KADOKAWA Technology Review
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Prepare to be Underwhelmed by 2021’s Autonomous Cars

完全ガッカリな自動運転
実用化でも晴れの日専用?

フォードやウーバー、BMWまで完全自律型自動車を5年以内に実現すると約束したが、5年後に登場するのは、限定された状況で完全に自律的な自動車になる可能性が高い。 by Tom Simonite2016.08.24

BMWやフォード、ウーバーが2021年に「完全自律型」自動車を公道で走行させる計画があるといっせいに発表した(「完全自律型自動車 2021年に販売開始」参照)。「完全」な自律自動車にはハンドルがなく、フォードは、ロボット運転タクシーサービスを提供できると説明している。

しかし、2021年に運転免許証が無用になるわけではない。研究者は、人間の指示なしにあらゆる場所で移動可能な運転能力のある車の開発に「5年」では足りない、という。フォードなどのメーカーは、狭い範囲の自動運転で把握しやすい範囲に限定された車種を少しカタログに載せて、目標を達成することになる、と研究者は予想する。

A Volvo SUV with automated driving technology developed by Uber.
ウーバーが開発した自動運転テクノロジーを搭載するボルボのSUV

「おそらく、2021年の大目標達成のためにフォードがすることは、特定の道路に限定した、低速度で、雨が降っていると来ないようなタクシーサービスではないでしょうか」と20年以上自動運転を研究しているカリフォルニア大学バークレー校のスティーヴン・シュラドヴァー研究員はいう。

多くの報道機関や一般ユーザーは、フォードなどの発表を拡大解釈しており、各社がいうほど「完全自律型」は具体的になっていないとシュラドヴァー研究員はいう。都市部でも田舎道でも、あるいは北米大陸を横断するような場合でも、行きたい場所にはどこへでも車が自動で運転してくれるという夢の実現はまだ遠いとシュラドヴァー研究員はいう。

「5年では無理でしょう。この誇大な宣伝は、全く現実的ではありません」

プリンストン大学で運輸系プログラムの責任者を務めるアラン・コーンハウザー教授も、2021年の自動運転車は非常に限定的だと予想する。

「その時までに、ある場所を『フェンスで囲んで』制限するなら、ドライバーがいなくても実際に車を走らせてもいいでしょう。フェンスで囲んだ場所を拡大し、利益を生むサービスを提供できるかが問題なのです」

アルファベット(グーグルの親会社)の自動運転車プロジェクトの技師長は、5月に開催したMIT Technology ReviewのEmTech Digitalカンファレンスで、自動運転自動車は、特定の都市の小さな地域で運用されるだろうといった。ただし、「限定」が何を意味し、その範囲をどのくらいの早さで拡大できるのかは詳しく言わなかった。

シュラドヴァー研究員やコーンハウザー教授が、2021年のロボット運転車は、一部の人が思っているよりも限定的だと考える主な理由は、ソフトウェアが環境を把握することの難しさだ。

コンピューターは、人よりも反応速度が非常に速く、自動運転車のセンサーは多くの方向を同時に把握できる。しかし、ソフトウェアは「見ている」物の解釈(道路にいる交通警察官の身振りなど、対象と状況を特定し理解すること)については、人間にだいぶ劣る。異常事態が起きたとき、上手に対処する方法を組み立てられるソフトウェアは存在しない。

南カリフォルニア大学のジェフリー・ミラー准教授は、自動車が確実に自律運転できるよう、センサーが状況を限定する方法を解決することが、自律運転を開発する企業にとって最も重大な課題だという。

2016年前半に起きた、テスラの「オートパイロット」機能でドライバーが亡くなった事故は、この問題を端的に示している、とミラー准教授はいう。テスラは、自動車のセンサーがトラックの側面を検知できず衝突した、と発表している。

現実の世界と道路は複雑であり、多くの試験を通じて、自律運転テクノロジーが信頼できる状態になるように必要なあらゆる事態を想定しなければならないとミラー准教授はいう。

天候も自律自動車には課題だ。たとえば、多くの試作車が3Dで状況を把握するために利用しているレーザー型ライダーセンサーにとって、雨や雪、ひょうは性能が劣化する原因である。

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MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

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