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あなたが大統領選のデマ拡散者になるのを防ぐ7つのアドバイス
AP Photo/Jon Elswick, File
How to avoid sharing bad information about the election

あなたが大統領選のデマ拡散者になるのを防ぐ7つのアドバイス

今回の大統領選挙をめぐっては、かつてないほどの量のデマや誤情報がネットに流され、人々に害をおよぼしている。こうしたネット上の危険から身を守り、激動の選挙週間を乗り切るためには、どのように過ごしたらよいだろうか。 by Abby Ohlheiser2020.11.07

選挙当日のデマには2つの大きな目的があり、どちらに重点がおかれるかは、当日の流れによって変わってくる。誤情報はまず、有権者を投票所から遠ざけようとする。次に、選挙結果の完全性を損なわせようとする。専門家やレポーターは、ネット上に大量に流れ出る投票関係の噂を追跡・検証し、ご情報を暴こうとする。そうした中で、善意からタイムラインを更新しようとする人々は、情報の真実性や文脈を把握するよりも前に、慌ただしく行き交う不審な動画や主張、急報などを目の当たりにするはずだ。

「Qアノン(QAnon)」に代表される大規模で執拗な陰謀論は米国の右翼と強く結びついてきたが、誤情報を共有しやすいという弱点は誰もが持っている。危機時や緊急時には、普段ならもっと分別のある人でさえ誤情報に煽られてしまう場合がある。

地方の選挙管理人は、大量の誤情報にすでに押しつぶされそうになっている。トランプ大統領は郵便投票の正当性を疑問視する発言を繰り返しており、「民主党が仕組んだクーデター」という陰謀に満ちた主張を提示する筋書きを広めようとしている。郵便投票が選挙結果を左右する可能性のある州で集計がすべて終わる前に勝利宣言をしてしまうといった事態も起こり得る(日本版注:トランプ大統領は実際に、4日未明に勝利宣言をした)。結果確定まで不確実な状態が長引くかもしれないという思いから、人々の間には、有権者が投票所に出かけたがらないのではないかというものから、暴力が発生するのではないかというものまで、さまざまな懸念が広がっている。

それでは、すべてが最悪で緊急だと感じたときに、悪い情報を共有してしまう罠に陥らないようにするには、どうすればよいだろうか。ここでは、誤情報から身を守る目的でMITテクノロジレビューが以前に作った指針に新たに編集を加えた、選挙に特化したアドバイスをいくつかご紹介する。

あなたの監視の目は重要だ:シラキュース大学でコミュニケーションと修辞学の助教授を務めるホイットニー・フィリップスによると、「自分はインフルエンサーでも政治家でもジャーナリストでもないから、自分が(オンラインで)することは重要ではないと考えている人が多い」という。だがそれは間違いだ。あなたの行動は重要なのだ。ネット上のくだらない怪しげな情報を友人や家族などの身内に共有するだけでも、何かが引っかかりやすくなる。これに常連ユーザーが加わって、注目を集めるように加工したものを拡散し始めれば、ツイッターでトレンド入りする可能性がある。そんなわけだから、自分をもっと信用してほしい。

あなたの関わり合いも重要だ:緊急かつ状況がまだ進展中のニュースが伝えられている最中には、善意のある人々が、ソーシャルメディア上の投稿を引用したり、ツイートしたり、共有したり、その他の何らかの手段で関わってきて、異議を唱えたり非難したりするかもしれない。ツイッターやフェイスブックといった企業は、新たなルール、モデレーション戦術、ファクトチェックの規定などを大量に導入して、人気のある誤情報に対抗しようとしている。だが、ソーシャルメディア上の誤情報とほんの少しでもやりとりすること自体、あなたが影響を最小限に抑えようとしているコンテンツを逆に拡散させてしまうことになるかもしれない。あなたがやり取りしているコンテンツは興味深いものであるとの合図がプラットフォームに送られてしまうからである。

選挙当日に拡散されるだろうと専門家が予想している情報の多くは、興味深いけれども虚偽のものであるだろう。誤情報の目的は「感情を呼び起こすこと」なのだと、「インターネット上の女性に対する暴力を根絶しよう(Stop Online Violence Against Women)」のサイトを創設したシリーン・ミッチェルは言う。ミッチェルは、誤情報がいかにネット上で黒人コミュニティを標的にして害を及ぼすかについて長年研究してきた。「情報が感情を呼び起こしたら、すぐに一時停止ボタンを押さなければなりません」と語る。

信頼できる情報源や文脈を事前に特定しておく(そして共有しておく!):英国に拠点を置く検証アプリ・サイト「ロジカリー(Logically)」の創設者であるリリック・ジェインは、情報の広がる景観において「自分の北極星がどこにあるか」を知っておくのは有効だと述べている。つまり、「ほとんどの場合で、多かれ少なかれ信頼のおける組織や出版社はどこか」を把握しておくといいという。

他の人を助けることも忘れてはならない。

「今すぐにでも、起こり得ることについて、良い情報を広めてください。今すぐにです。起こりそうなことは分かっています」と、デジタルリテラシーの専門家であるマイク・コーフィールドは語る。例えば、票の集計方法は州によって異なり、そのため最終結果が確定するまでに時間がかかるであろうことは分かっている。選挙当日に「こうした出来事をスピン報道する人々がいても、あなたのネットワークの人たちは『ああ、ジルがこれについて何か共有していたわよね』と言えるのです」。

自分なりにリサーチしよう、でも注意深くやろう: ネット上で目にしたものは自分で調べろと人々に言う際には用心する必要がある。それは、世の中には罠がたくさん用意されており、真実を求める人たちを待ち受けているからだ。大事なのは自分で調べることだけではない。うまく調べること、孤立した情報の破片を文脈化する方法を学ぶこと、そして信頼性のない情報源を信頼しないことが大事なのだ。グーグルの検索エンジンに最適化されている信頼できない情報源を信頼してはいけない。

誤情報に対処するためのコーフィールドの方法は、各ステップの頭文字を取って「SIFT 」と呼ばれているので、それを覚えておくと便利だ。「S」は「Stop.(ちょっと待って)」のS。「I」は「Investigate the source.(情報源を調べろ)」のI。「F」は「Find better coverage. (もっと良く取材されている報道を見つけろ)」のF。そして「T」は「Trace claims, quotes, and media to the original context.(主張や引用やメディアを元の文脈まで辿れ)」のTである。

「その場ではすぐに確認できないような情報もあるでしょう」とコーフィールドは言う。現実的に言えば、フィード(タイムライン)を通して次々に入ってくる主張のすべてに対処しようとして事実確認作業に身を投じる人はほとんどいないだろうし、またそうするべきでもない。

「ソーシャルメディアにおける自分の役割について、皆さんにぜひ考えていただきたいと思います。自分の役割は、検証できないことをあちこちに共有したり、人の言うことを聞く耳を持たないような人たちとあれこれ言い合ったりすることではない、と思っていただきたいのです」とコーフィールドは言う。その代わりに、文脈や明確さを与えるようなコンテンツを共有してはどうだろうか。つまり、自分の州の選挙規則に関する資料や、重要な州において大量の郵便投票がどのように処理されているかに関する情報、そして各州の選挙規則に基づいて専門家が最終的な集計結果を予想している時期についての報告といったコンテンツである。今週はまだ多くのことが不確実のままだが、専門家によっていくつかの誤情報スレッドに対し警告も出された。選挙の完全性を損なうように作られ、すでに長期間出回っているもので、そのうちのいくつかはすでに誤情報であることが証明されている。

ボットハンターにはなるな:選挙当日の誤情報の脅威が深刻なのは確かだが「あらゆる者がロシアのトロールなのだと思いながらネットサーフィンに身をやつすような日々を送ってほしくないのです」と、ソーシャルネットワーク分析会社である「グラフィカ(Graphika)」のチーフ・イノベーション・オフィサーであるカミーユ・フランソワはいう。その理由は、サイバー紛争の仕組みの追跡や理解に詳しい、フランソワのような文字通りの専門家がいるからというだけではない。外国の行為者は、干渉や影響に関する虚偽または誇張された主張を信じる人々に依存していることが多いとフランソワは指摘する。「外国の行為者がやって来て選挙のハッキングに成功したと言っているのを見たら、話半分に聞いておくべきでしょう」。

「ボットハンターやファクトチェッカーにはならないようにしましょう」と語るのは、極右の誤情報キャンペーンを追跡してきた左派のメディア監視団体「メディア・マターズ・フォー・アメリカ(Media Matters for America、米国にとってメディアは重要だ)」のアンジェロ・カルーソーネ会長だ。

その代わりにみんなにできることが2つある、とカルーソーネ会長は言う。「嘘が拡散するスピードを遅らせることです。緊張が高まるスピードを遅らせることもできます」。

自分の予想には気をつけよう:筆者は何人かの専門家に話を聞いたが、これらの専門家は、それぞれ言葉は違うが同様の懸念を示していた。選挙関連の暴力問題を浮き彫りにしようという取り組みが、たとえそれが良かれと思ってなされたものであれ、暴力を伴う騒乱が実際よりもかなり広範囲に広がっているという印象を与えてしまうのではないかというのだ。このため、例外的な事件が誇張されたり、より広くからの関心や注目に値する瞬間が無視されたりすることなしに、いかにして国民に情報を提供するかという、一種板挟みのような状態に立たされている組織や団体もある。

「これに関しては、上手くやれないのではないかと思います。暴力について議論しすぎて失敗すると思います」とカルーソーネは言う。「誤情報やデマの脅威や選挙の完全性について、暴力という不安材料なしに語るのはほとんど不可能だと思います」

だが、今回の大統領選挙においては、どんな主張にも注意が必要だ。この先に具体的に何が起こるかについて、今は本当にどうなるか分からない状態なのだ。自分は予言能力を持っていると主張している人がいても、今は信用すべき時ではない。まさにそうした衝動、確実な情報を得てを落ち着きたいという自分自身の衝動にも、心の中で注意しておくようにしよう。

ログオフを検討しよう:それでも、1日がまるで1年間のように感じ、1週間がまるで1世紀のように感じるようになるかもしれない。そうなったら、大量のオンラインコンテンツの流れの上でボロボロになり、脳がオーバーロード状態になり、心身共に消耗しきってしまうのは時間の問題だ。そうした場合には、民主主義の未来といったことに注意を払うことも大切だが、「ドゥーム・スクローリング(ネットで暗い情報だけを求めること)」をやめるのも、よいアイデアではないだろうか。

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アビー・オルハイザー [Abby Ohlheiser]米国版 デジタル・カルチャー担当上級編集者
インターネット・カルチャーを中心に取材。前職は、ワシントン・ポスト紙でデジタルライフを取材し、アトランティック・ワイヤー紙でスタッフ・ライター務めた。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

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