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ブレークスルー・
テクノロジー10
2018年版発表にあたって
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ブレークスルー・
テクノロジー10
2018年版発表にあたって

MITテクノロジーレビューは「2018年版ブレークスルー・テクノロジー10」を発表した。17回目となる今年のポイントを米国版編集長のギデオン・リッチフィールドが解説する。 by Gideon Lichfield2018.03.19

MITテクノロジーレビューは、「ブレークスルー・テクノロジー10」として毎年、世界を変える10のテクノロジーを紹介している。注目するテクノロジーを網羅的に取り上げようとしているが、ここ数年間を振り返ってみて顕著なのが、人工知能(AI)の進歩だ。

2008年、機械学習の一形態「驚きのモデル化(Modeling Surprise)」を紹介した。その後、「AIアシスタント(Intelligent Software Assistant、2009)」「深層学習(2013)」「ニューロモーフィック・チップ(Neuromorphic Chips、2014)」「会話型インターフェイス(Conversational Interfaces、2016)」「教え合うロボット(Robots That Teach Each Other、2016)」「自動運転トラック(2017)」「強化学習(2017)」が続いている。

学習するアルゴリズムは何十年も前から存在するのに、なぜ突然開花したのか。よりよいアルゴリズムはもちろんだが、大部分は、写真から医療統計情報、オンライン・ショッピングの行動データに至るまで、学習に利用できるデータ量が爆発的に増加したこと、大量のデータをうまく処理できる新しいチップのおかげだ。

2018年のブレークスルー・テクノロジー10にもまた、2つのAI関連技術がエントリーしている。1つはGAN(Generative Adversarial Networks)とも呼ばれる競争式生成ネットワークだ。GANは進化的軍拡競争のように互いが対抗するAIで、ときとして学習スピードを桁違いに速める。もう1つは、クラウドベースのAIだ。深層学習アルゴリズムをいたるところで、ブログ・ソフトウェアのように簡単に利用できるようにする。

これら2つの革新的な技術を組み合わせることで、はるかに多くの人に、はるかに多くのAIのパワーを届けられる。だが、優れたテクノロジーには常に良い面だけでなく悪い面もある。科学研究が進歩し、経済的生産性が加速度的に高まることが約束されている一方、本物そっくりのねつ造画像や映像を多くの人が作れるようになり、真実と嘘を区別する社会的な能力がさらに低下する可能性もある。MITテクノロジーレビューのサンフランシスコ支局長であるマーティン・ジャイルズが書いているとおり、GANの発明者であるイアン・グッドフェロー博士は自身の発明が悪用される可能性の防止に積極的に取り組む、稀な科学者だ。

2018年のブレークスルー・テクノロジー10には、ほかにも善悪の2つの側面を持つテクノロジーがある。生物医学担当アントニオ・レガラード上級編集者の記事にあるように、いまや遺伝学は単独の遺伝子だけでなく数千もの遺伝子が関わる心臓病やアルツハイマー病などにかかるリスクの高い人を特定できるようになっている。だが一方で、背の高さやIQといった形質も予測できるようになる。そういった知識を何に利用するのか? 人工胚は、医学研究者がヒトが誕生する段階の研究には役立つが、非倫理的とされるのはどの段階なのか? アルファベット(グーグル)のサイドウォーク・ラボは、トロント近郊の地区をスマート・シティの実験所にして、街のあらゆる場所にセンサーを設置し、住民のすべての動きに関するデータを取り込む計画を立てている。ビジネス担当編集者のエリザベス・ウォイキは、この実験は公共の利益ためにビッグ・データを利用する輝かしい例となるのか、あるいはプライバシーにとっての悪夢となるのか、どちらなのかと問うている。

幸運なことに、2018年版のブレークスルー・テクノロジー10で取り上げたテクノロジーのすべてがこのような倫理的な問題を抱えているわけではない。二酸化炭素を排出しない天然ガス発電所、金属用3Dプリンター、一部に熱狂的なファンを持つ名作『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる万能翻訳魚「バベル・フィッシュ」のように耳にそっとささやいてくれる同時通訳デバイスなど、ここで説明した以外のテクノロジーも取り上げている。17回目となるブレークスルー・テクノロジー10を楽しんでもらいたい。

2018年版ブレークスルー・テクノロジー10

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ギデオン・リッチフィールド [Gideon Lichfield]米国版 編集長
I’m MIT Technology Review’s editor in chief. Science and technology were my first love and my first beat as a journalist, but for nearly two decades my career took me elsewhere—covering Latin America, the former Soviet Union, and Israel/Palestine for the Economist, followed by a turn into digital media in New York, where I helped launch Quartz, a business-news outlet for the 21st century. Having seen my share of the world’s dysfunction, I’m endlessly curious about how we can use technology to make things better and why we sometimes end up using it to make things worse. My mission is for MIT Technology Review to be the leading voice exploring emerging technology, its impacts, and how the human choices that determine those impacts get made.
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