KADOKAWA Technology Review
×
スペースX、3万基追加申請
大量の衛星打ち上げ、なぜ?
SpaceX
宇宙 無料会員限定
SpaceX just filed a request to run 30,000 more Starlink satellites in orbit

スペースX、3万基追加申請
大量の衛星打ち上げ、なぜ?

スペースXが人工衛星3万基分の周波数割り当てを申請した。計画が実現すれば合計4万基あまりものおよぶメガコンステレーション(衛星群)を低軌道へ投入することになるが、その目的ははっきりしない。 by Neel V. Patel2019.11.06

スペースX(SpaceX)が、自社のコンステレーション(衛星群)「スターリンク(Starlink)」ネットワーク3万基分の衛星周波数の割り当てを国際電気通信連合(ITU)に申請している。スターニュース(SpaceNews)が10月15日に報じた。ITUとFCC(連邦通信委員会)はすでに1万2000基分を承認済みで、3万基はその上積み分となる。ITUへの申請は合計20件、高度386~579キロメートルの軌道に配置される1500基の衛星に関するものだ。

膨張するスターリンク

スペースXは今年5月、60基のスターリンク衛星を軌道に送り、さらに60基を打ち上げる予定だ。同社の構想では、スターリンクのインターネット網は最終的に1万2000基の衛星で構成され、全世界を対象としたインターネット接続を提供する。

スペースXの戦略はその高いビジョンが評価される一方で、いくつかの懸念も生み出している。最初に打ち上げた60基のうち3基を失った。事故率は5%で、今後さらに高まる可能性がある。最近ではスターリンク衛星と欧州宇宙機関(ESA)の気象衛星が異常接近し、宇宙船にとって地球軌道がさらに危険となるような、あるいは使えなくなるような衝突が起きる懸念が増大した。

なぜ、スペースXは追加申請したのか?

今回の発表よりも前に、スペースXは、スターリンクを稼働させるのに数千もの衛星からなるメガコンステレーションが本当に必要かどうかを巡って精査されていた。衛星を増やす必要性は「何をしようとしているのか、何が衛星に必要なのか、どのくらいの能力を確保しているのか、使用事例がどのようなものかに左右される …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る