KADOKAWA Technology Review
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The Jeff Bezos Retail Laboratory—or Seattle, as the Locals Say

日本の小売り関係者がシアトルに行くべきたったひとつの理由

アマゾンは、実験型の実店舗をシアトルで次々に立ち上げている。ネット上と同様、シアトル市民にはアマゾンを断固拒否する人もいるようだ。 by Jamie Condliffe2017.02.14

ネット小売業からの脱却を目指して、アマゾンは現在、レジのない雑貨店や値札のない書店、ドライブスルー型のスーパーなど、突拍子もないアイデアの実店舗を次々に立ち上げている。

しかしニューヨーク・タイムズ紙の記事によれば、こうした奇抜な戦略の店舗には、すべて共通するテーマがあるという。どの店舗も例外なく、アマゾン創業の地であるシアトルで始まっているのだ。つまり、シアトルは現実世界の実験室として、ジェフ・ベゾスCEOの新たな小売りビジネスのモデルとして採算が取れる手駒になれるのか、単にくだらないアイデアなのかを証明する場所になっているのだ。

アマゾンによる新型店舗の多くはまだ始まったばかりであり、成否は不明の段階だ。たとえば、シアトルのバラード地区にあるスーパー「アマゾン・ゴー」には、支払い用のレジがない。利用客はスマートフォンをかざし、棚から食品を選んで退店し、アマゾンのアカウントで後払いする。センサーとコンピューター・ビジョンで、利用客が何を持ち去ったかを調べることで実現している。

アマゾンが初めて手がけた実店舗型の書店も、シアトルのショッピングモールに初めて設置された。この書店では、商品に値札が付いておらず(米国の書籍は「定価」がなく、一般的な商品同様、値札が貼られていることがある)、利用客は買いたい本をバーコードスキャンできるコーナーに持って行くか、スマートフォンのカメラで値段を調べる(アマゾンプライムの利用者は割引かれる)。今のところ、アマゾンの書店は特別面白いわけではない。ネットストアのおまけ版店舗といった方が正確で、「未来の書店」とはいい難い。

まだ一般向けには開店していないが「ドライブ・アップ」型のスーパーも登場しそうだ。(「自走型自販機」ともいえる、微妙な様子のお宝トラックで、あらゆる種類の目玉商品を破格値で販売していた)

こうした実験はアマゾンにとっては有用のはずだ。本社のある街で実験店舗を設置すれば業績を管理しやすいし、費用もそれほどかからない。ニューヨーク・タイムズ紙の記事は、全米と都市でもシアトルは実験場所として最適だとしている。シアトル市民はテクノロジーが好き(ワシントン湖の向こう岸のレドモンドにはマイクロソフトと任天堂の米国本社がある)だし、サンフランシスコのような都市の住民ほど大好きでもないからだ。

しかしニューヨーク・タイムズ紙は、アマゾンの計画に不満を持つ一部の市民の存在も指摘している。実験の趣旨を理解できず、アマゾンで買い物をすることを完全にボイコットする者もいるという。アマゾンがオンライン上で対処すべき問題は、現実でも同じなのだ。

(関連記事:New York Times, “シアトルに新規開店したアマゾンの実店舗に潜入してきた,” “アマゾン、レジなしスーパーをシアトルで開店”)

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クレジット Photograph by Stephen Brashear | Getty
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

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