KADOKAWA Technology Review
×
オーストラリア山火事、100カ国分の二酸化炭素が排出される悪循環
NASA Earth Observatory images by Lauren Dauphin, using Landsat data from the U.S. Geological Survey.
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Australia’s fires have pumped out more emissions than 100 nations combined

オーストラリア山火事、100カ国分の二酸化炭素が排出される悪循環

オーストラリアの東海岸で発生している大規模な山火事は、依然として衰える兆しを見せない。山火事によってすでに約4億トンの二酸化炭素が大気中に排出されており、山火事を悪化させている気候変動をさらに推し進める悪循環に陥っている。 by James Temple2020.01.14

オーストラリアの東海岸で猛威を振るう山火事は、すでに約4億トンの二酸化炭素を大気中に排出しており、山火事を悪化させる原因となっている気候変動にさらに拍車をかける事態となっている。

この量は、二酸化炭素の低排出国116カ国の年間総排出量を合計した数字を上回り、2018年にカリフォルニアで発生した過去最大規模の山火事で排出された量の9倍にあたる。つまり、2019年のオーストラリアの温室効果ガス排出量(相殺後)の約4分の3を追加することになる。

それでもなお現時点において、この4億トンという量は、オーストラリア全土で前例のない数字ではない。オーストラリアでは夏に山火事がしばしば発生し、火災の期間が長期化する傾向にあり、「火災の危険度が非常に高い」日数が増加している。

欧州連合(EU)のコペルニクス大気監視サービス(Copernicus Atmosphere Monitoring Service.)によると、2011年と2012年の9月から翌年1月上旬にかけて …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る