KADOKAWA Technology Review
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わずか数十年で激変したクルミ農家の収穫風景
Ping Zhu
The machines that get walnuts from trees to your mouth

わずか数十年で激変したクルミ農家の収穫風景

収穫・出荷に手間がかかっていたクルミ農家の生産性は、機械化によって大きく向上した。 by Katie McLean2021.01.22

Hal Crain
堅果農場と加工施設があるクレイン農園のオーナー、ハル・クレイン
(米国/カリフォルニア州ロス・モリーノス)

今朝、私は午前4時30分に起きた。今は9月の終わりで、クルミの収穫シーズンの真っただ中だ。シーズン中、私は毎日作業着を着て、農園に出ている。

クルミの収穫作業は、まず、木を揺らす機械で実を地面に落とすところから始まる。次に、機械式の掃き寄せ機で、それぞれの木の両側にすべての実を、幅約1メートルの長い大まかな直線状の列にする。背後に控えるのは、実を地面から拾い、泥、小枝、葉を振るい分け、トレーラーに積み込む収穫機だ。この時点で、実は地面に落ちていたときよりもかなりきれいになっている。そこから皮むき機へ運ばれ、まだ緑の外皮をつけている実(収穫量の30~40%)は外皮をむかれ、きれいに洗浄される。最後は巨大な貯蔵コンテナに入れ、乾燥機で転がしながら風や熱風にさらして、水分含有量を8%未満に落としていく。

乾燥が終わると、クルミの実は十分に安定した状態になるので、さらに加工したり、割って実を取り出したり、容器に詰め込んだり、その他の必要なことを何でもする加工場へ送られる。出荷量の約95%を占める殻なしのクルミは、食品用の天然洗剤を使った洗浄機にかけて、できるだけ見た目がきれいになるようにする。

私はクルミ農家の2代目だ。機械化は、モデルT(1908年に発売されたフォードの自動車)からテスラへ変わったぐらい私たちの仕事に大きな変化をもたらしたが、変化はそれよりもはるかに短期間に起きた。私は今、51才だが、若い頃は、機械を使って木を揺する方法さえなかった。竿で木を叩いて実を落とすか、落ちてくるまで何カ月も待つしかなかった。今では、収穫作業員1人は1日に約230トン以上の実を収穫している。ほとんどが手作業だった頃はわずか1トン足らずだった。

加工、箱詰め、選別はすべて機械だ。出荷できない欠陥のある実は、すべてレーザーを使った機械(映像走査機)で選別する。選別機は、電子選別機の専門企業ウィコ(WECO)のウォールナットテック(WalnutTek)を使っている。殻つきで売られるクルミは、スキャンして殻の傷を見つける。実が殻の中いっぱいに詰まっているかを検知する方法もある。傷以外にも殻の欠陥にはありとあらゆるものがあり、割れている殻や、日焼けによって黒ずんだ箇所で変色した殻などは、中の実の品質があまり良くないことを示している。これらのすべての欠陥を、機械で選別する。欠陥は他にも、昆虫による損傷や殻のカビなどがある。人間の目はクルミが箱詰めされる前の最後の点検で、もし、虫に食われていれば一目で分かるといった、見落としがないかを確認する程度だ。

我々の農場は、カリフォルニア州の最北端にある。今日は36℃ぐらいまで気温は上がりそうだが、湿度は低い。降雨量が多いので、どう考えても砂漠のような環境ではないが、夏はとても暑くなる。ちょうど植物の水分ストレス検知器、フローラパルス(FloraPulse)を、我々の生産物の約10%を占めるアーモンドの木に使い始めたところだ。うまくいけば、すぐにでもクルミの木にも使いたい。この検知器を特定の木に差し込んで計測すると、木の健康状態が分かり、収穫物の寿命を最大限にするための水やりの頻度を調整できる。要するに、木がどれだけのどが渇いているか伝えてくれるわけだ。これは実際に植物のストレスを直接測定し、一年の特定の時期に何をするのが理想かというパラメーターを見つける上で大きな前進だ。

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この記事は、普段お金を支払って口にしている食品が、隠れたイノベーションによってどのように生み出されているかを紹介するシリーズの一部です。クリシカ・ヴァラガーが取材・編集しています。

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