Amil Merchant アミル・マーチャント (27)
機械学習を用いた新アプローチで、太陽電池や半導体向けの新材料発見を加速。
アミル・マーチャント(27歳)は、機械学習モデルを用いて、数多くの新材料の原子レベルの組成を発見した。その中には、スーパーコンピューターや再生可能エネルギーの分野で画期的なブレイクスルーをもたらす可能性のあるものも含まれている。
マーチャントは、グーグルの人工知能(AI)子会社ディープマインド(DeepMind)が運営する「GNoME(Graph Networks for Materials Exploration)」の技術責任者として、このプロジェクトを主導した。彼が直面した課題は、現在のAIチャットボットを支えるモデルが既存の情報から予測するのには優れているが、新しい発見をするのには向いていないという点だった。
マーチャントと彼のチームは、材料科学に機械学習を導入することで、これまでの手法を大きく変革できると考えた。しかし、従来の機械学習を活用した分子構造探索では、劣化や燃焼しにくい分子構造を見つけることが困難だった。
マーチャントが先頭に立ち、GNoMEは安定した構造の発見に取り組んだ。チームはまず、既知の材料が収録されたオープンアクセスのデータベースで機械学習モデルを訓練し、安定した材料が持つ特有のパターンを学習させた。その後、このモデルを周期表全体に適用した。これにより、安定構造となり得る可能性を持つ組み合わせが数百万個特定された。
次に、チームは量子力学の既存の手法を用いて、機械学習モデルが予測した材料の安定性を評価し、フィードバックした結果をモデルに再入力した。このプロセスを精度を高めながら繰り返すことで、最終的に38万種類の新しい安定構造を発見した。従来知られていた4万種類の安定材料の約10倍に相当する。
現時点では、これらの新材料のほとんどは机上の存在に過ぎない。だが、チームの研究成果は外部の研究者に公開されており、将来的にはより高性能な太陽電池、バッテリー、半導体の開発に貢献する可能性がある。
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