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Apple Vision Pro: 10 Breakthrough Technologies 2024 Apple Vision Pro

実質(VR)ヘッドセットは失敗の歴史にあふれている。だが、アップルが2024年後半に出荷を開始する、従来をはるかに超えた解像度とコントラスト比を備えた複合現実ヘッドセットは、ついに成功するかもしれない。

by Amy Nordrum 2024.01.19
Simoul Alva
キープレイヤー
アップル
実現時期
2024年後半

歴史は失敗に終わったフェイス・コンピューターで溢れている。「グーグル・グラス(Googe Glass)」、マイクロソフトの「ホロレンズ(HoloLens)」、さらにはメタの「クエスト(Quest)」シリーズも人気を得られずにいる。今度はアップルが挑戦する番だ。

2024年後半、アップルは同社にとって初の複合現実(MR)ヘッドセットである「ビジョン・プロ(Vision Pro)」の出荷を開始する予定だ。商業的成功に関してはまだまだ予想がつかないが、これまでのどの製品よりも劇的に優れたディスプレイを備えるVision Proは、間違いなくブレークスルー・デバイスだ。

アップルは昨年6月、毎年開催している開発者イベントでこのMRヘッドセット(同社はこれを空間コンピューターと呼んでいる)を公開し、映画鑑賞、写真の閲覧、他者との繋がり、さらには読書や何かを作ることまで、より良い体験が可能になると売り込んでいる。

実質現実(VR)とは異なり、複合現実はデジタルコンテンツを現実世界の環境に重ね合わせる。Vision Proのヘッドセットに内蔵されたカメラとセンサーは部屋の中にいるユーザーの周囲の状況を取り込み、片目ごとに配置されたスクリーン上に再創造する。そして、ユーザーが選んだデジタルコンテンツ、たとえばサーフィンの映像などを、ヘッドセットが実際のソファの目の前にバーチャルで投影する。

Vision Proが搭載する2つのマイクロ有機ELディスプレイは大半のVRゴーグルに採用されている液晶ディスプレイよりもはるかに優れた解像度とコントラスト比を実現する。つまりこのヘッドセットは複合現実を可能にするだけでなく、史上最も没入度の高い体験をもたらすことになる。

そこで大きな疑問が1つ残る。ユーザーはVision Proを何に使うのか? アップルはさまざまなアプリを用意しており、開発者もアプリを作ることができる。だが、大半は洒落た映像視聴デバイスとして使われることになるのか?もう1つ、ユーザーが実際に着用するかという疑問もある。アップルは着用者がどこを見ているのか分かるよう、バーチャルの目を追加している。だが6月のイベントで公開されたのは、ヘッドセットを着用している人々の映像だけだった。実際に見た時に、このバーチャルの目はどれほどしっかりしているのか、あるいは奇妙に見えるのか?しかも、3499ドルのVision Proは、他のヘッドセットよりも数千ドル高価だ。

とはいえ、消費者向けテクノロジーの開発とマーケティングでアップルほど成功している企業は長年にわたって存在しない。アップルによる投資は、複合現実にとってこれまでで最大の流行のチャンスと言えるかもしれない。

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