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【トランプ政権の100日】救われない炭鉱労働者
持続可能エネルギー Here’s Why Trump’s Plan to Save the Coal Industry Is Doomed

【トランプ政権の100日】救われない炭鉱労働者

トランプ大統領は、米国の石炭産業の衰退をオバマ政権が定めた余計な規制のせいだと選挙戦で訴えた。しかし、コロンビア大学の研究チームによれば、大半の理由は低価格で供給される天然ガスだとわかった。 by Jamie Condliffe2017.04.28

石炭産業を復活させようとするドナルド・トランプ大統領の政策的努力が成功する見込みはない。

もちろんMIT Technology Reviewはかなり長い間、そのことを議論してきた。しかし、コロンビア大学の新しい報告書によれば、従来の規制は石炭産業の衰退にわずかの影響しか与えておらず、論題により重みを加えている。

気付いていないかもしれない。石炭は最近、急激に落ち込んでいる。米国では2011年から2016年にかけて、使用量が30%減少した。急落の原因を説明する新しい分析は興味深い解釈につながる。コロンビア大学の研究チームによれば、石炭衰退の理由の大半は、天然ガス価格が手頃なことであり、26%は電力需要の減少、18%は再生可能エネルギーが勢いを増しているからだという。

トランプ政権は、オバマ大統領が石炭の燃焼に不必要な負担をかける規則を導入したと熱心に主張している。今回の調査では、オバマ政権で導入された、石炭産業を衰退させたはずの10の規制(有名なクリーン・パワー・プランから、あまり知られていない工場廃液ガイドラインまで )を検討した。しかし、こうした規制は石炭使用量減少のわずか3.5%を説明するにすぎないことがわかった。しかもこの数字は、10の規制すべてが、業界に付加的な影響を及ぼすと仮定した上限の見積もりだ。

トランプ政権の戦略は、オバマ政権が定めた規制の取り消しを意図する大統領令に署名することだった。コロンビア大学の研究チームによる予測モデルによれば、大統領令を実行しても、化石燃料の中でも最も汚染力の高い石炭の運命を変えるには十分ではないことを示している。研究チームの計算では、トランプ大統領が期待できるのは、石炭の消費量が2013年レベルに戻すのがせいぜいで、天然ガスの低価格が続き、再生可能エネルギーが上手く発展し続ければ、石炭がさらに衰退する可能性が示されている。

いずれにせよ、以前の炭鉱労働者すべてに懸命に働いてもらうには、決して十分ではない。

(関連記事:Can Coal Make a Comeback?, “トランプ政権は、炭鉱労働者の希望と地球の未来を粉砕する,” “トランプ政権、気候変動対策の主導国を中国に譲渡,” “石炭火力発電所の新設数が減少、地球温暖化は止められる?”)

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クレジットPhotograph by Nicholas Kamm | Getty
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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