KADOKAWA Technology Review
×
【締め切り迫る!1/20まで】年間購読料20%オフ & マガジン1冊プレゼントキャンペーン 実施中!
Using Drones to Bathe the World in Internet Isn’t Working Out So Great

グーグルとフェイスブック、ドローンによるネット接続事業で失敗

アルファベットはプロジェクトを中止し、フェイスブックもうまくいっていない。 by Jamie Condliffe2017.01.13

シリコンバレーの大手テック企業にとって、へき地にインターネット接続をもたらす解決策は簡単そうだった。ドローンや気球、人工衛星を飛ばせばいいと考えて着手してはみたものの、成功しているとはいえない状態だ。

アルファベット(グーグル)は、「タイタン」と呼称していたドローン・プロジェクトを終了すると発表した。アルファベットはデータ接続を上空から提供するアイデアを実験していたが、実際には、同社のX研究所は2016年初頭には飛行機に関する実験を停止しており、公式にプロジェクト中止の決定を発表したことになる。

一方で、アルファベットが力を入れている「ルーン」プロジェクトでは、ドローンではなく成層圏に達する気球でインターネットを提供する。アルファベットの広報担当者は「現時点の経済的・技術的条件から、世界中の非都市部やへき地にインターネット接続を提供する方法として、プロジェクト・ルーンは実現可能性がより高い方法です」としている。

フェイスブックも同様にドローンでインターネット接続を提供しようとしていたが、問題に直面している。フェイスブックは昨夏、成層圏からインターネットを提供するドローン「アクィラ(Aquila)」の最初の試験飛行を成功させたが、後になって着陸時に大破していたことがわかったのだ。米国家運輸安全委員会の調査によれば、強風により、ドローンのオートパイロット・システムが飛行機の機首を下げてしまい、着陸時の速度を上げてしまったことが判明した。

この事故は、ドローンでインターネット接続を提供する際の大きな問題を示している。この種の航空機は、高い高度で飛行するよう設計され、飛行エリアの地上に安定した接続を確保できるように成層圏で旋回する。だが、その高度では乱気流が非常に強いことがある。

何日間、何週間、あるいはさらに長期間、飛行し続けることになるので、航空機は太陽光発電と電池に頼ることになり、機体をとても軽くしなければならない。フェイスブックのドローン「アクィラ」の翼長はボーイング737号機よりも長く、炭素繊維製の機体重量は約454kg未満だ。それでも設計者はさらに軽量化したいという。

設計上の制約はかなりのものだ。ドローンは羽根のように軽く、頑丈で飛行時に安定しなければならない。昨夏の不時着から判断すると、アクィラは頑丈さと飛行時の安定性に問題がある。

とはいえ、アルファベットにもフェイスブックにも別のインターネット接続計画がある。アルファベットはルーン計画に力を入れようとしており、フェイスブックは人工衛星によるインターネット接続の提供にも関心がある。昨年、フェイスブックのコネクティビティ研究所を率いるヤエル・マグワイア所長は、人工衛星はドローンの研究より優先順位が低いと述べた。優先順位が今でも変わらないのかは興味深い。

(関連記事:Bloomberg, The Guardian, “Facebookのユーザーをさらに40億人増やす3つの方法,” “フェイスブックのインターネット普及構想は失敗続き,” “Alphabet and Facebook’s Stratospheric Internet Plans Get Tangled in High-Altitude Red Tape”)

人気の記事ランキング
  1. Don’t panic about the latest coronavirus mutations, say drug companies 新型コロナ「変異種」を過度に恐れる必要がないこれだけの理由
  2. Don’t worry, the earth is doomed 人類を滅亡に導く、15の破壊的リスク
  3. The kitchen of the future is here, it’s just not evenly distributed 電子レンジ、真空調理器超える「キッチン・テクノロジー」の未来
  4. Singapore’s police now have access to contact tracing data シンガポールの接触追跡アプリが方針転換、犯罪捜査でも利用可に
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Don’t panic about the latest coronavirus mutations, say drug companies 新型コロナ「変異種」を過度に恐れる必要がないこれだけの理由
  2. Don’t worry, the earth is doomed 人類を滅亡に導く、15の破壊的リスク
  3. The kitchen of the future is here, it’s just not evenly distributed 電子レンジ、真空調理器超える「キッチン・テクノロジー」の未来
  4. Singapore’s police now have access to contact tracing data シンガポールの接触追跡アプリが方針転換、犯罪捜査でも利用可に
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

今、世界中の企業や機関の技術者・研究者たちが各地で抱える社会課題を解決し、持続可能な世界の実現へ向けて取り組んでいる「SDGs(持続可能な開発目標)」。
気候変動や貧困といった地球規模の課題の解決策としての先端テクノロジーに焦点を当て、解決に挑む人々の活動や、日本企業がSDGsを経営にどう取り入れ、取り組むべきか、日本が国際社会から期待される役割について、専門家の提言を紹介します。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る