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Ai-generated video by @niceaunties (Wenhui lim)
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How I learned to stop worrying and love AI slop

スロップ作家との対話——
AI動画はただのゴミか?
新しいネットカルチャーか?

偽の監視カメラ映像に突如現れるJ・D・ヴァンス副大統領、トランポリンで跳ねるウサギ——。「AIスロップ」と呼ばれる粗製乱造の動画群を、私は最初「最悪」だと思った。だが、作り手たちに話を聞くうちに、そこには予想外の創造性と、新しいネットカルチャーの萌芽があることがわかってきた。 by Caiwei Chen2026.01.22

この記事の3つのポイント
  1. オープンAIのSoraなどのAI動画生成ツールの普及により「AIスロップ」と呼ばれる奇妙な映像がSNSに大量出現している
  2. 従来の映画制作向けツールが一般ユーザーに浸透し、監視カメラ風映像等の独特な表現スタイルが生まれている
  3. 質の低いコンテンツとして批判される一方で、新たな創造性や文化的表現の可能性を秘めている
summarized by Claude 3

最近、スクロールするたびに、同じ魚眼レンズで撮影されたCCTV映像が目に入る。リビングの隅や夜の私道、人けのない食料品店などから送られてくる、粗くて広角の映像だ。すると突然、ありえないことが起こる。J・D・ヴァンス米副大統領が奇抜な格好で玄関に現れたり、車が紙のように折りたたまれて走り去ったり、猫がやってきてカピバラやクマと一緒にうろつき始めたりする。その光景は、まるで奇妙な現代のおとぎ話のようである。

この偽の監視カメラ風の映像は、現在「AIスロップ(slop)」と呼ばれているものの代表的なスタイルの一つとなっている。ネット上でショート動画を見て過ごす私たちにとって、スロップは避けようのない存在だ。AIが生成した反復的で、しばしば意味不明な映像クリップの洪水が、ティックトックやインスタグラムをはじめとするプラットフォーム全体に押し寄せている。その背景にあるのは、2025年9月にアプリとしてリリースされ人気を博したオープンAI(OpenAI)のSora(ソラ)、グーグルのVeo(ベオ)シリーズ、ランウェイ(Runway)のAIモデルなど、新たなツールの登場がある。今では、ほんの数回画面をタップするだけで誰でも動画を作れるようになったのだ。

スロップが一般層に広く知られるようになった転機があるとすれば、それは2025年の夏にバズった「トランポリンで跳ねるウサギの動画」だろう。私自身を含め、インターネットに詳しい多くのユーザーにとって、それが初めてAI動画に騙された経験だったと思う。そして結果として、同じようなネタの動画が大量に生み出されることとなった。あらゆる種類の動物や物体が、トランポリンの上で跳ねている動画が、人々によって次々と作られていったのだ。

最初の印象は――ざっくり言えば「どれも最悪だ」だった。その感想は、解説記事でもディナーパーティでもよく聞く常套句になっている。今やネット上のあらゆるものが「スロップ化」してしまい、その原因の大半はAIのせいだと言われている。私も最初はその意見におおむね同意し、AI動画を見かけたら即座にスクロールして飛ばすことで、アルゴリズムに不満を伝えようとしていた(無駄な抵抗ではあったが)。しかしやがて、友人たちがグループチャットでAIクリップを共有し始めた。奇妙だったり、おもしろかったりするその映像の数々には、妙に惹きつけられる何かがあった。中には、ナンセンスの中に一粒の輝きを含んだようなものすらあった。私は、自分が拒絶し、嫌悪していたものを、本当の意味で理解できていなかったのだと気づかされた。

この感情の根底にあるもの、そしてその理由を探るために、私は最近、動画を作っている人たちや、クリエイター向けのカスタムツールを開発している企業、新しいメディアが文化として定着するプロセスを研究する専門家たちに話を聞いた。その中で得た知見によって、私は「生成AIがすべてを台無しにする」とは限らないのかもしれないと考えるようになった。もしかすると私たちは、AIスロップをあまりに早く否定しすぎていたのではないか。あるいは、表面的な出来栄えだけで判断するのではなく、新しい種類の創造性を見出すべきケースもあるのだろう。私たちはいま、そのような創造性がリアルタイムで形になっていく瞬間を目撃しており、しかもその一部を実際に担っているのだ。

 スロップ・ブーム

「AIスロップ」という言葉は、テキスト、音声、画像を指すこともあるが、今年特に爆発的に広がったのは、SNSにあふれるAI生成のショート動画だった。それぞれの動画は、短いテキストプロンプトをAIモデルに入力することで作られる。裏側では、これらのモデルが膨大なデータセットで訓練されており、次のフレームがどのように「見え」、どう「聞こえる」べきかを予測する。そのプロセスは、テキストモデルがチャットの応答を生成する仕組みによく似ているが、より処理に時間がかかり、大量の電力を消費する。

2022年から2023年にかけて登場した初期のテキスト生成型動画モデルは、数秒間のぼやけた動きを生成する程度しかできなかった。映像内の物体はゆがんだ状態で出現しては消え、登場人物は唐突に場所を移動し、手や顔が崩れてしまうことで、すぐにAIによる生成物だとわかってしまった。この2年間で登場したSora2、Veo 3.1、ランウェイの最新モデルGen-4.5といった新しいモデルは、著しく進化を遂げた。これらは、最長で1分間持続する、現実的でシームレス、かつプロンプトの指示に忠実な映像を生成できるようになった。中には、周囲の環境音や雑談のような音声を、映像と同時に生成できるモデルもある。

こうしたテキストから映像を生成するモデルを、AI企業はしばしば「映画の未来」として売り込んできた。映画監督やスタジオ、プロのストーリーテラー向けのツールとして位置づけていたのだ。デモ映像では、横長の画面に広がるショットや、劇的なカメラワークが強調されていた。オープンAIはSoraを「世界シミュレーター」として売り出し、ハリウッドの映画製作者たちにアピールするために、映画品質を謳うショート映像を披露した。グーグルは昨年、より長尺のシーンや絵コンテへの応用を目指すVeo 3を発表し、映画制作のワークフローに直接乗り込もうとしている。

こうした構想はすべて、「人々はリアルに見えるAI動画を作りたがっている」という前提に基づいていた。しかし実際の使われ方は、ずっと控えめで、奇妙で、むしろはるかに興味深いと言えるかもしれない。結局のところ、AI動画の主戦場となったのは、私たちの手のひらの中にある6インチのスマートフォンの画面だったのだ。

誰もが、そして実際に誰もがこうしたツールを使っている。アドビが2025年10月に発表した報告書によると、クリエイターの86%が生成AIを利用しているという。しかし、それは「クリエイター」と呼ばれる人たちだけではない。単にスマホを持っているだけの、ごく普通のソーシャルメディア・ユーザーたちも同じように使っているのだ。

その結果、ガンジーと一緒に踊るインドのナレンドラ・モディ首相、水晶がナイフに触れた瞬間にバターのように溶ける動画、河南オペラ風にリメイクされた『ゲーム・オブ・スローンズ』などが登場することになる。こうした動画は催眠的で、ときにおもしろく、そして多くの場合とても馬鹿げている。そして、こうしたマイクロトレンドはAIから始まったわけではない。ティックトック(TikTok)やインスタグラムのリール(Reels)といったプラットフォーム自体が、もともと流行が目まぐるしく移り変わる仕組みで動いていた。しかしAIは、それに一層の拍車をかけたようだ。おそらく、アイデアを真似する障壁が極めて低くなったことで、トランポリンで跳ねるウサギのようなバズ動画は、同じコンセプトの無限のバリエーションを簡単かつ迅速に生み出せるようになったのだ。もう、衣装や撮影場所を用意する必要はない。プロンプトを少し調整して「生成」ボタンを押し、あとは共有するだけでいい。

大手テック企業も、AI動画を新たなソーシャルメディアの形として売り込む流れに飛びついている。Soraアプリでは、ユーザーが自分自身や他の人のAIバージョンをシーンの中に挿入できる。メタ(Meta)は「Vibes(バイブス)」アプリで、ユーザーのフィード全体を、途切れなく流れるAI動画クリップに変えたいと考えている。

もちろん、このような「誰でも簡単に使える」仕組みは、無害で楽しい創作を可能にする一方で、より暗いタイプのスロップも容易に生み出してしまう。Soraはすでに、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを用いた多数の人種差別的ディープフェイク動画の生成に使われており、キングの遺族団体はオープンAIに対し、彼を使った動画の生成を全面的に禁止するよう要請している。ティックトックやX(旧ツイッター)には、Soraの透かしが入った動画――女性や少女が絞殺されるシーンが映されたもの――が大量に投稿されている。それらは、このテーマに特化したと見られるアカウントによって発信され、拡散されている。さらには「ナチ・スロップ」と呼ばれるAI動画も存在する。これは、ファシズム的な美学やミームを、アルゴリズムに最適化された魅力的なコンテンツへと作り変え、10代の「おすすめ」ページに届けるように仕組まれたものだ。

とはいえ、悪意ある投稿者が蔓延しているにもかかわらず、ショートAI動画という形式そのものの隆盛は止まっていない。新たなアプリ、AIクリエイター向けのディスコード(Discord)サーバー、チュートリアル動画チャンネルは次々と登場している。そして、コミュニティ内のエネルギーは徐々に、「本物に見える映像」を目指す方向から、AIが持つ本質的な奇妙さを受け入れようとする方向へとシフトしているように見える。私は毎日のように、「AIスロップとは何か」という概念を押し広げているクリエイターたちを目にしている。そして今回、その中の何人かに話を聞くことにした。

クリエイターたちに会う

あの偽の監視カメラ映像と同様に、バズるAI動画の多くは、非現実的で異世界的な質感に依存している。建築デザイナーから専業AIアーティストに転身したウェンフイ・リムはこう語る。「AI動画クリエイターの間では、『どこまで奇妙にできるか』を競うような流れが間違いなくあります」。

これは、AI動画ツールが得意とする表現でもある。つまり、人間の体や通常のカメラでは到底実現できない物理的な限界を超えた描写だ。そのため、AIは風刺、コメディスキット、パロディ、実験映像、とりわけ不条理やホラー要素のある表現との相性が驚くほどいい。私が話を聞いた複数の人気AIクリエイターたちは、このAIならではの特性を積極的に活用している。

カリフォルニア州レッドランズ出身の39歳のソフトウェア開発者、ドレイク・ガリベイは、2025年初頭にSNSで広まっていたボディホラー系のAIクリップに影響を受けた。彼は生成メディアツール「ComfyUI」で遊び始め、やがて毎週何時間もかけて自分だけの奇妙な作品を作るようになった。彼が特に好んで扱うのは、人間と動物の不気味なハイブリッドだ。「完全にハマってしまいました」とガリベイは言う。「もともと芸 …

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MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

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