KADOKAWA Technology Review
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Chiplets: 10 Breakthrough Technologies 2024 チップレット

トランジスターをより小さくしてチップにより多く詰め込むことで性能を向上させるのが難しくなってきた現在、チップメーカーは、より小型でモジュール化した「チップレット」でムーアの法則の寿命を延ばそうとしている。

by Mike Orcutt 2024.01.19
Simoul Alva
キープレイヤー
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices)、インテル、ユニバーサル・チップレット・インターコネクト・エクスプレス(Universal Chiplet Interconnect Express)
実現時期
実現済み

パッケージング。退屈に聞こえるかもしれないが、これはコンピューターシステムの構築に不可欠な要素だ。現在、各社は新世代のコンピューターがどのようなものであるかを定義しつつある。

何十年もの間、チップメーカーはトランジスターをより小さくしてチップにより多く詰め込むことで、性能を向上させてきた。この傾向は一般に「ムーアの法則」と呼ばれている。だがその時代も終わろうとしている。トランジスターをさらに微細化して今日のハイテク産業が求める複雑なチップを製造するには、莫大なコストがかかるようになったからだ。

これに対応するため、メーカー各社は、特定の機能(データの保存や信号の処理など)のために設計され、互いに連結してシステムを構築できる、より小型でモジュール化されたチップである「チップレット」に目を向けている。チップは小さいほど、含まれる欠陥が少なくなり、製造コストが抑えられるのだ。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズやインテルなどの企業は、もう何年もチップレットをベースにしたシステムを販売している。だが、チップレットによって業界が「ムーアの法則」のペースで性能向上を維持できるかどうかは、パッケージングにかかっている。パッケージングとは、チップレットを並べたり重ねたりしてそれらの間に高速で広帯域幅の電気接続を形成し、それを保護プラスチックで包むことだ。

メーカー各社は、コストと性能のバランスをとるための最良の方法を模索している最中だ。527億ドルの予算を盛り込んだ「チップス法(CHIPS Act)」は、米国のチップ産業の強化を目的とした2022年の米国の法律である。「先端半導体」研究に110憶ドルを振り向け、学術界と産業界の協力を促進するための「国家先端パッケージング製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program)」を創設している。

これまでチップレットの採用は、パッケージングに関する技術標準の欠如によって妨げられてきたが、そうした状況は変わりつつある。業界は、ユニバーサル・チップレット・インターコネクト・エクスプレスというオープンソース規格を採用した。理論的には標準化によって、異なる企業が製造したチップレットを簡単に組み合わせられるようになり、人工知能(AI)、航空宇宙、自動車製造といった急速に変化する分野においてチップメーカーの自由度が増す可能性がある。

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