リリー・ツァイは、通常のTシャツの厚さで寒さや暑さを解消できる、ナノ素材ベースの生地を生み出した。
ツァイの研究は、人間の肌が特定波長の赤外線を強く放出している現象を利用している。ツァイはその赤外線を生地でブロック、もしくは伝播方法を調節することで、さまざまな温度効果をもたらす素材を複数生み出した。
体を温める用途としては、通気性を保ちながら熱放射損失を最小化できる、金属化ポリエチレン素材が生み出された。通常の素材に比べて、約7°Cの暖かさを維持することができる。直射日光の下では、新たなナノ複合材料である冷却生地によって、体を10 °C以上冷やすことができる。
ツァイは、それらの素材をできる限り普通の服のように見せることが重要だと考えている。以前の放射冷却素材は白色しか実現できなかったが、ツァイは2019年にさまざまな色で生産する方法を考え出した。ツァイの最終目標は、外が寒い場合は暖かく感じ、暑い場合は涼しく感じる、適応性のある単一の素材を生み出すことだ。
気候変動により、天候や気温のパターンが世界的に変化する中、人類は建物の温度調節にさらに多くのエネルギーを費やすことになる。ツァイの素材を大規模に安く生産できる方法が開発できれば、冷暖房のコスト削減につながる代替案が示されるだろう。
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