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Nick Little
気候変動/エネルギー Insider Online限定
We did the math on AI’s energy footprint. Here’s the story you haven’t heard.

エージェント、LRM——
電気食い虫のAIが
国中の電力を貪る日

単純なチャットボットから、複雑なタスクを自律実行するエージェントや、従来の43倍ものエネルギーを消費する大規模推論モデル(LRM)へ。専門家は「今後数年については、もはや何も予測できない」と警告する。AI企業が原子力発電所建設に乗り出す中、電力需要の爆発的増加は避けられない現実となりつつある。 by Casey Crownhart2025.06.09

人工知能(AI)を日常的に使っている人が、1日でどれほどのエネルギーを消費しているのか? 前回の記事「わずか5秒の動画生成で電子レンジ1時間分?AI電力消費、驚きの実態」では、検証可能なオープンモデルを使い、具体的な利用シナリオに沿って消費電力を計算した。

今回はAIモデルの気候変動への影響について検証するとともに、近い将来、AIの利用がさらに進んだ場合の影響について考えてみたい。

第3部:燃料と排出量

ここまでで、テキスト・画像・動画を生成するAIモデルを動作させるために必要なエネルギー量の概算を得た。では、それが気候変動を引き起こす温室効果ガスの排出量において、どのような意味を持つのかを考えてみよう。

まず、稼働中のデータセンター自体が必ずしも悪であるとは限らない。仮にすべてのデータセンターが太陽光パネルと直結し、太陽が出ている間だけ稼働するようになれば、AIのエネルギー消費に関する議論は、今日ほど深刻なものとはならなかったであろう。だが現実にはそうなっていない。現在、世界の多くの電力網は依然として化石燃料に大きく依存しており、電力使用には温室効果ガス排出という気候コストが伴う。

「AI用データセンターは、年中無休・24時間体制での安定した電力供給を必要としています」と語るのは、高エネルギー消費型データセンターの建設・運営を担うモーソン・インフラストラクチャ・グループ(Mawson Infrastructure Group)のラフル・ミワワラCEOである。

すなわち、AI用データセンターは風力発電や太陽光発電のような間欠性の技術に頼ることができず、平均的に見て、より炭素強度の高い「汚れた」電力を使用する傾向にある。ハーバード大学公衆衛生大学院による査読前論文では、データセンターで使用される電力の炭素強度は、米国の平均値よりも48%高いという結果が出ている。その要因の一部は、データセンターがバージニア州、ウェストバージニア州、ペンシルベニア州といった、石炭依存度の高い中部大西洋地域の電力網に集中して立地していることにある。また、こうした施設は、再生可能エネルギーが利用できない時間帯でも稼働し続けている。

メタ(Meta)、アマゾン、グーグルといったテック企業は、この化石燃料依存への対応として、原子力エネルギーの利用拡大を目標として掲げている。これら3社は、2050年までに世界の原子力発電容量を3倍に増加させるという誓約に参加している。しかし現時点では、米国における電力供給のうち原子力が占める割合はわずか20%に過ぎず、AIデータセンターの運用においても、その寄与はごくわずかである。たとえば、全米で最もデータセンター数が多いバージニア州では、発電の過半数が天然ガスによって賄われている。さらに、新たな原子力発電所の建設と稼働には、数年〜数十年単位の時間を要する見込みである。

電力供給のギャップと、AI向けデータセンターの建設ラッシュが重なることで、しばしば近視眼的なエネルギー計画が生じている。2024年4月には、イーロン・マスクのX社がメンフィス近郊に建設中のスーパーコンピューティング・センターにおいて、多数のメタンガス発電機が使用されていることが衛星画像で確認された。非営利団体のサザン・エンバイロメンタル・ロー・センター(Southern Environmental Law Center)は、これらの発電機はエネルギー規制当局に …

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