KADOKAWA Technology Review
×
コネクティビティ 無料会員限定
How a Digital Technology Might Speed Up Construction Projects

MSのHoloLens
建設業界にイノベーション

マイクロソフトのHoloLensを使って、建設業界が作業を確認し、高額の出費を抑えようとしている。 by Elizabeth Woyke2016.08.10

米国の建設会社ギルベイン建設(本社ロードアイランド州)の社員は、紙を使わず、コンピューターやiPadで設計図やデジタル模型を表示し、仕事をしている。さらにギルベインのジョン・マイヤーズ部長は、現在マイクロソフトの拡張現実コンピューターHoloLensを頭に装着し、図面の詳細部まで見るようになった。

最近、マイヤーズ部長がHoloLensを着けて建築計画の完成予想を確認したとき、建物の壁を支える注文予定の鉄骨が長すぎて設計に合っていないことを発見した。事前に問題点を発見できたので、ギルベインはすぐに材料メーカーに工場で短くするよう指示できた。おかげで、現場の作業員は長すぎる鉄骨が届いて現場でたくさんの工程を調整せずに済んだのだ。マイヤーズ部長は、ギルベインは約5000ドルの作業費を節約できたと試算している。

建設業は、最も自動化しにくい業界のひとつで、自動化には長い時間がかかる。しかし、拡張現実によって自動化の進行が早まるかもしれない。ユーザーの視界にホログラフィー像を投影するHoloLensなどのツールによって、計画の予算超過や工期の遅れを大幅に減らし、10兆ドル産業の効率を高めるかもしれない。ギルベインは、HoloLensの初期試用者の1社で、エンジニアリング会社のAECOM、設計建築会社のゲンスラーと中国建築国際集団(チャイナステートコンストラクション)も、HoloLensを実験的に使うと発表した。

ギルベインによれば、6月中旬に届いた3000ドルのHoloLensは、すでにその真価を発揮している。ギルベインがボストンに建設中の7000万ドル、約11150平方メートルのディアボーンSTEMアカデミーの実物大3Dモデルの確認中、マイヤーズ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
生成AI革命

自然な文章を生成するチャットGPT(ChatGPT)/GPT-4などの大規模言語モデル、テキストから画像を生成できるDALL·E 、Stable Diffusion、Midjourneyなどの拡散モデルの登場は、私たちの生活やビジネスを大きく変えようとしている。
人工知能(AI)の新時代を牽引する「生成AI(ジェネレーティブAI)」革命の最前線を追う。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る