KADOKAWA Technology Review
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コネクティビティ With a Little AI, Apple Watch May Be Able to Spot a Heart Problem

アップル・ウォッチ、機械学習で医療機器に?

医療機器ではないアップル・ウォッチでも、機械学習によって心房細動を検知できるという研究結果が公表された。被験者はまだ少なく、計測中はじっとしていなければならないなど、克服すべき課題は少なくない。 by Michael Reilly2017.05.13

アップル・ウォッチは医療機器ではない。確かに、心拍数の大きな変化を検知し、どれくらい運動をしたのかをかなり正確に教えてくれるが、それ以上の目的に使うには少々能力不足だといえる。

だからこそ、5月11日に発表されたある研究結果が、アップル・ウォッチの測定値が心房細動の発見に実際に役立つと示唆したことは興味深い。心房細動は不整脈の一種で、心臓モニターがなければ発生に気づくのは極めて難しい。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のグレッグ・マーカス教授と研究者グループ、スタートアップ企業のカディオグラム(Cardiogram)は、人工知能(AI)ソフトウェアを使って、アップル・ウォッチのデータから情報を引き出した。

実験のため、研究者グループはある条件を満たす166人からデータを集めた。条件とは、アップル・ウォッチを身につけること、心房細動を患っていること、米国食品医薬品局(FDA)が認可したアイフォーンと接続して使う心電図(EKG)機器「アライブコー(AliveCor)」を所持していることだ。アライブコーはアップル・ウォッチに着用できる時計バンドも開発中だが、まだFDAの認可は得ていない。

被験者は、心房細動の発生を正確に把握できるEKGと、アップル・ウォッチの2種類のデータを同時に送り出すことになる。研究チームは、機械学習アルゴリズムがこの2つのデータで学習することで、あまり緻密ではないアップル・ウォッチのデータから心房細動を見分ける方法をアルゴリズム自身が学習できると結論づけた。50人分のデータを読み取る実験で裏付けられたと言ってもいいだろう。アルゴリズムは97%の正確さで心房細動を検知できたのだ。

確かに心強い結果ではあるが、成功したと確信するには被験者数が少なすぎる。それにアルゴリズムの実装を思いとどまらせる、いくつかの条件もある。たとえば、被験者は記録を取っているときにじっとしていなければならない。被験者が動くことでアップル・ウォッチの計測が不正確になることがある、とアップルが述べているからだ。

バズフィード(BuzzFeed)によると、カディオグラムはベンチャー・キャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)などから200万ドルの資金調達をしたとされるが、問題が山積する分野に進出しようとしている。血圧管理のスタートアップ企業、カンタス(Quanttus)の関係者に尋ねてみるといい。カンタスは手首装着型装置から正確な生体情報を読み取るのがいかに難しいか、身に染みて分かっているはずだ。

競争もある。アルファベット(グーグル)のヘルスケア系企業、ベリリ(Verily)はEKGのような機能も備えた「心拍数と活動モニター(Cardiac and Activity Monitor)」を開発している。ベリリが実施してる大規模な健康調査の一環で、昨年、実物を目にしたときには、一般消費者向けというよりはもっぱら追跡調査のために開発されたように感じた。見た目も簡素で、電池が長持ちするように電子インク・ディスプレイを使い、アップル製品より伸縮性があるので長時間装着できる。結局のところ、アップル製品は単なるガジェットなのだから当然だろう。

(関連記事:BuzzFeed News, “Health-Tracking Startup Fails to Deliver on Its Ambitions,” “The Apple Watch May Be About to Get a Medical-Grade Add-On,” “アルファベットのヘルスウォッチを見た”)

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クレジット Photograph by Drew Angerer | Getty
マイケル レイリー [Michael Reilly]米国版 ニュース・解説担当級上級編集者
マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
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