KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
Uber Freight Is the First Step to Automating Away Truckers

ウーバー新サービスはトラック輸送業界の終わりの始まりか

トラック運転手に仕事を仲介するウーバーの新サービスは、将来、自律運転トラックを普及させるための第一歩となる。 by Jamie Condliffe2017.06.01

トラックで荷物を全米中に送りたいなら、アプリを使えばいい。

ウーバーが待望の配車サービスのトラック運送版をついに発表した。ウーバー・フレイト(Uber Freight)は都会で乗客がタクシーを探すのと同じように、運送業者と仕事を求めるトラック運転手とを仲介するサービスだ。

以前からある配車サービスと同じく、ウーバー・フレイトを使えば従来のような手間がなくなるという。ウーバーは新サービスを発表するブログ記事で、 トラック運転手は検索して数回ボタンを押すだけで、簡単に仕事を見つけられるようになると謳っている。従来は「数時間かけて何度も電話をかけて」仕事を探す必要があった。

これまで運転手は自分で価格交渉しなければならなかったが、ウーバー・フレイトの料金はウーバーが決める。もちろん変動料金が採用される。運転手が間違いなくうれしいのは、ウーバー・フレイトを利用すると、以前なら30日以上かかっていた入金が7日以内に早まることだ。しかし、ウーバーで働いて稼げる報酬額に運転手が満足するかどうかはまだわからない。ウーバーの配車ビジネスでの実績を基準にして考えると、トラブルが起きるかもしれない

話はここで終わりではない。ウーバーが運送業に進出したのは、2016年夏に自律トラック企業オットー(Otto)を買収した後のことだった。自律トラック業界は急速に成熟産業となりつつある。オットーのトラックは、ウーバーやウェイモ(Waymo)がロボット運転タクシー用に開発している自律自動車向けと同様のテクノロジーを利用するが、トラックの場合は高速道路の走行だけで事足りる面もある。高速道路の自律走行は、街中の走行よりはるかに簡単なのだ。

オットーが初めて荷物を配送したのは、昨年のことだった(州間高速道路25号線上で約193キロの短距離を走り、バドワイザーを2000ケース運んだ)。MITテクノロジーレビューは、自動運転トラックを2017年版世界を変えるテクノロジー10の1つに選んでいる。自動運転トラックは自律自動車より広く普及することが見込まれるからだ。

現時点では、ウーバー・フレイトは迅速で価格競争力の高い輸送業務を実施するための、仲介作業に追われるだろう。配車サービスのウーバーが都市住民にとってとってかけがえのないものになったように、運送業務についても常にウーバーに頼んでもらえるようにするためだ。しかし、トラック輸送のネットワークが確立して、オットーのロボットが完成してしまうと、大型トレーラーを運転する人間がウーバーにあっさり切られても気が付く人などいるだろうか? 全米中の道路を走るトラック運転手はおよそ170万人と見込まれるが、彼らを除けば誰も気にはしないだろう。

(関連記事:Uber Freight, “ブレークスルー・テクノロジー:自動運転トラック,” “自律トレーラーが乗用車より早く実用化されれば、雇用への影響は甚大だ,” “トラック業界に襲いかかるウーバー流変動料金”)

人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
タグ
クレジット Image courtesy of Uber Freight
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る