による電力使用量を含んでいない。2024年にマイクロソフトが発表した論文では、大規模言語モデルの推論におけるエネルギー効率を分析し、「GPUの消費電力の2倍」がシステム全体のエネルギー需要の近似値として妥当であると結論づけている。

したがって、現時点で最も信頼できる方法は、主要なオープンモデルの推定消費エネルギーに、これら補助的要素のエネルギーを加味することで、1回のAIクエリに要するエネルギー全体を見積もることである。ただし注意すべきは、現在人々がAIを使用している方法——たとえば買い物リストの作成やシュールな動画の生成など——は、AI企業が目指している自律的・エージェント的未来に比べればはるかに単純であるという点だ。この点については後述する。

MITテクノロジーレビューによる調査結果をモデル別に紹介する。

テキスト生成モデル

まずは、質問を入力すると言葉で返答が返ってくるタイ …

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MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

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