KADOKAWA Technology Review
×
動画、ロボット、マルチモーダル——生成AIの次のトレンドは?
【6/26開催】イベント申込受付中!
Tech Firms Invite Automakers to Take a Back Seat on Self-driving Cars

自動運転は自社開発するべきか、テック企業の部品を買うべきか?

ウェイモは自律型車両用に独自センサーを開発しており、自動車メーカーにパッケージ化した自律型システムを提供する最先端企業になるかもしれない。 by Jamie Condliffe2017.01.10

自動運転車という新興分野に何とか関わる一番いい方法は何だろうか? 自動車メーカーは自社仕様の自動運転車両を、基本的にはゼロから作ることだという。しかし、テック企業数社は自動車メーカーが採用するだけで済むシステムを開発中だ。

デトロイトで開催中の北米国際オートショーでは、たとえばアルファベット(グーグル)の自動運転子会社であるウェイモ(Waymo)は、自律型移動手段用センサーのパッケージを独自に開発したと発表した。キットは自社製で、今月には道路を走ることになっているウェイモの新型車クライスラー製パシフィカ・ミニバン用に開発された。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば「視界360度のレーダーと8個のビジョン・モジュール、3種類のウェイモ製ライダー (LIDER: レーザーによる画像検出・測距)」で構成される。

ウェイモのジョン・クラフチック最高経営責任者 (CEO) はイベントで講演し、自社でハードウェアを開発したのはコストの削減が目的だと述べた。クラフチックCEOはライダーが7万5000ドルだった2009年と比べて、ウェイモは価格を90%削減したという。ただし、ザ・バージの記事にあるとおり、ライダーのメーカーとして定評のあるベロダイン(Velodyne)はすでにセンサーを8000ドルで販売中だ。

実際には、真の魅力は自社仕様のハードウェアを開発できることにある。ウェイモは異なる距離を視認するために調整された、2種類のライダーセンサーを設計したという。短距離用ライダーは歩行者などの物体用、長距離用ライダーはロータリー交差点の自動車など、遠く離れた脅威用だ。

こうした独自製品の開発は、商業的価値がある。ウェイモは最近、同社に自動車を自社開発する計画はなく、自動車メーカーと提携すると発表した。したがって、メーカー向けにハードウェアを供給することが事業の一部になると思われる。

他のテック企業の似たような方針を取ろうとしている。たとえば、イスラエル企業モービルアイは同様の方法で多くの自動車メーカーと提携済みであり、BMWとの最新プロジェクトでは、運転方法の大部分を自動車自身が学習するため特に興味深い。一方で、オックスフォード大学からスピンアウトしたオックスボティカは、あらゆる自動車を自動運転化できる新しいソフトウェアシステムを開発した

自動車メーカーにとってのメリットは明白だ。自律自動車を開発するために専用テクノロジーや人工知能チームを作る代わりに、ウェイモやモービルアイ、オックスボティカといった企業に、車両に取り付けるだけでよい既成のパッケージを単に提供してもらえばよくなる。一方、テスラやゼネラルモーターズ、フォード等の企業はすべて、自社の自律型システムをゼロから開発しようとしている。

(関連記事: The Wall Street Journal, The Verge, “グーグル、自動運転車テクノロジー事業化で新会社設立,” “既存の自動車の自律化 2019年からオプション装備で“)

人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #29 ブームから1年、次のトレンドを占う「生成AI革命3」のご案内
  2. This classic game is taking on climate change 人気ボードゲーム「カタン」 新版で考えるエネルギー問題
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #29 ブームから1年、次のトレンドを占う「生成AI革命3」のご案内
  2. This classic game is taking on climate change 人気ボードゲーム「カタン」 新版で考えるエネルギー問題
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る