地球温暖化が危険なレベルに達するのを防ぐために、二酸化炭素の除去はもはや必須となりつつある。だが、二酸化炭素の除去に頼りすぎると、本来なすべき二酸化炭素の排出量削減に悪影響を及ぼしかねない。
米国最高裁判所は6月30日、二酸化炭素排出量を規制する米国環境保護庁の権限を、大きく制限する判決を出した。気候変動が進む中で、米国の気候政策が後退する可能性がある。
電気自動車(EV)は主流になりつつあるように見えるが、充電する場所はどれくらいあるのだろうか。EVユーザーの需要を満たすだけの台数が、必要な場所にあるのだろうか。
暗号通貨の採掘(マイニング)は地域社会に大きな影響を与えている。採掘業者は電気代が低い地域を狙って進出し、大量のサーバーを稼働させることで暗号通貨を採掘し続ける。暗号通貨採掘業者に翻弄された人口3万人の米国の小さな町を訪れた。
地球温暖化の進行を遅らせるために、二酸化炭素を大量に吸収する農作物を作り出そうとする研究が始まった。遺伝子編集ツールのCRISPR(クリスパー)を使って光合成を微調整して植物の成長を早めたり、根系を大きく深くしたりするのだ。
航空業界が排出する温室効果ガスは世界全体の排出量のおよそ3%を占めている。パリ協定の目標を達成するには、航空業界にも相当の努力が必要だ。目標を達成するには、研究段階の新燃料に大きく頼らなければならない。
米国のスタートアップ企業「ソリッド・パワー」は、全固体電池のパイロット生産ラインを立ち上げた。実現すれば、エネルギー密度を倍近くまで高めることができ、電気自動車の航続距離を大幅に伸ばせる可能性があるという。
新興企業のチャーム・インダストリアルは、収穫を終えたトウモロコシの葉や茎からバイオ燃料油を作り、地下に埋めることで、これまでに数千トン相当の二酸化炭素を隔離したという。大胆なアプローチだが、信頼性、スケーラビリティ、採算性がどの程度になるのか、現時点では明確になっていない。
チャーム・インダストリアルは、バイオ燃料油から得た合成ガスを使うことで、製鉄業界の二酸化炭素排出量を大幅に削減できると考えている。しかし、それを実現させるには越えなければならない大きな壁がいくつかある。
現在主流のシリコンに変わる次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイトには、まだ安定性や耐久性に課題がある。市場にインパクトを与えるのは当分先となりそうだ。
プロメテウス・フェエルは、大気中の二酸化炭素を回収して化石燃料に代わる安価な燃料を作れるとアピールしている。しかし、当初の予定は遅れ、まだ燃料を出荷できていない。近い将来、実現する日はやってくるのだろうか。
イタリアのスタートアップ企業は、二酸化炭素を利用してエネルギーを貯蔵する実証プラントを立ち上げている。どこにでも設置できる安価なエネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーの新しい可能性を切り開くかもしれない。
4月下旬、インドは猛烈な熱波に襲われ、最高気温を更新している。一部の州では最高気温が43℃に達しており、冷房を利用できない人にとっては命取りになりかねない事態だ。
ユナイテッド航空は、人工微生物を使ってジェット燃料を生産するスタートアップに出資している。微生物を使った燃料作りは以前にも盛り上がったが、商業的には失敗に終わった。遺伝子工学の進歩により、今回は成功するかもしれない。
「二酸化炭素の除去」を手掛けるスタートアップ企業に特化した投資ファンドが米国で立ち上がった。同分野にはマイクロソフトやアルファベットなども資金を投じており、新分野への関心が急速に高まっていることを示している。
MIT教授らが創業した蓄電池スタートアップ企業「ポリジュール(PolyJoule)」が第一弾の製品を発表した。比較的安価に製造でき、安全性に優れているといい、送電網用蓄電池としての普及を目指す。
核融合による発電は、物理学者やエンジニアの長年の夢となっている。2021年9月、コストのかからない小型核融合炉を開発するために必要な、大きな工学的成果が得られた。
安価で長持ちする鉄系電池は、再生可能エネルギーで発電した電力の供給を安定化し、使用を拡大するのに役立つ可能性がある。
大気中の二酸化炭素を捕捉する大規模なプラントは、危険なレベルの地球温暖化を回避するのに役立つと同時に、新しい産業の創出に貢献するだろう。
近年、気候変動による干ばつが原因で、カリフォルニア州で水力発電による発電量が減少している。不足した発電量は天然ガスによる火力発電で補われているため、温室効果ガス排出量の増加につながっている。
2℃の気温上昇を防ぐためには、温室効果ガスの大幅な排出削減だけではもはや間に合わない。二酸化炭素の除去も必要不可欠だと国連の最新報告書は指摘する。
地球の表面の7割を占める海を使って地球温暖化の問題を解決しようとする動きがある。その1つが、海水に鉱物を砕いて混ぜ込むことで、二酸化炭素をより多く吸収させる試みだ。だが、大きな効果を得ることは難しい可能性がこのほど指摘された。
米国の主要な石油生産拠点周辺での新たな大気測定によると、従来の予測値を大幅に上回る大量の温室効果ガスが2018年から2020年にかけて排出されていたことが分かった。
超伝導材料を使った強力な磁石を開発したMIT発スタートアップ企業コモンウェルスは、実用的な核融合炉を2025年までに稼働できると考えている。だが、依然として課題も多い。
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍は電力供給施設を標的にしている。ウクライナは国内の主要発電所が稼働停止した場合でも電力の供給を続けられるよう、EUとの送電網統合を急速に進めたい考えだ。