KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
起業家
35歳未満のイノベーター[日本版] 2021起業家
先進的なテクノロジーによって新しいビジネスを創造し、古いやり方を覆す。

Katsuhiro Yoneshige 米重克洋 (33)

所属: JX通信社

報道の世界にテクノロジーを持ち込み、さまざまなデータを核として正確なニュースをすばやく提供する仕組みを構築。

近年、報道機関を取り巻く状況は厳しい。紙媒体の購読者数は減少に歯止めがかからず、有料のWebニュースに取り組むも、購読者数は伸びない。一方でネット上ではフェイクニュースの氾濫という大きな問題があるにもかかわらず、既存の報道機関には問題に取り組む力が残っていない。

報道の世界にテクノロジーを持ち込んで、客観的なニュースをすばやく届けようとしているのが、米重克洋率いるJX通信社だ。同社が開発したサービス「ファストアラート(FASTALERT)」は、ソーシャルネットワークなどのデータをAIが解析して、災害や事件、事故などのリスク情報をすばやく検知・配信する。現在では全国の報道機関のおよそ9割が利用しているという。

新型コロナウイルスのパンデミック発生後は、全国の感染者数などの統計を集計して提供するサービスも始めた。感染者数などのデータは全国の自治体がそれぞれ各自で発表するため、データの収集と集計には手間と時間がかかる。そこで、各自治体の発表を自動的に収集し、データを集計するサービスを開始。報道各社だけでなく、ヤフー、LINE、スマートニュースなどのニュース・アグリゲーターでも採用するに至った。

さらに、全国各地のワクチン接種時期をAIで予測するサービスや、全国の企業や自治体が発表する感染発生場所のデータを独自に集めて分析し、感染が都心部から郊外に拡大していく傾向を明らかにするなど、データとAIを活用した新しい報道の形を作り上げようとしている。

(笹田仁)

人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る