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How Your Apple Wireless Earbuds Could Double as Hearing Aids

エアポッドとアイフォーンで補聴器がいらなくなる?

アップルの無線イヤホン、エアポッドを補聴器にするというすばらしいアイデアのアプリが登場した。ただし、アップルが今後エアポッドに何をするのか分からず、また、聞き取るまでのタイムラグは会話をするには少々時間がかかりすぎるところが難点だ。 by Rachel Metz2017.08.18

The Fennex app uses Apple’s AirPods to work as a personalized wireless amplifier.
フェネックスのアプリはアップルのエアポッドを使い、使う人に合わせて調節できる無線アンプとして使える。

もし無線イヤホンとスマホのアプリが補聴器の代わりになるとすれば、どうだろう?

スイスのスタートアップ企業フェネックス(Fennex)は、アップルが出したアイフォーン(iPhone)向けの無線イヤホン、エアポッド(AirPod、159ドル)と一緒に使うアプリ「フェネックス」でそれを実現しようとしている。アレックス・マリ最高経営責任者(CEO)によると、アップルの端末とモバイル・プラットホームを選んだのは、その人気もさることながら、アンドロイド(Android)の携帯電話よりも音声を処理するための遅延時間が短くて済むからだという。

いずれは特定の機能に課金する可能性はあるものの、まだ生まれたばかりのフェネックス・アプリは現在のところ無料だ。現在のバージョンは「安価な補聴器」のように使えるとマリCEOは説明する。フェネックスは両方の耳の聴力をテストし、その結果によって個人に合わせて調整できるアンプになる。たとえば、教室の中で講義を聴くのが難しいとき、携帯電話を講義台の近くに置き、数列後ろの列に座ってもエアポッドを通して聴き取れる。

しかし、アップグレードは近いという。新バージョンでは雑音や聞きたくない音声を抑える機能の追加が予定されている。最終的には、限定された状況で声を聞き取りやすくするだけでなく、中度の難聴がある人のための通常の補聴器の代わりになれるとマリCEOは確信している。

「補聴器のテクノロジーにできる限り近づけたいのです」。

フェネックスは難聴の人、単によく聞こえるように調整したい人、双方のために、スマホやイヤホンを使って聴力を増幅する大きなトレンドを勝ち取ろうとしている。すでに、ペトラレックス(Petralex)などイヤホンやスマホを使う類似のアプリや、ドップラー・ラボのヒア・ワン(Here One)のように、専用スマホ・アプリと一緒に使う特殊なイヤホンもある。場合によっては1セットで何千ドルにもなる補聴器とは異なり、こうしたいわゆるヒアラブル(hearable:headphoneとwearableを組み合わせた造語)端末はスマホの価格に加え、高くても数百ドルほどの値段だ。

フェネックスは、エアポッドのために特別に設計された唯一のアプリだという。アップルは従来のヘッドフォン・ジャックを廃止しているため(2016年に発売されたアイフォンからヘッドフォン・ジャックを廃止し、充電用の独自規格のラントニング・コネクターだけになった)、今後数年でエアポッドはさらに一般的になる可能性がある。

言語聴覚科学で著名なインディアナ大学ブルーミントン校のラリー・ヒュームズ教授は、フェネックスのようなアプリが軽度から中程度の難聴者のために従来の補聴器の代わりになるかもしれないと、楽観的に見ている。ヒュームズ教授は、店頭販売用の補聴器製造を米国食品医薬品局(FDA)に命じた新しい法案が追い風となり、難聴を抱える人が医師の処方なく購入できる聴力関連製品の幅を広げると期待している。

ただし、特定のイヤホンのためのソフトウェアに集中するのはリスクが高いとマリCEOは考えている。アップルが自社のハードウェアに今後何をするか、あるいはそのハードウェアの内部にソフトウェア開発者がどこまで踏み込めるか、フェネックスにはコントロールできないからだ。

また、遅延時間の問題もある。フェネックスはエアポッドのマイクを使って周囲の音を録音し、そのあとアイフォーン・アプリに送って処理をしてイヤホンに送り返している。この工程には今のところ130ミリ秒の遅延が発生するため、単に聞いているだけなら問題ないかもしれないが、会話をしようとする場合には気になるだろう。

 

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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