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Quantum supremacy

量子超越性

YOSHI SODEOKA グーグルは、量子コンピューターが古典的なコンピューターを凌駕することを初めて明確に証明した。 量子超越性 ・なぜ重要か 最終的に、量子コンピューターが、古典的なコンピューターでは解決できない問 … 実現時期: 5~10年以上 by MIT Technology Review Editors2020.06.29

YOSHI SODEOKA

グーグルは、量子コンピューターが古典的なコンピューターを凌駕することを初めて明確に証明した。

量子超越性

・なぜ重要か
最終的に、量子コンピューターが、古典的なコンピューターでは解決できない問題を解決できるようになるだろう。
・キー・プレーヤー
グーグル、IBM、マイクロソフト、リゲッティ(Rigetti)、Dウェーブ(D-Wave)、イオンQ(IonQ)、ザパタ・コンピューティング(Zapata Computing)、クォンタム・サーキッツ(Quantum Circuits)
・実現時期
5~10年以上

 

量子コンピューターは、私たちが慣れ親しんだものとは全く異なる方法でデータを保存し処理する。理論的には、現在の暗号コードの解読や、新しい医薬品や材料の発見に役立つ分子の正確な挙動シミュレーションなど、想像できる最も強力な古典的スーパーコンピューターでさえ、解決に数千年もかかるような問題に取り組める。

量子コンピューターは数年前から運用されているが、古典的なコンピューターを凌駕するのは、ある特定の条件下にあるときだけだ。2019年10月、グーグルは世界で初めて、「量子超越性(quantum supremacy)」を実証したと発表した。グーグルの計算によれば、53キュービット(量子計算の基本単位)を搭載したコンピューターは、世界最大のスーパーコンピューターが1万年を要すると思われる計算を、15億倍の3分強で解いた。IBMはスピードアップはせいぜい1千倍だと、グーグルの主張を批判した。とはいえ、これは画期的なことだった。そして1キュービットごとに、量子コンピューターの速さは2倍になるという。

だが、グーグルのデモは厳密には概念実証であり、電卓で任意の合計値を計算して、答えが正しいことを示すようなものだった。現在の目標は、有用な問題を解決するのに十分なキュービットを搭載した量子コンピューターを作ることだ。だが、これは極めて困難な課題だ。キュービット数が大きくなると、量子状態を維持するのが難しくなるからだ。グーグルの技術者は、現在の手法では、100から1000キュービットの間のどこかに到達できると考えている。この数値ならば何か有用なことに利用できるかもしれないが、まだ確信は持てないという。

そして、その先はどうなるのだろうか。現在の暗号を解読するには数百万キュービットが必要で、実現にはおそらく数十年はかかるだろう。だが、分子モデルを設計するコンピューターはもっと簡単に作れるはずだ。

(ギデオン・リッチフィールド)

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MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors]米国版 編集部
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