KADOKAWA Technology Review
×
夏割実施中!購読料20%オフ。
Israeli Hacking Firm Said to Be Behind Groundbreaking iOS Malware

国家安全保障上の理由で
iOS 9.3.5に今すぐ更新

AndroidよりハッキングされにくいとされてきたiPhoneに致命的なぜい弱性があり、イスラエルのスパイウェアメーカー製と思われるマルウェアにより、アラブ首長国連邦の反体制派が監視されていた。 by Jamie Condliffe2016.08.29

アップルが自社のモバイルOS(iOS)のパッチを大量に急造しているのは、マルウェア(各国政府にスパイ用ソフトウェアを販売するイスラエル企業製とされる)が最新のiPhone 6を遠隔監視できると報じられてからだ。

マルウェアの攻撃は、SMSメッセージでユーザーにURLを開かせようとする。ユーザーがリンクをクリックすると、Safariのブラウザーエンジンの弱点をつくために、3つのゼロデイぜい弱性を悪用する。ぜい弱性によって、OSカーネルにアクセスされ、マルウェアをインストールされれば、iPhoneは攻撃者の手に落ちる。そうなったら、マルウェアによって、電話の通話から、SMSメッセージ、予定表のデータ、動画まで、事実上iPhone 6のあらゆる操作をスパイできる。

本件は、ハッカーがiPhone 6を遠隔で乗っ取れることがわかった最初の事例と思われる。サブカル系メディアのMotherboardの主張では、iPhoneがこの種の攻撃にあうのは初めてのことだ。トロント大学シチズンラボの研究者がぜい弱性が特定したのは、アフメド・マンスール氏(人権活動家でアラブ首長国連邦の反体制派)がこの攻撃の標的にされた後のことだ。

シチズンラボのチームによれば、マルウェアの開発元はイスラエル企業のNSOグループ(各国政府向けにスパイソフトウェアを開発している)だ。NSOがスマートフォンを監視できるソフトウェアを作っていることは秘密ではない。2014年にはウオール・ストリート・ジャーナル紙がNSOがプレゼン資料で「遠隔から隠密に監視したり、追跡不可能な命令をデバイスに送信し、すべてのデータを取得したりできる」テクノロジーを提供するとしていた、と報じた。現在のところ、実際に誰がマンスール氏を標的にマルウェアを使ったのかは不明だ。

ロイター通信によれば、更新済みのiPhone 6をスパイできる、その種のソフトウェアは1件100万ドル程度で販売されているという。

シチズンラボの研究者は1週間以上前にアップルにぜい弱性について通報し、アップルはiOS 9が動作するデバイス用のパッチをリリースした。アップルによれば、更新済みのiOS 10のベータバージョンが動作するデバイスは、影響を受けないという。

アップルは最近バグに対する報奨金プログラムを発表しており、(招待された)ハッカーが今回のマルウェアが悪用するような欠点を見つけ出した場合、最大20万ドルが支払われることになっている。恐らく、プログラムの開始はもっと早いほうがよかったのだ。

関連ページ

人気の記事ランキング
  1. Promotion AI White Paper 2026 松尾・岩澤研協力『AI白書2026』発売、サブスク版も開始
  2. The next big thing in hydrogen could be underground 足元に眠る天然水素、21世紀の「ゴールドラッシュ」が始まった?
  3. The role of the astronaut is in flux 人類はなぜ宇宙を目指すのか? 揺らぐ宇宙飛行士の役割
タグ
クレジット Photograph by Carolyn Kaster | AP
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る