KADOKAWA Technology Review
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6/15開催 「生成AI革命2」参加受付中【会員優待あり】

ビジネス・インパクト

優れたスタートアップ企業や新しいテクノロジーに基づく新しいビジネス・モデル、テクノロジーによる失業や不平等、仕事の未来について。

  1. コロイドゲルを1粒子レベルで観察、固まる仕組みを解明=東大

    東京大学の研究チームは、ミクロン程度の大きさ固体粒子が液体に分散した「コロイド分散系」のゲル化(粘度が増加して固まっていく現象)の過程を、「共焦点レーザ顕微鏡」によって1粒子レベルで観察。液体状態から固体状態が形成される構造形成の素過程に迫ることで、ゲルの固体性がどのような機構で発現するかについて調べ、ゲルとガラスの固体性の発現機構が大きく異なることを明らかにした。

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  2. 産総研など、水とタンパク質のミクロな混合を加速する技術

    産業技術総合研究所と東京大学、筑波大学、東京理科大学の共同研究チームは、通常は長い時間を要するタンパク質の水和変化が、サブテラヘルツ波(テラは10の12乗=1兆)の照射により、大幅に加速されることを発見した。このことは、タンパク質の構造や機能の発現に不可欠な水和現象をサブテラヘルツ波によって制御できることを示唆しており、酵素反応の活性化や飲食料品の保存や熟成の技術、タンパク質異常疾患の研究などにつながりそうだ。

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  3. 強電場における量子電磁力学をエキゾチック原子で検証=理研など

    理化学研究所などの国際共同研究チームは、最先端のX線検出器である「超伝導転移端マイクロカロリメータ(TES)」を用いて、負ミュオン(電子よりも約200倍重く、負の電荷を持つ素粒子)と原子核からなる「ミュオン原子」から放出される「ミュオン特性X線」のエネルギースペクトルを精密に測定。強電場における量子電磁力学をエキゾチック原子(原子を構成する原子核または電子を他の荷電粒子で置き換えてできた原子)で検証するための原理検証実験に成功した。

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  4. フラーレンに迫る電子受容能を持つ有機材料を開発=京大など

    京都大学などの共同研究チームは、フラーレンC60の1次元部分構造をもつ新たな有機材料の開発に成功。フラーレンに迫る電子受容能を持つことを実証した。今回見い出した分子設計手法は、炭化水素骨格のみで優れた電子受容性を実現できる新手法であることから、有機半導体や太陽電池、電池、触媒など、電子の輸送や授受がかかわる様々な機能性材料の開発につながることが期待される。

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  5. The internet is about to get a lot safer
    EUのデジタルサービス法はネットユーザーに何をもたらすか?
    世界的な巨大テック企業を規制するデジタルサービス法がEUで施行された。この法律の恩恵を受けるのはEUのユーザーに限らない、世界中のユーザーが恩恵を受けることになるはずだ。
  6. 木星表面の長期変動の成因を提唱、周期性を説明=神戸大など

    神戸大学、リーズ大学、レスター大学の共同研究チームは、最新の木星探査観測などの知見とデータ科学的解析を基に、木星表面で広く観測されてきた数年周期の変動が深部の磁気的な波動に起因する可能性があることを示した。

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  7. China Report: How a Chinese battery company powers Turkey’s home-grown EVs
    中国テック事情:トルコ悲願の国産EVにも中国製バッテリー
    トルコ市場は、中国テック企業にとって欧州市場参入へ向けた第一歩となっている。米中対立の激化で、米国における展開が難しくなっている中国テック企業は、トルコ市場をきっかけに欧州へ足を伸ばそうとしている。
  8. Earth is probably safe from a killer asteroid for 1,000 years
    小惑星の地球衝突、今後1000年間は安全か
    約6600万年前、恐竜は小惑星の衝突の影響で絶滅し、衝突からわずか数時間のうちにほとんどの陸上生物が死滅したと考えられている。こうした事態が今後1000年の間に起こる可能性は低そうだ。
  9. 地球サイズの太陽系外惑星を発見、火山活動の可能性

    東京大学が参加する国際研究チームは、宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による観測を組み合わせた研究により、約90光年先にある赤色矮星「LP 791-18」を周回する、地球サイズの系外惑星「LP 791-18d」を新たに発見した。この惑星dは、外側の隣接する軌道を公転する大きくて質量の大きい別の惑星からの引力を受けて軌道が楕円形になっており、木星の衛星イオのように火山に覆われている可能性があるという。

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  10. Future space food could be made from astronaut breath
    NASAコンペに見る
    宇宙食の未来
    「息」で作るアイデアも
    NASAは今後の長期ミッションに備えて、宇宙旅行中に持続可能な次世代宇宙食を開発するコンペティションを開催している。有望な案を3つ、紹介しよう。
  11. 木造人工衛星を2024年に打ち上げへ、曝露実験を完了=京大など

    京都大学と住友林業の共同研究チームは、木材を10カ月間にわたって宇宙空間で曝露する実験を完了。1次検査を実施した結果、温度変化が大きく強力な宇宙線が飛び交う極限の宇宙環境下で、試験体である木材に割れ、反り、剥がれ、表面磨耗などはなく、劣化が極めて軽微で材質が安定していることを確認した。この結果を踏まえて、世界初の木造人工衛星「リグノサット(LignoSat)1号機」を2024年に打ち上げ、運用を開始する予定だ。

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  12. 巨大ブラックホールを取り巻く降着円盤とジェットを初めて撮影

    国立天文台などの研究者が参加する国際研究チームは、波長3.5ミリメートル帯で観測する地球規模の国際電波望遠鏡ネットワークを用いて、楕円銀河M87の中心部を詳しく観測。巨大ブラックホールを取り巻く降着円盤の撮影に初めて成功するとともに、ブラックホールが噴出するジェットの根元の構造をこれまでで最も高い視力で捉えた。巨大ブラックホールに落ち込むガスから膨大な重力エネルギーが解放される現場を、初めて直接的に捉えたものであり、ジェットの駆動メカニズムの解明に寄与することが期待される。

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  13. That wasn't Google I/O — it was Google AI
    完全に「グーグルAI」だった2023年のグーグルI/O
    グーグルの開発者向け年次イベント「グーグルI/O」が5月10日に開催された。MITテクノロジーレビュー編集長のマット・ホーナンは現地でこのイベントをどう見たか。
  14. ベンゼン環1個分の幅の最細グラフェンを合成=東大

    東京大学の研究チームは、分子で作ったナノサイズの空間を利用することで、無数のベンゼン環が直線状に連結したポリアセンの合成に、初めて成功した。ベンゼン環が直線状につながった構造をもつアセン類は、ベンゼン環の数が増えるにつれて電子が広範囲にわたって移動しやすくなるため、優れた導電性・発光・磁気特性を示す。そのため、近年、有機エレクトロニクスやスピントロニクスの分野で大きな注目を集めている。

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  15. カゴメ格子を持つ超伝導体の電子の直接観測に初成功=東大

    東京大学の研究チームは、「カゴメ格子」を持つ超伝導体における電子の直接観測に世界で初めて成功。カゴメ格子を持つ超伝導体の超伝導メカニズム解明の重要な手掛かりとなる「超伝導ギャップ構造」を明らかにした。カゴメ格子は、原子が籠(かご)の目状に配列した構造のことであり、最近、カゴメ格子を持つ超伝導体が、これまでに知られている機構とは異なる機構で超伝導が実現する「非従来型超伝導体」であることが明らかになっている。

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  16. 東工大など、高機能触媒となるペロブスカイト酸化物の合成に成功

    東京工業大学と東北大学の共同研究チームは、高純度かつ高表面積なペロブスカイト酸化物のナノ粒子を合成する手法を開発した。ペロブスカイト酸化物は有機物の完全酸化や自動車の排気ガス浄化などの反応に対して触媒作用を示す材料であり、今回開発されたナノ粒子はさまざまな有用有機化合物の高効率合成に貢献する材料となることが期待される。

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  17. 1nm半導体量子細線の作製に成功、超微細加工に新手法=京大ら

    京都大学や東京大学、ドイツ・フランクフルト大学などの共同研究チームは、グラファイト基板上に塩化ルテニウム(半導体)のナノ量子細線を作製する手法を発見した。量子細線とは電子や正孔の動きが1次元に束縛された構造のことである。ナノテクノロジーにおける超微細加工に新たな視点を提供するもので、1ナノメートル(100万分の1ミリメートル)サイズの半導体や金属の量子細線の作製を可能にすることが期待される。

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  18. 観測史上最大の超高速恒星プロミネンス噴出を観測=京大など

    京都大学や国立天文台の共同研究チームは、りょうけん座RS型変光星「V1355 Orionis」のモニター観測により、巨大爆発現象「スーパーフレア」とそれに伴う超高速プロミネンス(温度約1万度のプラズマの塊)の噴出を検出することに成功。恒星の活動が周囲の惑星環境へと影響を与える「宇宙天気現象」の最極端なケースを捉えた。

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  19. This Nigerian EV entrepreneur hopes to go head to head with Tesla
    テスラに挑む:産油国ナイジェリア、若きEV起業家の夢
    アフリカ最大の石油産出国であるナイジェリアのムスタファ・ガジボは大学を3年で中退し、電気自動車(EV)のスタートアップを立ち上げた。太陽光パネルを搭載した同社の電気自動車に、今や、国や自治体も注目している。
  20. 転移温度評価理論で新たな高温超伝導物質を予言=兵庫県立大など

    兵庫県立大学や東京大学などの共同研究チームは、高温超伝導体の転移温度の物質依存性について独自の計算プログラムを用いて高精度解析を実施。新たなパラジウム酸化物での超伝導の提案とその相図の予言をした。

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  21. 月面重力がマウスの筋肉の量と質に与える影響を解明=JAXAなど

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)と筑波大学の共同研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟でマウスを3種類の重力環境下で約1カ月間飼育し、姿勢の保持に働く筋肉(抗重力筋)であるヒラメ筋の量と質の変化を解析。ヒラメ筋の筋量の維持と筋線維タイプの維持には、異なる重力閾値が存在することを突き止めた。

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  22. How do fungi communicate?
    菌類は「話し好き」?最新研究で分かっていること
    生物のコミュニケーションと聞くと動物あるいは植物を思い浮かべる人が多いが、実は菌類も他の多くの種と「会話」をしている可能性を示す研究が進んでいる。
  23. Banning ChatGPT will do more harm than good
    主張:チャットGPT禁止は有害無益、学校での利用解禁を
    不正利用を懸念して、チャットGPTの使用を禁じている米国の学校は少なくない。高校3年生の筆者は学校側のこうした措置に対して反論し、教育現場での利用を提案する。
  24. 小惑星「リュウグウ」の穏やかな天体衝突の痕跡を発見=名大など

    名古屋大学や海洋研究開発機構などの共同研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星「リュウグウ」の粒子を高分解能電子顕微鏡で詳しく調べ、リュウグウを作る岩石に小天体が衝突した際の温度と圧力の上昇度を評価。これらの粒子が経験した穏やかな天体衝突の痕跡を発見した。

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  25. 理研など、真空に隠された構造「クォーク凝縮」の精密測定に成功

    理化学研究所や奈良女子大学、大阪大学などの国際共同研究チームは、π(パイ)中間子が原子核に束縛された「π中間子原子」の精密測定を実施することで、真空が空っぽの空間ではなく、見えない構造を隠し持つことを示す実験結果を得ることに成功した。

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  26. 遠方銀河の向きが示すダークマターと一般相対性理論の証拠=京大

    京都大学の研究チームは、120万個にのぼる銀河の観測データを用いて、銀河の向きを系統的に調査。数千万光年以上離れた銀河の向きが、重力を介してお互いそろっている証拠を突き止めた。

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  27. 「宇宙の標準理論」に綻びの可能性か、ダークマター分布から示唆

    国立天文台の「すばる望遠鏡」の超広視野主焦点カメラ(HSC)による大規模撮像探査(HSC-SSP)の国際共同研究チームは、全探査の半分弱にあたる中間データを用いて、宇宙のダークマターの分布を精密に測定し、「宇宙の標準理論」を検証。その結果、標準理論において「宇宙の構造形成の進行度合いを表す物理量」の値が、ビッグバンから38万年後の宇宙を観測して得られた値と95パーセント以上の確率で一致しないことを確認した。

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  28. ESAの木星探査機が4月13日に打ち上げ、日本は6つの機器で参加

    ESA(欧州宇宙機関)が主導し、日本や米国、イスラエルが参加する大型木星氷衛星探査計画「ジュース(JUICE)」の探査機が、2023年4月13日9時15分(日本時間21時15分)にフランス領ギアナ宇宙センターから「アリアン5型(Arian5)」ロケットで打ち上げられる。探査機による木星およびその衛星の観測を通じて、太陽系起源の謎の解明や、地球外生命の存在可能性の探求、木星におけるダイナミックな変動の全貌解明などを目指す。

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  29. 超強磁場中で結晶の「のびちぢみ」の計測に成功=電通大など

    電気通信大学と東京大学などの共同研究チームは、室内発生世界最強の1000テスラ級電磁濃縮超強磁場発生装置を使い、600テスラの超強磁場下で結晶の「のびちぢみ」の瞬間的な計測に成功。遷移金属酸化物であるコバルト酸化物(LaCoO3)中の新しい磁気(スピン)超流動状態の兆候を見い出した。

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  30. Design thinking was supposed to fix the world. Where did it go wrong?
    企業や自治体から一時注目を浴びた「デザイン思考」の輝きは近年、失われつつある。組織内での「イノベーション劇場」が常態化し、多くの課題が大量の付箋では解決困難であることが明らかになった今、デザイン思考のアプローチにもイノベーションが求められている。
  31. 高エネ研など、40年ぶりに中性子過剰なウラン同位体を新発見

    高エネルギー加速器研究機構(KEK)と理化学研究所(理研)を中心とする国際共同研究チームは、多核子移行反応(原子核同士を衝突させて、それぞれを構成する中性子や陽子を交換する過程)によって、中性子過剰なアクチノイド(原子番号89のアクチニウムから103のローレンシウムまでの15種類の元素の総称)を合成する手法を確立。中性子過剰なウラン同位体を40年ぶりに新たに発見した。

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  32. 暗号資産の価格バーストを予測する新手法を開発=京大など

    京都大学などの共同研究チームは、暗号資産の取引ネットワークに対応する相関テンソルのスペクトルを解析する新規手法を開発。この手法により、暗号資産の価格の急上昇(価格バースト)の早期指標を提供できる可能性があることがわかった。

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  33. 小惑星リュウグウにアミノ酸生成の痕跡を発見=岡山大など

    岡山大学らの研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」の二つの異なる地点で採取した粒子に含まれるアミノ酸の濃度をそれぞれ測定。いくつかのアミノ酸の濃度が粒子間で異なることを明らかにした。これらのアミノ酸はリュウグウの前駆天体の中、前駆物質が流体と反応して形成したと考えられ、小惑星や隕石に含まれるアミノ酸の一部は氷天体で形成されたことが示されたとしている。

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  34. 「XENONコラボレーション」が暗黒物質探索の初期結果を公表

    名古屋大学や東京大学が参加する国際共同実験「XENONコラボレーション」は、暗黒物質(ダークマター)探索実験である「XENONnT」における最初の結果を公表。2018年に前身実験が報告した制限を大きく更新する結果を得たと報告した。

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  35. 国土地理院、衛星データに基づく全国地殻変動分布図を初公開

    国土地理院は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星データを用いて作成した、日本全国の大地の動きを可視化した全国地殻変動分布図を2023年3月28日に初公開した。地理院地図(ウェブ地図)から確認できる。

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  36. 小惑星リュウグウの活発な地質活動の歴史を解明=名大など

    名古屋大学と国立極地研究所などの共同研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った粒子の組織や組成を調査し、C型(炭素質)小惑星「リュウグウ」の形成過程の詳細を明らかにした。C型小惑星は、原始太陽から遠い場所で形成され、地球に水を供給するなど、太陽近くの惑星の形成過程に重要な役割を果たした天体であるとされている。

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  37. Amazon is about to go head to head with SpaceX in a battle for satellite internet dominance 
    アマゾン、スペースXと
    衛星ネットで真っ向勝負、
    24年にサービス開始へ
    アマゾンは、衛星インターネットサービスの覇権をめぐってスペースXに真っ向勝負を挑もうとしている 。スペースXのスターリンクに追いつくために、人工衛星を1日4基増やしていく計画だ。
  38. We discussed the perspectives needed for innovation that moves society
    「社会を動かすイノベーション」に必要な視点
    社会を動かすようなイノベーションにはどのような視点が必要なのか。「Innovators Under 35 Japan」に過去に選ばれた安田クリスチーナ氏、宇井吉美氏、審査員の江守正多氏が語った。
  39. The researcher designs technology to empower vulnerable people
    織井理咲:脆弱な人々に力を与えるテクノロジーを設計する研究者
    社会的に弱い立場にある人々が直面する社会的・技術的な困難・不利益を、どうテクノロジーを用いて軽減することができるか。ワシントン大学ポール・G・アレンスクール大学院の研究者、織井理咲が取り組んでいるテーマだ。
  40. U35 issue has now arrived
    MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.10刊行に寄せて
    MITテクノロジーレビュー[日本版]は印刷版マガジン『Vol.10 世界を変えるU35歳イノベーター』を3月14日に発売した。今号の狙いと主な内容を紹介する。
  41. 島の哺乳類は極端に巨大化・小型化すると絶滅しやすい=東大など

    東京大学と国立科学博物館らの国際共同研究チームは、島に生息する哺乳類について大規模なデータを収集し、体サイズの変化率と絶滅しやすさを調査し、体サイズの変化が大きい種ほど絶滅しやすいことを明らかにした。極端に巨大化あるいは小型化した哺乳類はほぼ絶滅しており、絶滅率は現代人(ホモ・サピエンス)の島への到来で10倍以上に増加するという。

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  42. 東大など、超伝導の新たなメカニズムの検証に成功

    東京大学や岡山大学らの共同研究グループは、量子液晶状態における電子の揺らぎが超伝導に与える影響を調べるうえで、近年注目されている鉄系超伝導体(鉄原子を含む超伝導物質群)の上部臨界磁場を測定することに成功。量子液晶揺らぎ(量子液晶状態の量子力学的な揺らぎ)によって超伝導電子対の結合の強さが増強されることを実験的に明らかにした。超伝導は無数の電子が何かしらの相互作用を介してそれぞれペアを組んで電子対を形成している状態であり、この相互作用を具体的に特定することが超伝導を理解する上での核心であるという。

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  43. Why the definition of design might need a change
    「デザイン」の意味を再定義する
    「デザイン」という言葉の起源の1つは、建築物の図面を書くことにある。現在ではこの言葉は、ファッションから企業経営まで幅広い分野で使われるようになった。その言葉の意味を遡ると、もう一度、デザインという言葉を再定義する必要があることに気がつくだろう。
  44. She’s working to make German tech more inclusive
    ドイツのテック業界に多様性の風を吹き込む女性活動家
    女性難民をテック業界に送り出す活動をしている女性がドイツにいる。長らくテック業界で活躍してきた生粋のニューヨーカーは何を変えようとしているのか。
  45. クフ王ピラミッド内部の未知の空間、宇宙線イメージングで発見

    名古屋大学やカイロ大学らの国際共同研究チームは、世界最大規模のクフ王のピラミッドの「シェブロン」と呼ばれる石組み構造(切妻構造)の背後にある未知の空間の位置と形状を、多地点宇宙線イメージングの技術により、数センチメートルという高い精度で特定することに成功。シェブロンの表面から80センチメートル背後に、幅2メートル、高さ2メートル、奥行9メートル程度の大きさの空間が存在していることを明らかにした。

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  46. The constant is change
    エディターズ・レター:「世界を変える10大技術」はどう変わったか
    「ブレークスルー・テクノロジー10」のリストは、世界を変える革新的なテクノロジーを突き止めるという核心に迫るものだ。技術の進歩の魅力的なスナップショットであると同時に、私たちが生きている時代のスナップショットでもある。米国版編集長からのエディターズ・レター。
  47. 超新星の「電波再増光」現象を観測、連星進化に道筋=京大など

    京都大学などの国際共同研究チームは、超新星「SN2018ivc」の長期モニタリング観測を実施し、超新星からの電波発光が弱まった後、約1年経過後からミリ波帯で再増光したことを発見。理論モデルと比較することで、この大質量星が、爆発前の一生の末期に連星相互作用の影響を受けて星の表面のガスを周囲に撒き散らした末に、終焉を迎えたことがわかった。

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  48. 10 Breakthrough Technologies 2023
    MITTRが選んだ
    世界を変える10大技術
    2023年版
    「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、サイバーセキュリティ、宇宙科学などの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2023年の重大技術を紹介しよう。
  49. Abortion pills via telemedicine: 10 Breakthrough Technologies 2023
    遠隔医療で中絶薬を提供:世界を変える10大技術 2023年版
    米国で中絶の権利を認めた過去の判例が覆され、薬を用いた自宅での中絶が徐々に広まっている。中絶を禁止する州の住民のために、中絶薬の遠隔入手を支援する団体やスタートアップも現れた。
  50. James Webb Space Telescope: 10 Breakthrough Technologies 2023
    ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡:世界を変える10大技術 2023年版
    2022年に運用を開始したNASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、先代の宇宙望遠鏡の100倍の解像度を持つ。宇宙の最初の星や銀河の形成をはじめ、天文学のさまざまな分野で新しい知見をもたらしてくれそうだ。
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